愛犬家のみなさんにとって、ワンちゃんとの散歩は日常の1つでしょう。散歩だけではなく、いまは運動不足やストレス解消に効く、遊びながらできるフィットネスが大人気。「走る」「跳ぶ」「取ってくる!」など、体も心も元気になる3種類を紹介。気軽にできるので、一緒にチャレンジしてみてください。
遊びながらフィットネスで一緒にストレス解消
犬と一緒に楽しむ運動で、おすすめなのが、ボール投げやディスクドッグ競技などのドッグスポーツだ。
「犬は何千年も人間と暮らす中で、狩りなどで働くことに喜びを感じてきた動物。そこがルーツなので、犬には運動が必要不可欠なのです。特に、走って、跳んで、取ってくるといったハンティング気分が味わえる遊びが大好きなのはそのためです」と話すのは、スポーツイベントの企画・運営を行うNDA(ナショナル ディスクドッグ アソシエーション)の大塚裕さんだ。
「ディスクは慣れればボールよりもずっと飛ぶので、犬に運動させるのに最適なオモチャです。ディスクの競技大会によっては女性クラスもあり、性別関係なくできるスポーツなので、実際、女性の方が、いまは強いですね。女性は体が華奢でも柔軟性があるので飛距離が出ます。力はいらないので、覚えるとおもしろいですよ」(大塚さん・以下同)
◆短時間に集中して行うのがコツ
ボール投げも、犬の狩猟本能を刺激する遊びの1つなので、犬の運動不足解消・ストレス解消につながる。
「練習は短い時間に集中して行うのがコツ。集中力が切れる前にやめ、もっとやりたい状態でやめると、次への意欲が出てきて上達します」
公園などで楽しむ際は、人の少ない時間帯に犬にロングリードをつけて行うのが基本。犬と運動を楽しむ際は、そんなマナーもお忘れなく。
【ボール投げ】小型犬でも家の中でも楽しめる
犬との遊びの代表格がボール投げ。飼い主が投げたボールを追いかけて取ってくる姿は愛らしい。ミニチュアダックスなどの小型犬も狩猟犬なので、ボール投げが好きなコは多い。
◆最も手軽なボール遊びで擬似ハンティング
ただし、すぐにできないコもいるので、まずはボールに興味を持たせることが大切。愛犬にボールのにおいを嗅がせ、左右にボールを動かして目で追うようになったら投げてみよう。初めは追いかけるだけで、くわえて持ってこない場合もあるが、叱ったり、飽きるまでやるのはNG。短い時間に集中して遊ばせて、できたら思いっきり褒めるのもコツだ。
【ドッグヨーガ】愛犬と一緒のヨーガポーズで絆が深まる
女性に人気のヨーガに、犬と一緒に行うアレンジを加えた『ドッグヨーガ』を提唱しているのが、日本ドッグヨーガ普及協会代表の大沼則子さん。
「これは2004年にドッグセラピストの協力で作り上げた完全オリジナルのドッグヨーガです。小型犬は抱っこするか、お腹や足にのせ、犬と呼吸を合わせてポーズをとります。どのポーズも姿勢をキープしたら、3~5回、犬を感じながらゆっくり呼吸するのがポイントです」(大沼さん・以下同)
◆犬はやせないが、人と犬が一体となれる効果あり
大型犬や嫌がる犬は抱える必要はなく、側にいる犬に触れているだけでもOKだ。
「犬はやせませんが、飼い主が犬と触れ合うことが大切。触れている部分に意識を向け、犬の温もり、重さや呼吸を感じてみましょう」
ふだんとは違うコミュニケーションで、犬と人の五感と心が通じ合い、一体感が生まれれば絆や理解が深まる。
◆木のポーズ
片足に体重をのせ、反対側の足をゆっくり上げる。犬と自然な呼吸で。
◆英雄のポーズ
犬を抱いて左足を大きく後ろへ引く。息を吸って背骨を伸ばし、吐きながら右ひざを曲げ、犬を感じながらキープ。反対側も同様に。
◆ガス抜きのポーズ
仰向けに寝て両ひざを曲げ、すねの上、または腹部に犬をのせる。呼吸に合わせて上体を起こして顔を犬に近づける。
◆ボートのポーズ
うつ伏せの状態から手をついて、ひじを伸ばして脇を締め、両腕の内側で犬に触れる。足は骨盤の幅に開く。息を吸いながら腰から頭を斜め上に伸ばしてキープ。
◆コブラのポーズ
犬をお腹にのせてひざを立て、手はお尻の後ろにつくか、犬を支える。息を吸いながら両足(または片足)のすねを地面と平行に上げてキープ。
◆虹のポーズ
両足を開いて座り、犬は体の正面に座らせる。右手は犬に、左手は横から上げて体を真横に大きく倒す。脇腹を伸ばしながらキープ。反対側も同様に。
【ディスクドッグ】華奢な女性でも手軽にできるのが魅力
◆体幹が鍛えられてダイエット向き
ディスクドッグとは、フライングディスク(犬がくわえても安全な素材の専用ディスク)を人間が投げ、犬がそれを追いかけて地上や空中でキャッチして得られるポイントの合計点を争う、米国生まれの競技。
「遠くへ投げるには腰や体幹を使うので、これらを鍛えるのに最適です。また複雑な動作が入るフリースタイルも、ダイエットに効果的です」(大塚さん)
◆準備体操で肩とアキレス腱をケア
「ディスクドッグを行う際は足や肩を痛めないように、事前にアキレス腱を静かに伸ばし、肩甲骨回りをほぐしましょう」(大塚さん)
◆遠くへ投げる「ディスタンス」
“ディスタンス”のスローイング(ディスクドッグ競技で、遠くへ投げることを「ディスタンス」と呼び、その投げ方を「スローイング」という)は、腰のひねりを上体に伝え、体幹を使って投げる。この“投げ練”でウエストが細くなる効果も。
◆犬と遊ぶ「フリースタイル」
複雑な動きで犬とディスクで戯れる“フリースタイル”(遠くに投げるだけでなく自在にディスクで犬と遊ぶことを「フリースタイル」という)はダイエットにはもってこいの遊びだ。
取材・文/北 武司
※女性セブン2021年1月28日号
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