◆食前にアーモンドを食べることで血糖値が上がりにくい
もちろん、糖尿病になっていない人も、血糖値のコントロールは意識すべきこと。
「血糖値を下げるのは、血管のしなやかさを保つために大切なことです。食後の高血糖は、動脈硬化を促進することがわかっているからです。また、がんの発症リスクを高めたり、高齢者の認知機能に影響を与えるという可能性も指摘されています。
最近では、2020年の春に日本の東洋ナッツ食品で、こんな調査がありました。食前にアーモンドをとり、食後血糖値の上昇の変化について調べたところ、ほぼ全員が、アーモンドをとったときには、とらないときと比べ、食後血糖値が上がりにくいことがわかったのです。
私が考えるに、炭水化物などと一緒にアーモンドをとると、ブドウ糖が吸収されずに排出されることと、アーモンドに豊富に含まれるオレイン酸が血糖値の上昇を緩やかにしてくれることが原因の1つかもしれません」
血糖値急上昇を防ぐ効果があるナッツ類は、アーモンドの他にも、くるみ、ピスタチオナッツ、ヘーゼルナッツ、ブラジルナッツ、ピーナッツ、松の実が報告されています。血圧や血糖値をコントロールしたいなら、気軽にナッツをつまむことを習慣にするとよいでしょう。
ナッツを、おやつや日々の料理にうまく取り入れられるレシピを知りたいかたは、工藤さんの著書『ナッツをうまく食べれば100歳まで長生きできる!』に豊富に紹介されています。血圧や血糖値が気になるかたは、注目してみましょう。
教えてくれたのは:医師・工藤孝文さん
減量外来・糖尿病内科医。福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへの留学を経て、現在は福岡県みやま市の工藤内科で診療を行う。日本内科学会、日本肥満学会、日本糖尿病学会、日本東洋医学会、日本抗加齢医学会、日本女性医学会、小児慢性特定疾病指定医。『ガッテン!』(NHK総合)、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)など、テレビ出演も多数。YouTubeチャンネル『シックスパックのイケメン医師工藤孝文先生のダイエット外来』も配信中。工藤孝文先生の公式HP
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