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愛好家が語るサウナの魅力 水風呂を経ての外気浴が“恍惚タイム”「ととのう」

恍惚タイム「ととのう」はどんな感覚?

2021年の「新語・流行語大賞」にノミネートされた「ととのう」。もともとはサウナ愛好家たちが使っていた用語ですが、その意味とは。

「“ととのう”とはサウナ界のレジェンド・濡れ頭巾ちゃんが名付けた用語で、サウナ上がりの気持ちよさに名前を付けたところ、それが浸透していきました。“ととのった”状態は定義がなく、人によって、また日によっても違います。

私も毎回のように感じ方が違います。宇宙を泳いでいる感じがすることもあれば、体がふわふわしたり、全身の毛穴からキラキラしたものが出ているように感じることもあります。

自分はととのっているのかわからないという声もよく聞きます。未知の感覚が来ないと、ととのっていない、と考えてしまっていると思いますが、気持ちがよければととのっています。とはいえ、私も何も感じない日もありますし、“ととのわなきゃいけない!”と固く考えないでほしい。本当のゴールは心が解放されることなんです」

岩田リョウコさん
ととのわなきゃ!と気負わず、気持ちがいいのが一番
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コロナ禍でサウナはどう変わった?

世界中で猛威を奮っている新型コロナウイルスは、サウナ界にも影響を及ぼしました。

「緊急事態宣言が発令された2020年4月辺りは、サウナ施設がすべて閉まってしまいました。私はどうやって生きていけばいいんだろうと思うくらい動揺したんですけど(苦笑)。今でもサウナ内でしゃべらないように、沐浴にかけて“黙浴”になっています。一時期はサウナ内でマスクをしている人もいて、裸でマスクという不思議な世界でした」

岩田リョウコさん
コロナ禍で流行り始めたテントサウナ。好きな場所で贅沢な時間を過ごせる
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コロナ禍でも、サウナー(サウナ愛好者)たちはサウナをあきらめませんでした。

「テントサウナを購入する人が増えました。耐熱性テント内で薪ストーブを焚いてサウナを楽しむものです。これなら自分が誘った仲間たちだけで、好きな場所で、好きなように、好きなものを食べながらサウナを楽しめる、贅沢アイテム。テントサウナのあと、大自然に囲まれながら川に飛び込むと、最高にととのいますよ。お試しあれ!」

◆教えてくれたのは:文筆家・イラストレーター・岩田リョウコさん

文筆家・イラストレーター・岩田リョウコさん
文筆家・イラストレーター・岩田リョウコさん
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兵庫県出身。アメリカ在住中に出版したコーヒー本『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』が全米ベストセラーに。世界5か国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でサウナ・スパ健康アドバイザーの資格を持つ。『Saunner of the Year 2021』に選出。今年1月、サウナの基礎知識や「ととのう」などが解説されたサウナ文化の教科書的な著書『ちょっとサウナ行ってきます こうあるべきを脱ぎ捨てて、明日がもっと軽くなる』(いろは出版)を出版。https://twitter.com/ilovecoffeejp

取材・文/小山内麗香

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