
人気観光地にはホテルも多く、どこにしようか迷いますよね。今回は、春に人気の京都、そして長野県軽井沢から、地域の魅力をぎゅっと詰め込んだニューオープンのホテルを、旅行ジャーナリストの村田和子さんが紹介します。いずれも「ご近所・ネイバーフッド」がテーマの宿。地域をじっくり味わえる魅力満載のホテルで、今までにない旅時間を過ごしてみてはいかが?
館内で京都を感じ、朝散歩で気持ちが整う「OMO3京都東寺 by 星野リゾート」
「OMO(おも)」とは、星野リゾートが展開する都市型観光ホテルのブランド(https://j7p.jp/75791)。全国に10施設あり(3月30日現在)、「OMO3京都東寺」は昨年4月、JR京都駅の徒歩圏内にオープンしました。
「OMO3京都東寺」のコンセプトは、「心の時空トリップ」。平安時代から続く世界遺産「東寺」を中心に、ご近所をOMOレンジャーと散策したり、館内は仏教に気軽に親しみ心落ち着く空間が広がるなど、どっぷり「京都」に浸れます。


寛ぎの空間「OMOベース」。写経もでき、読書もおすすめ
館内に入ると、お香が漂う和の空間で、「まんだらアート」に出迎えられます。フロントには、塗香(ずこう)や数珠が美しくディスプレイされるなど、デザイン性の高い空間に旅のテンションも上がります。

宿泊者が利用できる「OMOベース」には、砂で写経が体験できる「写経テーブル」、新旧の街並みを比較できる「ご近所マップ」などがありゆったりと寛げます。


地元を深堀する「ご近所アクティビティ」
「OMO」ブランドの特徴のひとつが、ご近所をレンジャーが案内してくれるアクティビティ。「OMO3京都東寺」では、2つの無料アクティビティを開催。「東寺まんだらさんぽ」は、歴史や仏像についての“OMOレンジャー”のレクチャーを聴きながら、世界遺産の東寺を拝観できます。


もうひとつ「国宝の朝さんぽ~空海にあえる朝~」は、東寺で行われる朝のお勤め体験。集合はなんと5時45分! 季節によっては夜明け前の暗いうちから出発、お勤めに参加後、7時頃にホテルに戻るスケジュールです。



「京都やくよけOMO散歩」は、ご祈願(4000円)と東寺の拝観料(※)が必要ですが、御影堂で祈願を受け、限定の腕念珠が授かれるとあって人気です。




レストランはなくても、地元「京都」を感じる朝食サービスを開始
館内にレストランはありませんが、精進料理「泉仙」の仕出しサービスが4月18日からスタート。朝のお勤め後に食せば、京都の風情を感じ、優しい味わいにホッとします。

また、OMOベースの一角では、OMOオリジナルのおにぎりやパン、おやつ・飲み物・アルコールなどを販売。部屋やOMOベースでいただくことができます。

ホテル館内、そしてご近所の1200年の歴史ある東寺と、京都の魅力を存分に感じられる「OMO3京都東寺」は、気持ちを休ませたい、日常から離れてリラックスしたい……そんなときにぜひ訪れたいホテルです。宿泊料金もリーズナブルなうえ、京都駅からも近い立地で、ひとり旅にもおすすめです。
出張後や、メインの観光に1泊加えることで、世界遺産の東寺でココロが整うプライスレスな体験ができますよ。
(※)東寺の拝観料は通常500円ですが、時期により変動があります
■「OMO3京都東寺 by 星野リゾート」1泊素泊まり 1室1万円~
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo3kyototoji/
別荘時間を満喫!軽井沢の自然や文化にインスパイアされた「ホテルインディゴ軽井沢」
「ホテルインディゴ」(HOTEL INDIGO)は、その土地の「ネイバーフッドストーリー(ご近所の物語)」を館内のインテリアや食、サービスに表現する世界的なライフスタイルホテルブランド。国内2軒目として、今年2月にオープンした「ホテルインディゴ軽井沢」は、多くの著名人に愛される軽井沢に根付く「別荘体験」がコンセプト。

自然に癒され、アート作品に五感が研ぎ覚まされる
晴れた日には浅間山を臨む自然豊かなロケーションに、フロントやダイニング、スパ、客室棟が点在。いずれの棟も窓が大きくとられ、室内からも軽井沢の自然を身近に感じられます。



館内は、軽井沢の自然や文化をモチーフとしたアートワークが随所にあり、まるでギャラリーのよう。アート好きにはたまらない空間です。
廊下に飾られているのは、スペイン出身のイラストレーターであるルイス・メンド氏のアートワーク。軽井沢に実際にある場所や景色をテーマにした作品は、描かれた家族の姿などに気持ちがほっこりとします。「会話が生まれることを意識した」という通り、一枚の絵から頭の中にストーリーがどんどん広がります。


また、環境への配慮も随所にあり、自然素材のインテリアは上質で心地よい空間を演出。ロビー棟、ダイニング棟、スパ棟の約135平米で木材製品が使用され、その約80%に地元長野県産の唐松を利用しているといいます。


五感を刺激する、別荘時間を楽しむ客室
客室はいずれも30平米以上と広々。軽井沢にちなんだアートワークに、遊び心のあるインテリアが心地いいスタイリッシュな空間です。全室にバルコニーがあり、深呼吸をすれば、森の香りが心地いい! 川のせせらぎを聞きながらお茶をしたり本を読んだり、自由気ままに過ごしていると、本当に自分の別荘のように思えてきます。



客室で一息ついたら、スパ棟へ。大浴場は井戸水を使い、血行をよくする炭酸泉の露天風呂では、鳥のさえずりを聴きながらの極上のバスタイムが満喫できます。

ダイニング「KAGARIBI」で、地元食材を利用したイタリアンを
どこを切り取ってもお洒落なインディゴ軽井沢ですが、レストラン「KAGARIBI」も外とつながる開放的で洗練された空間が広がります。地元の別荘族にも人気というのも納得です。


朝食ビュッフェには地元の柳沢農園の野菜、スムージーやジュースの種類が多く、どれにしようか迷うほど。卵料理はオーダーが入ってから調理し、温かい飲み物は好きなタイミングでお願いできます。

オープンキッチンには暖炉があり、ランチやディナーでは薪火イタリアンを提供。軽井沢の地野菜や信州産の牛や豚など、地元産の素材を使った、オーセンティックな本場のイタリアンが頂けます。


館内は軽井沢をテーマにしながらも、たとえばアートワークは海外の作者が多いなど、宣教師から始まった別荘地「軽井沢」らしい西洋のエッセンスも感じられ、パートナーや母娘など大切な人と過ごすのにぴったり。1泊では名残惜しく、できれば連泊して存分に別荘時間を満喫したいところです。6月いっぱいはロングステイプランも販売されているので活用してみるのもいいですね。
■ホテルインディゴ軽井沢 開業記念特別宿泊プラン(30時間ロングステイ・2食付き) 1室あたり(2名分)5万円~
https://karuizawa.hotelindigo.com/
◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年よりNHKラジオ『Nらじ』月一レギュラー。トラベルナレッジ代表(https://www.travel-k.com/)。旅ブログも行っている(http://www.murata-kazuko.com/)。
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