じめじめと湿度が高く、天候や屋内外での気温差も大きい梅雨どきは、「梅雨だる」という言葉があるほど、倦怠感や疲労感を感じやすい時期。
そこで、「マラソン界のシンデレラ」と呼ばれた最強美人ランナー市橋有里(いちはし・あり)さんが、この時期に感じやすい疲れやだるさを吹き飛ばす、とっておきのレシピを伝授!
どんよりした天気が続く時期だからこそ、少しでも軽やかに過ごしたいライターFが徹底レポートします!
パンやクスクスとも相性抜群!さっぱりおいしい夏の常備菜
――この時期は普段通りの生活をしていても、なんだかいつもより疲れやすい気がします。
有里:湿気の多い梅雨どきは、体内に余分な水分が溜まって、全身のだるさや疲労感を感じやすくなりますからね。
――スタミナをつけて疲れを吹き飛ばしたいけど、あまり食欲もわかなくて。こんなときはどうすればいいですか?
有里:では、今回は食欲がないときでもさっぱりと食べられて、梅雨どきのだるさや疲労感を吹き飛ばす栄養たっぷりのレシピをご紹介します!
――それは頼もしいですね!
有里:できたてのアツアツもいいですが、冷やしてもおいしくて、ご飯のお供にはもちろん、パンやクスクスとも相性のいい一品なので、食欲不振になりがちなこれからの季節に重宝すると思います。
――楽しみです!
《材料》(2人分)
豚塊肉…200g なす…3個 プチトマト…10個 玉ねぎ…1個 白ワイン…1/2カップ にんにく…2かけ コンソメ1個 オリーブオイル…大さじ4 クミン…小さじ1 小麦粉…適量 塩・こしょう…少々 ローリエ…1枚
《作り方》
【1】 にんにくは包丁の背でつぶし、玉ねぎはみじん切りにする。豚塊肉は食べやすい大きさに切って、塩・こしょうをしておく。
【2】 なすは乱切りにし、フライパンで軽く色づくくらいに焼いておく。
【3】 鍋にオリーブオイル、にんにくを入れて熱し、小麦粉をまぶした豚肉をこんがり焼いて取り出す。同じ鍋に玉ねぎを入れて炒め、クミンを加え、豚肉も戻し入れる。
【4】 【3】に白ワイン、水(分量外)、プチトマト、ローリエ、コンソメを加え、30分ほど煮込む。
【5】 【2】のなすを加えて、なすがくたっとしたらでき上がり。
ビタミンB1たっぷりの豚肉と消化を助けるクミンで疲労回復!
――豚の塊肉は一見ヘビーですたが、食欲がないときでも食べやすそうな仕上がりですね。
有里:はい。疲れがとれない、体がだるいというときは、エネルギーの素になり、疲労回復にも効果的なビタミンB1を豊富に含んだ豚肉がおすすめ。蒸し暑い時期でも食べやすいように、冷めてもおいしい煮込み料理にしてみました。
――野菜もたっぷりで、これだけでしっかり栄養をチャージできそう。
有里:これからはなすやトマトなどがおいしい時期。栄養たっぷりでおいしい旬の夏野菜を、日々の献立に積極的に取り入れていきたいですね。
――はい。なすのとろっとした食感が絶妙ですね!
有里:でしょう? それから、今回は玉ねぎを使ったのもポイント。玉ねぎにはビタミンB1と一緒に摂ることで疲労回復効果がアップする「アリシン」が豊富に含まれているので、だるさや倦怠感の解消をサポートしてくれます。
――豚肉と玉ねぎの相乗効果が期待できるのですね。
有里:その通り。それから、風味づけに使ったクミンには消化を助けるはたらきがあるので、胃腸の機能が弱っているときにもおすすめですよ。
――夏バテにもよさそうですね。
有里:はい。冷やしてもおいしいので、作り置きにも適していますし、ご飯だけでなく、パンやクスクスとも相性がよいので、これからの季節の常備菜にぜひ!
――クスクスとの組み合わせ、私も試してみます!
カリウム豊富ななすが体内の余分な水分の排出をサポート!
有里:梅雨どきの不調は、体内に余分な水分が溜まってしまうことによって起こる場合が多いのを知っていますか?
――いえ、気圧や温度差のせいかと思っていました。
有里:もちろん、そういった要因もありますが、湿気が高いと体内に余分な水分が溜まりやすくなるので、その排出を促してあげることで、むくみや頭痛、だるさなどの解消につながります。
――なるほど!
有里:そこで、食事からできるアプローチは、「カリウム」を豊富に含む食品を摂ること。メロンやスイカなどの瓜科の植物に多く含まれているのですが、なすもカリウムが豊富なのでおすすめです。
――疲労回復に効く豚肉と、むくみ解消に役立つなすは梅雨どきに最強の組み合わせということですね。
有里:その通りです。なすには強い抗酸化作用があって、ストレスや紫外線によって発生する活性酵素の除去にも役立つので、紫外線対策としても有効ですよ。
――梅雨空でも紫外線は容赦なく降り注いでいるといいますし、体の内側からも紫外線対策をしたいですよね。
有里:はい。食は体の資本であり、美と健康の基本ですから、体調や季節に応じて必要な栄養をきちんと摂ることを心がけたいですね。
――はい! この一皿に美と健康の源となる栄養がたっぷり詰まっていると思うと、元気がわいてきます。有里さん、今回もステキなレシピをありがとうございました!
有里:こちらこそ! まだまだ雨の季節が続きますが、栄養価の高い旬の野菜や食欲をそそるスパイスなどを上手に取り入れて、心も体もスッキリ過ごしたいですね。
ヘルシーでデトックス効果も期待できるので、ダイエットメニューとしても“アリ”だと思います!
* * *
梅雨時期のだるさや疲労感には、疲労回復に効果的なビタミンB1を豊富に含む豚肉がおすすめ。冷めてもおいしい、とろっとした口あたりの煮込みなら、食欲がわかないときでも食べやすく、手軽に栄養を補うことができます。
ご飯にもパンにもよく合うので、常備菜のレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。
レシピ考案:市橋有里
いちはし・あり。1977年11月22日、徳島県生まれ。アスリートフードマイスター・料理研究家・ランニングアドバイザー。1999年、世界選手権セビリア大会銀メダル獲得。2000年、シドニーオリンピック日本代表。「マラソン界のシンデレラ」とも呼ばれ、現在はランニングアドバイザーとして女性誌でランニングモデルをするほか、料理イベントをするなど、活躍の場を広げている。
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