長くはいていると、どうしても汚れが目立つスニーカー。洗濯のプロによれば、自宅で洗って長持ちさせることができるそうです。
クリーニング店「LIVRER YOKOHAMA」を経営するかたわら、劇団四季やシルク・ドゥ・ソレイユなど国内外の有名アーティストの衣装クリーニングを行う洗濯ブラザーズの長男・茂木貴史さんにスニーカーの洗い方や乾燥のコツを教えてもらいました。シーズン前にきれいにしておきたいムートンブーツを洗うときにも応用できるというから、ぜひ覚えておきましょう。
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スニーカーは2段階できれいに洗う
「コンバース」のオールスターなどキャンバス生地のスニーカーは自宅で洗えますよ。
プレウォッシュで表面の汚れを落とす
まずは液体洗剤(弱アルカリ性)と水を1:1で合わせてスプレーボトルに入れた、プレウォッシュスプレーを作ります。
プレウォッシュスプレーをスニーカー全体にかけたら、馬毛のブラシを使って、表面の汚れを落とします。馬毛は繊維に穴が空いていて、そこに汚れが吸着され、汚れを落としやすいのでおすすめです。叩いたり、こすったりして汚れを落としましょう。
粉洗剤でつけ置き&こすり洗い
次に、ウォッシュタブに40℃のお湯を張り、粉洗剤を混ぜます。割合は、その洗剤に書いてあるつけ置き洗い時の指定に従ってくださいね。その液の中で指定の時間つけ置きし、全体的にきれいになるまでこすり続けて洗いましょう。
粉洗剤は泥に強いので、スニーカーの泥汚れもきれいになりやすいです。きれいに洗えば、ニオイもだいたい取れます。白いスニーカーは、プレウォッシュのあとにつけ置きをしてからこすり洗いをすれば、白いスニーカーでもかなりきれいになりますよ!
タオルで乾燥時間を短縮
洗い終わったら、次は乾燥です。スニーカーを洗ったら、なるべく早く乾かしたいですよね。
乾きづらい内側はタオルに水分を移す
乾燥するときは、スニーカーの中にタオルを詰めて、風通しのいい日陰に置いておきましょう。タオルが湿ってきたら交換、ということを2~3回繰り返しているうちに完全に乾きますよ。
スニーカーは、外側よりも、インソールがある内側や裏側が乾きにくいもの。だからタオルを詰め込んで、水分をタオルに移します。そうすれば、ただ自然乾燥するよりも格段に早く乾くんです。新聞紙も吸水性があるのでおすすめです。
手洗いの方が傷みが少ない
浴室に乾燥機能があるならば、洗濯物と一緒に干して乾かすのもOK。最近見かけるようになった「スニーカーランドリー」も便利ですが、自分で洗うと傷みが少なく、スニーカーが長持ちしますよ。
スニーカーの洗い方はムートンブーツにも応用できる
製品にもよりますが、意外と家で洗えるのがムートンブーツ。中のモコモコ部分も復活するので、水洗いOKの表示があれば、ぜひチャレンジを。また、家で洗えない靴も、キレイに保つ秘訣をお教えします。
ムートンブーツを自宅で洗うコツ
ムートンブーツの洗い方は、基本的にはスニーカーと同じです。つけ置きしてから、ゴシゴシと力を込めずに、優しくこすり洗いします。乾かすときも、スニーカーと同様にタオルか新聞紙に吸水させながらがベスト。仕上げに、乾いたあとにブラッシングをして毛並みを整えましょう。
ただし、雨の日に履いたときにできた水シミは、早めに対処しないと落ちないので、時間が経っているときはクリーニング店に相談しましょう。メーカーによっては丸洗いを推奨していないものもあるので、きちんと表示を見てから洗うことをおすすめします。
丸洗いできない靴は拭き洗いできれいに
丸洗いができない靴は、拭き洗いをしましょう。濡らしたタオルにプレウォッシュ液を染み込ませて、汚れたところを拭きます。その後、洗剤がついていない濡れタオルで拭き、洗剤を落とせば、きれいに保つことができますよ。
◆教えてくれたのは:洗濯ブラザーズ 茂木貴史さん
茂木貴史、茂木康之、今井良の3人で洗濯のプロ集団「洗濯ブラザーズ」を結成し、毎日の洗濯が、「嫌いな家事」から「好きな家事」になるように、洗濯の楽しさを伝える活動をしている。キレイに洗えるだけではなく、同時に服を傷めず長持ちさせられるのが、洗濯ブラザーズ式・洗濯術の特徴。横浜でクリーニング店「LIVRER YOKOHAMA(リブレ ヨコハマ)」を経営するかたわら、劇団四季、シルク・ドゥ・ソレイユ、クレイジーケンバンドなど、国内外の有名アーティストの衣装クリーニングを担当している。全国の百貨店、セレクトショップなどでイベントやセミナー、講演を行い、著書『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(アスコム)は8万部を突破。また、オリジナルのナチュラル洗剤を開発し、好評を博している。https://sentakulife.com