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離婚原因「一緒にいる意味が見い出せない」の裏にある本当の理由――夫婦関係がうまくいくカギを『夫のトリセツ』著者が解説

「なんでもない話」を交わせるためにもふたりでできる習慣を持とう

「なんでもない話」を交わせるようになるには、ふたりで、何かを一緒にすることも、大きなポイントです。

夫婦
ふたりでできる習慣を持つのが大事(Ph/GettyImages)
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一緒に洗濯をすれば、「今日は晴れてたから、シーツがパリッと乾いたね」が言えるし、一緒に料理をすれば「肉屋のコロッケって、おいしいよね」が言えるようになる。

なんでもない話ができない夫には、「2人の共通体験」も不可欠です。

休日の料理は一緒にする、洗濯物を一緒に干す、なんてところから始めてもいいですね。家事を少しは手伝ってよ、などと義務感に訴えるのではなく、「あなたと一緒の時間を増やしたいから、一緒に干して」と誘ってみる。

家事には誘いにくいというのなら、同じ趣味を始めてみては? 趣味というほどじゃなくても、「金曜日の夜の散歩」を日課にしてもいい。「人生は、振り返ってみると案外短いから、あなたと過ごす時間を大切にすることにした」と宣言して。週1の散歩が習慣になれば、仕事帰りに見かけた桜の花を妻に見せようとして、「今日は、あそこの公園に行こう。桜が満開なんだ」なんて言い出すかも。

そのためには、妻のほうが、散歩の途中で見つけた花に感動して見せなきゃね。足元のタンポポに感動する妻を見て、次は満開の桜を見せたくなる。それが人情だから。

そう、なににせよ、先に「入力」。反応の鈍い夫に、最初は心が折れそうになるかもしれないけれど、「入力」の積み重ねは必ず返ってきます。

51歳、まだまだ人生半分残っているんですもの。頑張りましょう。

◆教えてくれたのは:脳科学・人工知能(AI)研究者・黒川伊保子さん

脳科学・人工知能(AI)研究者・黒川伊保子さん
脳科学・人工知能(AI)研究者・黒川伊保子さん
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株式会社 感性リサーチ代表取締役社長。人工知能研究者、随筆家、日本ネーミング協会理事、日本文藝家協会会員。人工知能(自然言語解析、ブレイン・サイバネティクス)、コミュニケーション・サイエンス、ネーミング分析が専門。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に携わり、脳と言葉の研究を始める。1991年には、当時の大型機では世界初と言われたコンピューターの日本語対話に成功。このとき、対話文脈に男女の違いがあることを発見。また、AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発し、マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者。2018年には『妻のトリセツ』(講談社)がベストセラーに。以後、『夫のトリセツ』(講談社)、『娘のトリセツ』(小学館)、『息子のトリセツ』(扶桑社)など数多くのトリセツシリーズを出版。http://ihoko.com/

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