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今やリモコンも不要!エアコンはAIを搭載しどこまで進化したのか?家電ライターが解説

最近発売された家電製品の多くは、スマートフォンから電源のオンオフなどの操作が可能な「スマホ連携機能」が搭載されるようになりました。こうした機能は「IoT」と呼ばれ、家電製品などのモノをインターネットにつなげることで、より生活が便利になるようにと近年急ピッチで導入が進んでいます。同様に、家電製品にはAI機能(人工知能)を搭載したモデルも増えてきています。

家電ライターの田中真紀子さんによると、その波はエアコンにも押し寄せていて、一昔前に比べるとエアコンの“賢さ”は大きく進化しているとか。

エアコンがIoT化され、AI機能が進化したことで、今どれほど便利になっているのでしょうか。解説してもらいました。

外出先からエアコンのオンオフができるのは当たり前に

「エアコンのIoT化は、今やほぼ全メーカーのミドルクラスモデル以上、中には下位クラスにも搭載され、スマホを使って外出先からエアコンの運転状況が確認できたり、操作できるようになりました」(田中さん・以下同)

エアコンのあるリビングで窓の外を眺めながらマグカップを片手に微笑む女性
スマートフォンから電源のオンオフなどの操作が可能な「スマホ連携機能」が搭載されたエアコンが増えている(Ph/GettyImages)
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外出先だけでなく、室内でもIoT化を活用できます。例えば、リビングにいる時でも、「あと30分後に寝室に移動するから、部屋を暖めておこう」とソファに座りながら別室のエアコンをつけておくこともできます。また、リモコンを手元に何台も置いておかなくてもスマホ1台で操作ができるので、“リモコン迷子”になりがちな人、部屋をすっきりさせたい人にも喜ばれる機能です。

一方のAI機能は、主に上位モデルに搭載されています。どのような機能なのでしょうか。

「エアコンは室内の暑さ、寒さを解消してくれるものですが、常に快適な状態をキープするのは難しいですよね。例えば、エアコンを稼働していても思うように暖かくならず、しょっちゅう温度設定や風量を変えてみたり。そんな不便を解消してくれるのがAI機能です。AIは常にさまざまな情報を収集し、室内の空気が不快な状態にならないよう先手を打って自動で設定を変えてくれるのです」

AIが体感、外気温、生活パターンを察知し、快適な室温に

より具体的にいうと、AIは「体感温度の変化」「外気温の変化」「生活パターン」と、主に3つの情報をセンサーで察知して温度調節などに生かしてくれます。

「人の体感温度の変化をチェックする機能では、今後どう変化するかを予測し、人が不快と感じる前に気流を制御して快適さを保ってくれます。

外気温の変化や床・壁の温度を検知する機能では、過去の運転内容を参考にしながら、ユーザーにとって快適な室温になるよう運転してくれます。

さらに、人の生活パターンを学習し、その人が快適でいながら節電にもなる運転方法を自ら考え、運転する機能も。

この3つの機能はメーカーによって少しずつ異なりますが、現在使っているエアコンの効きが悪いと感じたり、日によって体感温度が違う、いちいち温度設定を変えるのが面倒と感じている人にとっては、ついているととっても便利な機能です」

「IoT機能」と聞くと、使いこなすのが難しそうだと感じる人もいるかもしれませんが、設定は簡単。

「使い方は、あらかじめスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、Wi-Fiと接続。あとは、基本的にアプリの指示に従って操作すれば設定は完了します。AI機能も、Wi-Fiとつなぐことで天気予報などの情報が入手でき、先読みができるようになるため、最大限活用する場合はスマホでの設定が必要になります。

スマホ操作が苦手な人は詳しい人に頼んだほうがいいかもしれませんが、慣れている人には簡単にできるのではないでしょうか」

設定さえできれば、生活がより快適になるIoT&AI機能。搭載されているエアコンの中でも、おすすめを田中さんに聞きました。

【1】三菱電機『霧ヶ峰 FZシリーズ』

秋風が心地よい今の時期でも、日中は暑かったり、雨でジトジトしたりする日もあり、温度調節が難しいと感じる人もいるでしょう。そうした天候や外気温の変化に対し、私たち人間に代わって自動で調節してくれるのが、三菱電機の『FZシリーズ』。

三菱電機『霧ヶ峰 FZシリーズ』
AIが暖まりやすい家かどうか住宅性能を分析。三菱電機『霧ヶ峰 FZシリーズ』38万~51万円前後(税込)※市場想定価格
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「三菱電機は、人工衛星にも採用されている高性能センサーとAI技術を活用した『ムーブアイmirA.I.+(ミライプラス)』を搭載。リモコンから、あるいはスマホアプリから『A.I.自動』ボタンを押すだけで、AIが暖まりやすい家かどうか住宅性能を分析。外気温の変化や1人1人の体感温度などを先読みして、運転を自動でコントロールしてくれます」

家具が多い部屋やL字型の部屋でもエアコンの風を隅々まで届けてくれる

特に便利なのが、エアコンの風をコントロールして、部屋のどこにいても快適さを届ける三菱独自の機能。

三菱電機『霧ヶ峰 FZシリーズ』のムーブアイ部分
高性能センサーとAI技術を活用した『ムーブアイmirA.I.+(ミライプラス)』が外気温の変化や1人1人の体感温度などを先読み
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「エアコンの風は、間取りや家具の配置、室内の環境によって届かない場所がありますが、そんな風の流れまでチェック。目的の場所に届いていなければ風向を調節し、しっかり届けるルートを探します。風の妨げになる家具が多い部屋、L字型の部屋やロフトなど、エアコンの風が届きにくい場所がある住宅におすすめです」

【2】シャープ プラズマクラスターエアコン『Xシリーズ』

外気温の変化に対応するほか、睡眠中の室温、さらには足元の温度まで自動調節してくれる“賢い”エアコンが、こちら。シャープ独自のクラウドサービス「COCORO AIR」を搭載した『Xシリーズ』です。

シャープ プラズマクラスターエアコン『Xシリーズ』
天気情報をもとに部屋の温度変化を先読みして早めに温度設定を変えてくれる。シャープ プラズマクラスターエアコン『Xシリーズ』※10月29日発売予定 27万円~40万円前後(税込)※市場想定価格
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「COCORO AIRの優秀なところは、現在の天気情報をもとに部屋の温度変化を先読みし、早めに温度設定を変えてくれること。そうすることで、省エネしながら快適な温度をキープできます。

また、眠りの質を追求した『おやすみAI』も優れもの。睡眠している間、エアコンが気温や湿度の気象情報をもとに自動で温度調節してくれます。その調節が自分にとって快適でなかったとしても、その情報をフィードバックすれば次の運転に反映される機能までついているのです。寝ている時にエアコンの温度設定が合わず、何度も目が覚めてしまう人におすすめです」

睡眠中の室温や冷えやすい足元も自動調整してくれ、常時快適

さらに、これから冬に重宝するのが、足元を自動で暖めてくれる機能。リモコンで足元の温度設定をしておくと、エアコンのセンサーが足元の温度を感知し、冷えている床面があると風向を調節して優先的に暖かい風を送ってくれるのです。

シャープ プラズマクラスターエアコン『Xシリーズ』のセンサー部分
エアコンのセンサーが足元の温度を感知
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人間がコマメに室温などを調節しなくても、エアコンが自動でしてくれる。温度調節に気を回さなくて済む生活は、想像以上にストレスフリーかもしれません。

◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

田中真紀子
家電ライターの田中真紀子さん
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白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。https://ameblo.jp/makiko-tanaka89/

取材・文/桜田容子

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