健康・医療

腰痛がよくならない…漢方が効く?自分の腰痛タイプを知って漢方でアプローチ!

慢性的な腰痛が悩み、という人も多いのではないでしょうか? 冷えや血行不良、加齢などが原因の場合は、腰痛の緩和に漢方薬が役立つ可能性があるそうです。

腰に手を当てる女性
あなたの腰痛の原因は?
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そこで、薬剤師の道川佳苗さんから、自分に合う漢方薬を知ることができる、腰痛タイプのセルフチェック方法を教えてもらいました。

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「腰痛」の症状と原因

腰痛は文字通り「腰の痛み」ですが、その程度はさまざま。腰が重く感じる、激しい痛みがある、疲れたときに痛みを感じる、足にまでしびれがおよぶ、など人によって症状には違いがあります。とくに高齢になると、腰痛に悩む人はいっそう増えます。

原因が特定できる場合、主に以下が直接的な原因となり腰痛が起こります。

<直接的な腰痛の原因>
・筋肉や靭帯の損傷
・脊柱管狭窄症
・関節の変形
・神経圧迫

その他にも、がんなどの病気が原因で起こるものもあります。

ソファに寝転ぶ女性
腰痛にはさまざまな原因があるそう
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原因が特定されない腰痛の要因

しかし、原因が特定できる腰痛は少なく、レントゲンを撮っても原因が不明なものが多数を占めるといわれています。

直接的な原因が不明な場合、以下の要因が腰痛に関わっていると考えられています。

<腰痛を引き起こすと考えられる要因>
・冷えや血行不良
・ストレスなどの心理的な要因
・加齢や更年期による影響

上記のような理由で腰痛が起こっている場合でも、漢方の考え方を用いることで改善できる可能性があります。

不調を根本から改善し、腰痛の症状を緩和

漢方は「バランスの医学」といわれているように、心と体全体のバランスを調整することを目的としています。また、漢方薬は原因がわからない不調や繰り返す不調を、根本から改善することを得意としています。自然の生薬から作られており、西洋薬よりも副作用が少ないといわれていることも特徴です。

明らかな疾患が原因としてある場合は、手術などの治療が必要です。ただ、鎮痛薬などの西洋医学的な治療を行った場合でも、腰痛は完治しないことも多いといわれます。

そのような場合にも、補助的に漢方薬を使用することが腰痛の緩和に役立ちます。

あなたはどのタイプ?腰痛診断

それでは、腰痛改善に役立つ漢方薬を知るために、チェックリストでタイプを診断してみましょう。

冷えタイプ

以下のチェック項目に当てはまる人は、「冷えタイプ」の可能性があります。

・冷えると腰が痛む
・温めると痛みが軽減する
・腰が重く冷たい
・手足が冷える

冷えることで、痛みが増すタイプです。入浴時など患部を温めると痛みが軽減するのが特徴です。

5本指ソックスを履いた足
冷えることで痛みが増すタイプも
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血行不良タイプ

以下のチェック項目に当てはまる人は、「血行不良タイプ」の可能性があります。

・腰が刺すように痛む
・痛む場所が一定である
・肩こりや頭痛がある

・冷え性だけれど、のぼせることもある
・目の下のクマやアザができやすい

血の巡りの滞りが痛みの原因であるタイプです。打撲や姿勢の悪さ、腰に圧力がかかることなどによる血行不良から、腰痛が起こる場合があります。

加齢による腎虚(じんきょ)タイプ

以下のチェック項目に当てはまる人は、「加齢による腎虚タイプ」の可能性があります。

・疲れると腰痛が悪化する
・下半身がとくに冷える
・トイレが近いなど尿のトラブルがある
・白髪が気になる、髪の毛が抜ける

加齢、過労、冷えなどによる「腎虚」(生命エネルギーの低下)が原因で、腰痛が起こるタイプです。漢方医学では、腰は生命の根幹をなす「腎(じん)」と深く関わっていると考えられており、腎が弱ることにより腰痛が起こるとされているのです。また、腎は腰以外にも、尿のトラブルや下半身の冷えと関係があります。

体質に合った漢方薬で腰痛のお悩みを改善

「冷えタイプ」「血行不良タイプ」「腎虚タイプ」、それぞれに応じた漢方薬を用いることで、腰痛の緩和が期待できます。以下がタイプ別の漢方薬です。

皿に入った生薬が並んでいる
体質に合った漢方で改善
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冷えタイプにおすすめの漢方薬「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)は、血行をよくして冷えた体を温め、冷えによる痛みを取ってくれます。とくに手足の冷えが強く、冷えると腰痛が悪化する人に向いている漢方薬です。

血行不良タイプにおすすめの漢方薬「桃核承気湯」

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)は、体力があってがっちりとした体形の人に向いている漢方薬です。血行不良を改善する効果があり、血の巡りを改善することで、腰痛を緩和します。

→「桃核承気湯」について詳しく知る

加齢による腎虚タイプにおすすめの漢方薬「八味地黄丸」

八味地黄丸(はちみじおうがん)は、体力がなく冷え性の人に向いており、「腎」を元気にすることで、腰痛の改善にはたらきかける漢方薬です。疲労や倦怠感が激しく、寒がりで、とくに下半身の冷えが気になる人に用いられます。

自分に合ったタイプの漢方薬で腰痛を緩和しよう

明らかな疾患や原因が見つからない腰痛でも、漢方薬を用いることで痛みが軽減されることがあります。鎮痛剤を使用しているけれど、痛みがなかなか取れない人は漢方薬も併用してみるのも1つの方法です。

また、鎮痛剤では胃への負担が気になる、冷えや排尿トラブルなど腰痛以外にも他の症状も気になるといった場合など、漢方薬を服用することで、同時に複数の悩みが改善されることがあります。

青空に向かい、胸を開いて立つ女性
腰痛を治して前向きに!(Ph/Photo AC)
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ただし、漢方薬は自分の体質や体力に合ったものを選ぶことで効果が引き出されるため、漢方薬を選ぶときには専門家に相談することが大切です。

クリニックや薬局に行くのが面倒という人には、「あんしん漢方(オンライン個別相談・AI漢方)」のような、スマホで気軽に頼めるサービスを使うのもおすすめです。

教えてくれたのは:薬剤師・道川佳苗さん

道川佳苗さん
道川佳苗さん
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みちかわ・かなえ。漢方薬・生薬認定薬剤師。調理師。薬膳アドバイザー。大学卒業後、薬局にて従事し服薬指導をする中、病気の予防、健康維持には食育が大切であると感じ、服部栄養専門学校で調理技術、栄養学を学ぶ。現在はweb上で健康相談や薬膳や漢方に関する情報発信をしている。
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