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56歳を過ぎると人は聞く耳を持たなくなる?怒りっぽくなった夫への対処法2つの心得

やるべきことが若いときの何倍も見えている

一方で、私たち主婦も、この脳の秘密を知っておかないと、別のことで追いつめられます。なにせ「やるべきこと」が若い頃の何倍も見えちゃってる。

風呂場の水道栓に残った水玉を見たら、それが乾いたあとに、うろこのような跡を遺すことに思い至ってしまう。洗面所の鏡についた指紋も、ハンドソープが残り少ないことも、ゴミ箱がいっぱいなことも、みんなみんな気づいてる。

風呂上がりに、自分の肌と髪に夢中になってる娘を尻目に、ベテラン主婦は、寝るまでにやるべきことが脳内に溢れてくるわけ。それをいちいち家族に頼むとうるさがられたりしてかえって面倒くさいので、たいていは黙ってやるわけだけど、いつしか、自分ばっかりこまねずみのように働いていることに虚しくなってしまいます。

なにせ家族は感謝しないから。

なめているわけじゃなく、見えていないだけ

感謝しない理由は、見えていないからです。ベテラン主婦が100見えているとしたら、家事をしない男性や若い女性は30くらいしか見えていない。その30さえ遂行すれば、自分は完璧だと信じているので、まったく悪びれもしないのです。

老夫婦
自分は完璧だと信じているので、まったく悪びれもしないの(Ph/AFLO)
写真5枚

見えているのに、手を出さないのなら性格が悪いわけだけど、見えてないのですから、心根を叱っても、相手はきょとんとするだけ。

世の中は、より見えている側に厳しくできています。できる人ほど、損をする。企業では、できる2割の社員が全体の8割の仕事をする、と言われています。

ベテラン主婦の2つの心得

じゃあ、見えない側に回りたいかというと、私はそうは思わない。家事をうまく回したときの完遂感は、なににも代えがたいから。この記事を読んでくださっているみなさんも、きっとそうではないでしょうか。ベテラン主婦は、その脳と手を止められない。なんて愛しいことなのかしら。

そんなベテラン主婦に2つの心得があります。

【1】 家族が手伝いもせず感謝をしなくても、それは家族が主婦をなめているからじゃない。自分が優秀すぎて、家族が理解できる域を超えたことを認めて、自分を讃えよう。

【2】 気づいたことをすべてやってたら、眠る暇もなくなるので、あきらめることを覚えよう。

明日できることを今日するな

私は「明日できることを今日するな」という イタリアのことわざを、人生の座右の銘にしています。思いついても、今日しなくていいことは、『明日の自分』にメールして、忘れてしまう努力をします。

それと、「えいやっ」と目をつぶって、家事のどれかを家族に丸投げすること。家事をシェアするときは、丸ごと任せます。

例えば、洗濯を手伝ってもらうのなら、「自分が忙しいときだけ」「洗濯物を取り込むことだけ」頼むのではなく、いっそ『洗濯リーダー』に任命してしまうことです。洗剤のセレクトから、ピンチングハンガー、洗い方や干し方、そのタイミングに至るまで、すべて本人のやりやすいように。もちろん、やり方を聞かれたら教えますが、それ以外はとやかく言いません。失敗したらしたで、脳の学習になるので。

夫がまだ外で働いているので、そこまでは無理、というのなら、「風呂のカビとり係」「そば茹で係」「肉焼く係」とか、もう少し小さなタスクを丸投げしましょう。「今日はおそばにしよう」となったら、「あなた、お願い」と無邪気に頼ります。