甘みがあってジューシーなトマト。1年中見かけますが、5月頃から夏にかけて旬を迎える野菜です。野菜ソムリエプロの福島玲子さんによれば、おいしいトマトを見極めるポイントがあるそうです。また、トマトのおいしさを長持ちさせる正しい保存法も教えてもらいました。
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おいしいトマトの見極め方
トマトはサラダなどの生食だけなく、煮ても焼いてもよしの万能な野菜です。スーパーなどでトマトを買うときのポイントをチェックして、家庭の料理をよりおいしく味わいましょう。
甘いトマトには「スターマーク」がある
全体の色が均一で、皮にツヤとハリがあるものを選びましょう。へたは濃い緑色で、ピンとしてみずみずしいものが新鮮です。持ったときにズシッと感じるような、見た目よりも重いものは、甘みがぎゅっと詰まっていますよ。
トマトならではのチェックするべきポイントは、おしりから放射状に白く伸びている線です。星のように見えることから「スターマーク」と呼ばれています。
この線は、維管束という養分が通る管で、トマトの生長に合わせて養分を運びます。養分がいきわたり完熟したトマトに見られますので、「スターマーク」が濃く大きく均等に伸びていることが、甘く成熟したトマトの印です。
選んではいけないNGポイント
皮にシワがあったり、色が黄色っぽくなっていたりするものは、鮮度が落ちているので避けましょう。
また、へたの付近に白い小さな斑点のようなものが出ているものは、傷んで味が落ちているので避けた方がいいですよ。
トマトは逆さ向きで冷蔵庫へ
熟したトマトは買ってからすぐに食べるのがベストですが、そうもいかないときもありますよね。正しい保存の方法を知ると、長持ちさせることができます。
野菜室に入れるときは逆さ向きにするのが正解
完熟トマトは、ポリ袋に入れて野菜室で保存しましょう。へたを下にして、お店に売っているように平らに並べると長持ちしますよ。なぜ逆さにするのかというと、トマトは実の先端の方がやわらかいからです。形が崩れたり、傷ついたりするのを避けるために、どっしりとしているへた側が下にくるように置くといいんです。
また、トマトは追熟しますので、青いトマトを買ったときは、常温(15~20℃)で保存して熟すのを待ちましょう。
冷凍すると皮むきが楽になる
トマトは冷凍すると1か月ほど持ちます。へたを取って、まるごとでも、カットしてもOKです。料理の用途によって処理をして、使いやすい形にしてからフリーザーバッグに入れて冷凍庫で保存すると、いざ調理をするときにラクですよ。
冷凍したトマトは流水にさっとつけると、ぱりっと弾けるように皮がむけます。冷凍トマトはスープやソースに使うと便利なので、試してみてください。
また、生のトマトの場合は、フォークにさして直火で焼いたり、熱湯につけたりすると皮をむきやすいです。料理によって、使いわけましょう。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ