体が冷えると、免疫力が下がり体調も崩しがちに。食事で熱を生み出す栄養素を補給すれば、体を温めることができるという。さまざまなウイルスが蔓延する今だからこそ、温め食材を活用したスープで病気に負けない体づくりをしよう!
スープで体を温める+α効果で免疫力アップ
血流をアップさせる食材と薬膳の力で、冷えた体を内側から温めると免疫力がアップするという。美容薬膳研究家のちづかみゆきさんが、食材のチカラで体を温めるスープを提案してくれた。
「薬膳の考えに基づき、体を温める性質の食材と、風邪予防など免疫力アップにつながる食材を組み合わせ、病気に負けない体に導きます」(ちづかさん)
温め効果のある食材をスープにして、栄養素をまるごと体に届けましょう!
◆かぶとささ身のジンジャーコーンスープ
【温め食材】かぶ ささ身 しょうが
体を温め、胃腸の調子も整える
かぶ、ささ身、しょうがは温性の食材。かぶには消化を促進する効果もあり、胃腸の働きをよくするコーンとともに、お腹の調子を整え、免疫力アップをサポート。
《材料》(2人分)
鶏ささ身…小2本(80g) 塩…1つまみ 片栗粉…大さじ1/2 かぶ…小2個 クリームコーン…180g 塩…小さじ1/2 こしょう…少々
[A]しょうが(すりおろし)…大さじ2 酒…大さじ2 水…1 1/2カップ
《作り方》
【1】ささ身は筋を取り、一口大のそぎ切りにし、塩、片栗粉をまぶす。かぶ(きれいなら皮ごと)は8等分のくし形切りにする。かぶの葉1株分は3cm長さに切る。
【2】鍋に[A]を入れて火にかけ、沸いたらささ身を入れ、再度沸いたら火を止め、ふたをして3分ほど置いてささ身を取り出す。
【3】【2】の鍋にかぶとクリームコーンを加え、かぶが好みの硬さになったら塩、こしょうを加える。【2】のささ身を戻し、かぶの葉を加え、葉がしんなりするまで煮る。
◆手羽元とまいたけの甘酢スープ
【温め食材】手羽元 まいたけ にら しょうが
疲労回復や滋養強壮効果で体を元気に
4つの温め食材を使用。鶏肉には疲労回復やアンチエイジング効果があるほか、にらにもアンチエイジング効果や滋養強壮効果が。また、調味料の酢も体を温める。
《材料》(2人分)
手羽元…4本 まいたけ…60g にら…3本
[A]水…2カップ 酢…大さじ2 酒…大さじ2 しょうゆ…大さじ1 きび砂糖…大さじ1 塩…2つまみ しょうが(スライス)…7枚
《作り方》
【1】手羽元をボウルに入れ、たっぷりの熱湯(分量外)で湯通しをする。まいたけは食べやすい大きさに割く。にらは5cm長さに切る。
【2】鍋に[A]と手羽元を入れて火にかけ、沸いたらまいたけを加えて煮、まいたけがやわらかくなったら、にらを加えてさっと煮る。
◆えびとトマトのカレースープ
【温め食材】えび カレー粉 玉ねぎ トマト
春の気候や環境変化によるイライラ対策にも
えびはアンチエイジングや疲労回復にも効果的。また、トマトには“肝”の働きをよくしてイライラを鎮める効果があり、春の気候や環境変化による自律神経の乱れを整える。
《材料》(2人分)
えび(ブラックタイガーなど)…8尾 玉ねぎ…1/4個 パクチー…1株 オリーブオイル…大さじ1 にんにく(みじん切り)…小さじ1 カットトマト(缶詰)…1/2缶(200g) 水…1 1/2カップ
[A]カレー粉…小さじ1 塩…1つまみ ナンプラー…大さじ1 酒…大さじ2
<作り方>
【1】えびは背開きして背ワタを取る。玉ねぎは薄切りにし、パクチーは1cm長さにざく切りする。
【2】鍋にオリーブオイルとにんにくを熱し、香りが立ってきたら玉ねぎを加えて炒める。玉ねぎがしんなりしたらカットトマトと水を加えて煮る。
【3】【2】の玉ねぎが柔らかくなったらえびと[A]を加え、えびに火が通ったら火を止める。器に盛り、パクチーをのせる。
◆かぼちゃと鶏ひき肉の酒粕スープ
【温め食材】かぼちゃ 鶏ひき肉 玉ねぎ 酒粕
冷えからくる胃腸の不調にも
かぼちゃと鶏肉は体を温めるほか、胃腸の働きを整える効果もあるので、冷えてお腹を壊しやすい人にもおすすめ。体を温めるこしょうもたっぷりと使用して。
《材料》(2人分)
かぼちゃ…150g 玉ねぎ…1/4個 しめじ…50g ごま油…大さじ1 鶏ひき肉…100g 水…2カップ 粗びき黒こしょう……適宜
[A]酒粕(※)…大さじ1 塩…小さじ1 こしょう…少々
《作り方》
【1】かぼちゃは1~2cm角に、玉ねぎは薄切りにする。しめじは石突きを取り、食べやすく割く。
【2】鍋にごま油を入れて熱し、鶏ひき肉と玉ねぎを加えて炒める。
【3】【2】に水を加え、沸いたらアクを取り除く。かぼちゃを加えて5分煮、しめじと[A]を加え、やわらかくなるまで煮る。器に盛り、粗びき黒こしょうをふる。
※酒粕が溶けにくい場合は、水と一緒に電子レンジ(600W)で30秒ほど加熱する。
◆葉ねぎと豚ひき肉の中華風スープ
【温め食材】葉ねぎ しょうが にんにく 花椒
風邪のひき始めの症状を抑える
葉ねぎは、発汗を促して風邪のひき始めの悪寒や熱を取り除き、のどの炎症を鎮める効果も。豚肉は薬膳では温め性質ではないが、風邪への抵抗力を高める。
《材料》(2人分)
葉ねぎ(九条ねぎ、わけぎなど)…1束 鶏がらスープ…4カップ 片栗粉…大さじ1
[A]ごま油…大さじ1 豚ひき肉…200g しょうが(すりおろし)…大さじ3 にんにく(スライス)…1片分 花椒(ホール)…小さじ1
[B]オイスターソース…大さじ1 しょうゆ…大さじ1 紹興酒(または酒)…大さじ2 塩…2つまみ
《作り方》
【1】葉ねぎは斜め細切りにする。
【2】鍋に[A]をすべて入れて熱し、豚肉に火が通ったら鶏がらスープを加えて温める。アクを取り除き、[B]を加える。
【3】【2】に【1】を加え、再び沸騰したら同量の水(分量外)で溶いた片栗粉を加えてとろみをつける。
◆鮭と長ねぎの豆乳みそスープ
【温め食材】鮭 長ねぎ ゆずこしょう
お腹を温め、ストレスも緩和
鮭は、お腹を温める効果が高く、胃もたれや食欲不振のほか、貧血予防にも効果的。ゆずこしょうは“気”の巡りをよくするので、ストレスの緩和に役立つ。
《材料》(2人分)
鮭…1切れ 長ねぎ…1本
[A]
水…1 1/4カップ 昆布…5cm四方 酒…大さじ2
[B]
豆乳(無調整)…3/4カップ みそ…大さじ1 しょうゆ…小さじ1/2 ゆずこしょう…小さじ1/8
《作り方》
【1】鮭は一口大のそぎ切りにする。長ねぎは斜めに7mm幅に切る。
【2】鍋に[A]を入れて火にかけ、沸騰する直前に昆布を引き上げ、【1】を加えて煮る。
【3】【2】の具材に火が通ったら、混ぜ合わせた[B]を加え、弱火で温める。
体を温める運動を習慣に!
温め素材を使った食事に加えて、運動をすればさらなる免疫力アップが期待できる。医学博士で健康アドバイザーの福田千晶さんは体操やストレッチを行えば、血行促進効果が高まるという。おすすめの体を温める運動を教えてくれた。
「運動不足は冷えの原因。体を動かすと、血液を押し流す筋肉のポンプ作用が正しく働き、血行が促進。こまめにストレッチや体操を行いましょう」(福田さん)
●肩と腕のストレッチ
壁の前に立ち、指先を下に向けて手のひらを壁につける。手を少しずつ上に動かし、限界まで上げたら20秒キープ。その後、少しずつ手を元の位置に戻す。反対側の手も同様に。左右各1回。
●手足ブラブラ体操
あお向けになり、両手両足を上に伸ばす。ひざは曲がっていてもOK。そのまま手足を20秒間小刻みに振ったら、手足を下ろしてリラックス。これを4回。
教えてくれたのは
ちづかみゆきさん/美容薬膳研究家。国際中医薬膳師。料理教室「meixue(メイシュエ)」主宰。著書に『暮らしの図鑑 薬膳』(翔泳社)などがある。
福田千晶さん/医学博士。健康科学アドバイザー。日本東洋医学会漢方専門医。日本医師会健康スポーツ医。各地での講演や、執筆、テレビ・ラジオ番組の出演などを中心に活動。著書も多数。
撮影/鈴木泰介 イラスト/あらいのりこ
※女性セブン2020年3月19日号
●食べ物と運動で冬の冷え対策を!「温活食材&レシピ、簡単エクササイズ」11選
●新型コロナが拡大!日々の生活に取り入れたい免疫力アップの方法10選
●食事でウイルス対策!免疫力アップを叶える簡単レシピ3選
●万病のもと“冷え”を改善!たんぱく質豊富な絶品温活料理「鶏がゆ」【市橋有里の美レシピ】
●簡単!薬膳料理レシピ6品|冷え解消、疲労回復などに効果的な食材を活用