いろいろと行動に自制を余儀なくされるこのご時世。家で過ごす時間が増えるとついついスケジュールが不規則になり、食生活も乱れがち。そうなると気になるのが“コロナ太り”ですよね。
そこで注目したいのが、『やせる時間に食べてみた!』(主婦の友社)に紹介されている、「時計遺伝子×食事」の研究から明らかになったダイエット法。時間をずらすだけという“根性不要”なダイエット法について、著者で管理栄養士の望月理恵子さんにアドバイスをいただきました。
体内時計は1日10分ずつずれる!この“ずれ”が太る原因に
望月さんはこう言います。
「体内時計は、地球の自転に合わせて動いています。ただ、地球時間は1日24時間ですが、日本人の平均的な体内時計のリズムは1日24時間10分で、10分のずれがあります(ずれは30分説もあり、また個人差もあります)。このずれが時差ボケのように生体リズムを乱し、血液やホルモンなどの乱れにつながります。
つまりは、食欲増進ホルモンが増加し、食欲抑制ホルモンは低下し、肥満を招くというわけです」(望月さん・以下同)
であれば、体内時計のずれをリセットすれば、ダイエットにつながるということに。では、どのようにリセットすればいいのでしょうか。そのカギは「朝」にあると言います。
主時計は朝日、サブ時計は朝食でリセット!
「体内時計のずれは、肥満や糖尿病につながるので、ずれを放置しておくことは大きなマイナスです。毎朝、体内時計をリセットすることが欠かせません。実は、体内時計は体の中に複数存在します。まず、脳に“メインの時計”(主時計)があり、内臓や筋肉、皮膚などに“サブ時計“(末梢時計)がいくつもあります。
脳の主時計は、毎朝、朝日を浴びることでリセットできますが、サブ時計をリセットするには、きちんと朝食を食べることが大切になります」
望月さんによると、朝食を食べることで、サブ時計もいっせいに目が覚めて、新たな1日の時を刻み始めるそうです。
目覚めの1杯の水が細胞を潤す
朝、起きてすぐに何をしますか? 望月さんは「目覚めたらまず、コップ1杯の水を飲みましょう」とすすめます。忘れないように枕元にペットボトルを置くことをすすめるほど、起きがけの1杯の水を飲んだほうがいい理由とは?
「就寝中は、基礎代謝が日中の6割くらいと(個人差があります)省エネモードになり、血液の流れがゆっくりになります。そのため、血液がよどんで血栓ができやすくなり、起き抜けに急に活動を始めると血栓が詰まるリスクが高まるので、就寝中に失われた水分を起き抜けに補給することが大切です」
血流がよくなって腸も目覚める!
望月さんはこう続けます。
「1杯の水を飲むことで血液が流れやすくなり、眠っている内臓も目覚めます。腸も活動を開始します。便秘がちの人は、冷たい水を飲むと腸への刺激になり、便秘改善効果が期待できます」
味のない水を飲むのが苦手な人は、麦茶やハーブティなら刺激が少ないのでOK。一方、コーヒーや紅茶、緑茶はカフェインを含んでいて、空腹時に飲むと気持ちが悪くなることも。これらが朝一番の水代わりにはならないそうです。
◆教えてくれたのは:管理栄養士・望月理恵子さん
服部栄養専門学校非常勤講師。山野美容芸術短期大学講師。株式会社Luce代表取締役。小田原銀座クリニック栄養顧問。企業向け栄養情報の提供や、栄養コンサルを実施。健康検定協会を運営しながら、多数のメディアに出演。アンチエイジング、メタボ、ダイエット、美容、食育等の分野で活動。『食べる前に飲む特製野菜ジュース』(アスコム)など、著書・監修多数。https://twitter.com/luce7590