梅雨の季節や雨の日、台所シンクの排水口から、イヤ〜なニオイが…。簡単に対処する方法はあるのでしょうか?
「世界一清潔な空港」に何度も選ばれている羽田空港の実技指導者で、最年少で全国ビルクリーニング技能競技会1位を獲得した経験もあり、ハウスクリーニング技能士の国家資格も取得した掃除のプロ・新津春子さんによれば、汚れの段階によって、対処の方法を変えればきれいにできるそう。そのやり方を聞いてみました。
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排水口の汚れは早めの対処が吉
排水口の汚れは、なかなか触りたくないし、掃除の手をつけにくいものですよね。だからといって放っておくと、さらに劣化して、さらなるニオイが発生します。早め早めに掃除しておけば清潔に保てますし、一度掃除するとニオイがかなり改善されるので、まずはやってみましょう。
ディスポーザ付きの排水口から漂うニオイは氷で対処!
ディスポーザがついていて手を突っ込んで掃除ができないタイプの場合は、氷を使いましょう。高温多湿によってイヤなニオイが出てくるので、氷を入れ温度を下げることでニオイの広がりを防ぐことができます。氷は、排水口が見えなくなるくらいたっぷり入れてくださいね。
ディスポーザがついておらず、排水口の奥まで掃除ができる場合は、ニオイの原因になっているぬめり汚れをきれいにする必要があります。
スポンジとブラシで排水口をきれいに
まずは見える範囲すべてを食器用洗剤できれいにしましょう。洗うのは排水口のフタ、ゴミ受け、ゴミ受けをはめこんでいる部分です。
スポンジとポットを洗うときなどに使う柄の長いブラシ、ザルタイプのゴミ受けの場合は歯ブラシなど小さなブラシを用意し、使い分けるのが好ましいです。中を掃除するときはスポンジでもいいのですが、柄の長いブラシの方が奥まで届きやすく、すみずみまできれいにしやすいです。
しつこい汚れは浸け置きでピカピカ
ゴミ受けの汚れがひどい場合は、浸け置きをしましょう。食器用洗剤を50℃のお湯で10倍に薄めてから、浸け置きをしてください。2〜3分経ったらスポンジで汚れをこすり落として、水で流してください。ゴム製の排水口のフタ以外は、つけ置きできれいにすることができます。ゴム製のフタは、原液の食器用洗剤で洗いましょう。
それと、意外と取れないのが、茶しぶの汚れなんです。もし茶しぶ汚れがひどく、食器用洗剤のつけ置きで取れない場合は、商品の指定の濃度にお湯で薄めたキッチン用漂白剤を商品の指定の濃度にお湯で薄めてバケツやおけに入れて、10〜15分ほど浸け置きします。その後は先ほどと同じように、スポンジと歯ブラシで汚れをこすり落としてください。
そうして水で流せばあっという間にピカピカです! このとき、必ずゴム手袋を着用してくださいね。
昭和の家はシンクの素材やゴミ受けの形をチェック
これまでの説明は、平成以降に建てられた家の、たいていのキッチン設備に該当するものです。年数が経過した家だと注意するべきことがあります。
ゴミ受けの形によってブラシを変える
年数が経っている家だと、ゴミ受けが細長いもののこともあります。その場合は、靴用のブラシを使いましょう。隅々までしっかりときれいにできますよ。
キッチンのゴミ受けの形や大きさに合わせて、使いやすいブラシを選んでくださいね。
シンクの素材によってはお湯の使い方に注意
台所のシンクには、ステンレス製、陶器製、樹脂製と大きく分けて3種類あります。昔はステンレス製、陶器製が多かったですが、最近は樹脂製が増えました。調理台と一体型になって掃除しやすくなっています。ただ、熱に弱く、傷がつきやすいデメリットがあるので、注意を。
台所シンクの排水口の掃除に用意するものまとめ
基本の掃除用:食器用洗剤、スポンジ、柄の長いブラシ(ポット用などと混同しないように、色を分けたり、印をつけたりする)
浸け置きをする場合:バケツまたはおけ、キッチン用漂白剤
◆教えてくれたのは:新津春子さん
にいつ・はるこ。1995年、日本空港技術サービス(現:日本空港テクノ)に入社。1997年に(当時)最年少で全国ビルクリーニング技能競技会1位に輝く。以降、指導者としても活躍し、同社ただ1人の「環境マイスター」として、羽田空港全体の環境整備に貢献し、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合)で5回にわたって取り上げられた。著書に『子どもと一緒に身につける!ラクして時短の「そうじワザ」76』(小学館)など計12冊+DVD1部。http://www.jatec.co.jp/house-cleaning/
構成/イワイユウ