「爪は健康のバロメーター」といわれるように、爪のトラブルは体の不調のサインである場合が多いそうです。そこで、漢方にも詳しい管理栄養士の小原水月さんに、爪の不調サインの見方と対策に役立つ食材、おすすめの漢方薬について教えてもらいました。
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爪からわかる不調のサイン3つ
糖尿病や甲状腺の病気などでも爪質の悪化は起こりますが、今回は日常生活でよく見られるトラブルについて取り上げます。
縦シワ
爪に縦シワができるのは血行不良による栄養不足や乾燥が原因です。爪を作る爪母細胞の機能低下によってもあらわれるので、加齢や疲労、継続的なストレスがもとになる場合もあります。
へこみ
爪のへこみは一時的に全身の血流が悪くなり、爪の発育が止まることで起こると考えられています。不規則な生活や大きなストレスを受けたとき、高熱が出たときなどに見られます。
爪割れ
長期間の乾燥や栄養不足になると、爪全体がもろくなり、割れやすくなります。頻繁な水仕事や除光液の使用など、外部からの刺激も爪が乾燥する原因です。また、加齢による貧血で体の先まで栄養が行き渡らない場合にも爪が割れやすくなることがあります。
美しく健康な爪を作る食事
美しい爪を作るにはどうしたらいいのでしょうか。爪の形成には鉄が欠かせません。しかし、鉄は吸収されにくい栄養素の1つです。そこで、鉄を多く含む食材だけでなく吸収を助ける食材と合わせて食べるなど、食べ方の工夫もしてみましょう。
カツオ
カツオには鉄が含まれ、美しい爪を作るのに役立ちます。
鉄を豊富に含むカツオは、刺身やたたき、カルパッチョにして、鉄の吸収を助けるビタミンCを含むレモンなどの柑橘類を添えて食べるのがおすすめです。4月~5月に獲れるカツオは初鰹とよばれ、身がしまってさっぱりとしたおいしさです。
がんもどき
大豆製品全般に鉄が含まれますが、なかでもがんもどきは鉄を多く含む食材です。
鉄は胃液に触れると吸収されやすくなるので、食材を口の中でよく噛んで細かく砕いて飲み込みましょう。胃液に触れる面積が増え、吸収率を高める助けになります。煮物が定番のがんもどきですが、表面がカリッとなるまで焼いて食べてもおいしいですよ。
小松菜
レバーなどと並び、小松菜も鉄を多く含む食材です。レバーを毎日食べるのは脂質の過剰摂取が心配ですが、小松菜はほとんど脂質を含まないので安心してたっぷり食べられます。
酸味や辛みを効かせた味付けにすると胃液の分泌が促され、鉄が吸収されやすくなるので、サラダにしてお酢を使ったドレッシングをかけたり、からし酢味噌がけ、こしょうを効かせたピリ辛炒めなどにしてはいかがでしょうか。