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専業主婦から社長になった薄井シンシアさんが伝授!スタッフ育成で活きた「子育てに必要な3つの“E”」

学びは一定期間後に必ずチェックすべし

前回、巻き寿司を開発した話をしましたが、子供たちのニーズに応えるために、カフェテリアのスタッフの皆さんには不慣れなこと、経験のないことにいろいろと挑戦してもらいました。というのも、料理はブランディングによって、同じ食材を同じだけ使っていても価値が変わってくるからです。

カフェテリアではタイ料理が1皿30バーツ(約100円)ですが、ハンバーガーは200円、焼き鳥などの日本料理は300円、タイの子供たちが大好きな「サブウェイ」のサンドイッチも300円です。同じ鶏肉を使っていても2倍、3倍の値がつく。これがブランドです。子供たちの好きな焼き鳥やサブウェイ風のサンドイッチを作れば、子供たちは喜び、単価が上がるので食堂の利益も増えます。

薄井シンシア
ときには失敗もあったが、そのたびに乗り越えてきた
写真7枚

子供たちが「ブリトーが食べたい」と言い出したときは、一から勉強しました。ネットでレシピを検索して材料を買いそろえ、調理動画を見ながらスタッフと一緒に試作し、練習する。そうやって提供にこぎつけたブリトーは、もちろん人気メニューの一つになりました。

焼き鳥も同様に練習してもらってメニューに加えました。ただし提供を続けるなかで予想外の失敗もありました。最初の1か月はみんなが完璧に焼いてくれて、子供たちにも評判でした。ところがある日、子供たちが「これ変だ」「生っぽいかも」とザワザワ。見れば「焼き鳥」のはずが、生焼けの鶏肉にタレをかけてごまかしたような代物になっていました。

スタッフを追及したら、子供たちに急かされるので、つい生焼けで出してしまったと言う。「ついって言うけど、だったらあなたたちこれ食べられる?」と問いかけると、さすがに生焼けはなくなりました。そのかわり、今度は焼きすぎてかたくなる。それもまた指摘して、元に戻してもらいました。