節約をする上で、真っ先に削れるのが、家計の中でも大きなウエイトを占める「食費」でしょう。でも、買い物に行くとつい余計なものを買ってしまうという人も多いはずです。そこで、6年間で1000万円貯めたという、時短節約家のくぅちゃんさんに、スーパーで買い物するときにやってはいけないことを教えてもらいました。
やってはいけないこと【1】安売りや特売のものに飛びつく
節約というと、お徳用のお肉を冷凍して使いまわしたり、特売品をまとめ買いしたりというイメージですが、「安売りや特売品を買わなきゃ損という気持ちは捨てましょう」と、くぅちゃんさんは言います。
「私も節約を始めた当初は、特売品やお徳用パックをまとめ買いしていました。それを小分け冷凍にして冷凍庫はパンパンに。それで安心していたのですが、使い切れずに冷凍庫で“化石化”してしまうこともあって、節約しているのに食品を捨てることに矛盾を感じました。節約で一番大事なのは、フードロスを減らすことだと思うんです。食材を捨てることは、お金を捨てることですから。
そんな失敗を経験して、私が実行しているのは、家にある食材の使い切りを優先して1週間分の献立を考え、そこに足りないものだけを購入するという方法です。無駄な買い物をぐっと減らせますよ」
やってはいけないこと【2】買い物リストを持たずに買い物に行く
買い物は週1回、買い足す必要があるものだけを書き出した「買い物リスト」を持参するのが鉄則という、くぅちゃんさんは、メモの書き方にもひと工夫して節約を実践しているそうです。
「買い物リストを作ることで、余計な買い物をせずに済みます。私は買い物時間も節約したいので、リストを作るときは買い物する店を思い浮かべて、入り口から野菜コーナーへ行って、魚、缶詰、牛乳の順で回るなど、1周でスムーズに回れるような順番でリストを書いています。店内を行ったり来たりすると余計なものが目に入って買いたくなってしまうし、スーパーの滞在時間を減らすのに役立っています」
やってはいけないこと【3】買う予定の商品がいつもより高くても買う
購入する商品を事前に決めていても、その商品がいつもより高かった場合はどうするのが良いのでしょうか。
「例えば、ブロッコリーは300円以上なら買わない、ほうれん草は250円以上なら買わないなどと、自分の中で上限を決めています。ほうれん草が高かったら小松菜に変えるとか、天候不順で野菜が高い時期は冷凍野菜を活用するなど臨機応変に。食費の予算は1週間でいくらとおおよそ決めていますが、1か月トータルで見たときに“少しならオーバーしてもいいかな”というゆるい気持ちを持つことで節約が長続きします」
やってはいけないこと【4】物珍しい食品に飛びつく
スーパーで新商品や珍しい食品を見つけるとつい試してみたくなるものですが、それは無駄な買い物になる可能性大。
「物珍しくてちょっと食べてみたいなと思う食品は、大抵は料理法がよくわからない(笑い)。結局は無駄にしてしまうことが多いので、物珍しいものに飛びつくのはやめました」
やってはいけないこと【5】割引商品を求めてスーパーをハシゴする
節約を始めると、「こっちの店の方が10円安い!」などと、スーパーをはしごしたり、わざわざ遠くの店まで足を伸ばしたりする人もいるかもしれません。しかし、くぅちゃんさんはスーパーのはしごはしないそうです。
「10円、20円の割引を求めて、店を転々とするのは時間がもったいないと思います。それに違う店に行くと、『こんなものが売ってるんだ~』と買い物欲を刺激してしまうので、スーパーは浮気しません(笑い)。同じ店で買い物をしていると、商品の通常の値段もわかってくるので、今日は安い、高いというのも判断できるようになります。
10円、20円にこだわりだすと、食費の節約って嫌になってしまうんです。頑張った割には効果が出にくい部分でもあるので、できる限りコスパよく行うのがコツです」
「1か月の食費が多少予算オーバーする月があっても、最終的に家計が赤字にならなければいい」とくぅちゃんさんは言います。節約を始めると細かい部分に意識がいきがちですが、あれもこれもきっちりやろうと力みずぎるのは失敗のもと。まずはできることからチャレンジしてみましょう。
◆教えてくれたのは:時短節約家・くぅちゃんさん
会社員の夫、2人の息子の4人家族。看護師専門学校を卒業後、看護師に。結婚、出産で2回の転職を経て18年間、看護師を務める。共働きにも関わらずお金がたまらず、子供の教育費など将来に不安を感じ始め、節約に目覚める。節約に手間も時間もかけない「時短節約家」として注目を集め、テレビや雑誌に多数登場。著書に『節約主婦の今すぐ真似できる1000万円貯蓄』(KADOKAWA)がある。Instagram(@megum.
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撮影/黒石あみ 取材・文/青山貴子