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預金じゃお金は増えない!おすすめはスイス式「7割守って3割攻める」|手堅い資産形成術【前編】

投資は「7割守って、3割攻める」

ヨーロッパの中でも、見習いたいのが、“手堅く”資産を増やすスイス式。

「スイスは世界一物価が高いのに、金利は日本並みに超低金利。そこでスイス人のお金持ちは、預金、投資、保険や年金を3割ずつ保有したうえで、物価上昇に負けない程度のリターンを目指して投資を行っています」

株式よりも債券、投資信託などを重視

ポイントは、「7割守って、3割攻める」。守りとは安定、攻めとは上昇。つまり、リスクの高い株式より、債券や株の配当金、投資信託の分配金など安定した利回りが確保できるタイプの「守りの投資」を投資額全体の7割にしているのです。

グラフ
安定した利回りで着実に増やしていくスイス式は見習いたい資産運用法だ(Ph/PhotoAC)
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「投資の中で、リスクを低い順に並べると、債券、不動産投資信託(REIT)、株式。この3つの中で安定した利回りが得られるのは、債券と不動産投資信託です。債券は利息収入が約束されていますし、不動産投資も、毎月決まった家賃収入を得られるという意味では安定しています。

それに対し、株式とは値上がりしたときの利益を目的とした金融商品。配当(株主に分配される利益)と値上がりによる利益のバランスを取ることが重要です。『配当率が高く安定志向の株』を保有するか、その逆で『配当が出ない、振れ幅の大きいハイリスクな株』を保有するかで、10年後の利益も変わってきます。さらに、株は売り時が一番難しい。したがって、特に初心者が株を購入する場合、投資期間は長めに考えることと、安定的に配当を受け取りながら、“あわよくば株が値上がりして利益が出れば”という考えで臨むといいでしょう」

◆教えてくれたのは:ファイナンシャル・プランナー・渡邊一慶さん

ファイナンシャル・プランナー・渡邊一慶さん
ファイナンシャル・プランナー・渡邊一慶さん
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株式会社マネージュ代表取締役、ファイナンシャル・プランナー、マネー教育アドバイザー。1983年、愛知県生まれ。関西外国語大学を卒業後、三菱UFJ証券に入社。アメリカのシティバンク銀行からヘッドハンティングされて転職。その後、プライベートバンクで世界最大手のスイスのUBS銀行へ。クライアントアドバイザーとして、金融資産2億円以上の富裕層顧客の資産管理を担当する。2016年に独立して現職。著書に、『定期預金しか知りませんが、私、本当にお金持ちになれるんですか?』(秀和システム)がある。https://twitter.com/manege8341

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