外出時はマスクで顔を隠すからいいやと、日焼け止めを塗っていない人は要注意! 猛暑が予想される今夏、マスクでは、肌の老化のもとになる“日焼け”は防げない。紫外線は、くもりの日でもたっぷり降り注ぎ、マスクをしていても、室内にいても、容赦なく入り込んでくる。そこで今回は、日焼け止めの正しい選び方や塗り方を紹介します。
肌の老化の大きな原因は日焼けによるもの
本誌・女性セブンの調査によると、読者の約7割が日焼け止めを毎日使っていないことが判明(※『女性セブン』読者1498人を対象に2020年4月調査)。
「日差しが強いと感じたときや、夏に海に行ったときなど、必要だと思うときしか塗っていませんでした」(42才・主婦)
日焼け止めを塗るのはスペシャルケアだと思っている人が多かったのだが、本来、日焼け止めは季節や外出の有無にかかわらず365日、つけた方がよいという。
「肌の老化の原因は、7割が日焼けによるもので、残り3割が加齢によるものです」とは、形成外科専門医の矢沢真子さんだ。
◆”光老化”は日焼け止めを正しく使えば防げる
「加齢による老化は誰しも避けられませんが、日焼けによる老化“光老化”は日焼け止めを正しく使っていればある程度防げます」(矢沢さん・以下同)
光老化とは、太陽光によって起こる肌の老化現象のこと。最近では、太陽光に含まれる可視光線と近赤外線などが紫外線より肌の奥まで届き、ダメージを与えることがわかってきた。スマホなどから発せられるブルーライトもその原因になるとされている。
「光老化の原因である紫外線は、晴れの日を100%とすると、くもりの日でも60%の量が地上に届きます。そして紫外線の一種であるUVA(紫外線A波)は窓ガラスも透過します。ですから、天候に関係なく、室内でも日焼け対策が必要なのです」
日焼け止めの正しい選び方
光老化を防ぐためには、日焼け止めを正しく選んで使うことが大切であり、どれでもいいというわけではない。
「紫外線だけでなく可視光線・近赤外線領域までカットする日焼け止めも出てきています。ジェル、スプレー、パウダー、のむタイプなど、さまざまな形態がありますが、まず選びたいのは、クリームタイプか乳液タイプ。これらは肌に密着しやすいため、日焼け防止効果が高いんです」
◆SPF、PAとは?数値の意味は?
日焼け止め選びに欠かせない指標もある。それが、「SPF(サンプロテクションファクター)」と「PA(プロテクショングレードオブUVA)」だ。
「SPFとは、肌を赤くし炎症を引き起こす紫外線B波を防ぐ効果を示すもので、最大数値は50。SPF50を超える場合は50+と表示されます」
例えば、「SPF15」の日焼け止めを、通常10分で肌が赤くなる人が使った場合、10分に表示数値の15を掛けた150分は赤くなるまでの時間を延ばせるということだ。
一方PAとは、肌の奥まで届き、しわ・たるみの原因の1つとなる紫外線A波を防ぐ効果を示すもので、プラスの数4段階で表される。プラスの数が多いほど効果が高い。
SPFやPAは、数値やグレードが高ければいいわけではないという。多くの日焼け止めには紫外線から肌を守る成分である、紫外線吸収剤か紫外線散乱剤のどちらか1つ、あるいは両方が配合されている。これらが多く含まれていれば、紫外線を防止する効果は高いが、その分、肌が乾燥しやすくなるなどの負担がかかることもある。
とはいえ最近は、肌の負担を軽くするよう保湿剤が配合された日焼け止めも多い。
◆グラフでわかる!生活シーンに合わせた選び方
「日焼け止めを選ぶポイントは、生活シーンや肌タイプに合わせて選ぶことです」
どんなシーンで、どれくらいの数値とグレードの日焼け止めを使うかは、グラフを参考にしてほしい。
日焼け止めの塗り方のコツ
では、正しい日焼け止めの塗り方とは?
「化粧水などで保湿後、すぐに塗るとベタつくので、少し乾いてから、2回に分けて半量ずつ塗るのがおすすめです。量は商品に記載の使用量の約2倍が目安。なぜなら日焼け止めを塗った後の手指に、半量くらいが残ってしまうからです。規定の量が肌に塗れていなければ、日焼け止め効果は期待できません。顔や体の表面に均一に伸ばし、すり込まないようにするのがコツ。つむじやまぶた、あご下、耳うら、首など、顔まわりの塗り忘れしやすい部分もチェックしてください」
◆鼻や頬は重ね塗りが効果的
鼻や頰など出っ張った部分は、汗やこすれなどで落ちやすいので、重ね塗りが効果的。成分により一定量の紫外線を浴びると日焼け止め効果が弱まるものもあるので、2~3時間おきの塗り直しが必要だ。
「SPFなどの数値にこだわるより、正しい量を塗り、こまめに塗り直すことが大切です。日焼け止めに加えて、帽子、サングラス、日傘などを併用すれば対策は万全です」
しみやしわの主な原因は紫外線。しっかり防いで、美肌を長持ちさせたい。
光老化から肌を守る最新おすすめ日焼け止め7選
◆アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク a
汗・水・太陽などの熱でUVブロック膜が強くなる。アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク a(SPF50+PA++++)60ml3300円(税込・以下同)/資生堂 電話:0120・81・4710
◆アオハル リペルUVトーンアップクリーム
太陽光を反射し、肌を明るく透明感のある印象に。アオハル リペルUVトーンアップクリーム(SPF50+PA++++)30g2750円/ロート製薬 電話:06・6758・1272
◆ヒフミド UVプロテクトベース
紫外線A波・B波に負けない肌状態に導く。紫外線吸収剤・界面活性剤を不使用。ヒフミド UVプロテクトベース (SPF37+PA+++)30g3300円/小林製薬 電話:0120・77・6699
◆ジェミーネフェルタリ 薬用UVホワイト50+
紫外線から肌を守りながらうるおいとハリを与える。ジェミーネフェルタリ 薬用UVホワイト50+(SPF50+PA++++)30g5170円(医薬部外品)電話:0120・44・6600(※メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ)
◆UVカット50
保湿成分スクワラン配合で、肌の乾燥を防ぐ。紫外線吸収剤不使用。UVカット50(SPF50PA+++)30g2750円/ハーバー電話:0120・16・8080
◆コパトーン パーフェクトUVカット キレイ魅せUV なめらか肌
毛穴をカバーして肌のキメを整える。コパトーン パーフェクトUVカット キレイ魅せUV なめらか肌(SPF50+PA++++)40g990円/大正製薬 電話:03・3985・1800
◆ビオレUVアスリズム スキンプロテクトエッセンス
高温多湿と汗・こすれに強く落ちにくい。ビオレUVアスリズム スキンプロテクトエッセンス(SPF50+PA++++)70g1650円(編集部調べ)/花王 電話:0120・165・692
教えてくれた人:形成外科専門医・矢沢真子さん
東京女子医科大学医学部卒。北里大学形成外科・美容外科に入局、日本形成外科学会専門医取得。2016年よりアオハルクリニックに勤務。
※女性セブン2020年7月23日号
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