カラー上手、前髪上手。オシャレ番長な男性アイドル
もちろん髪型オシャレさんは女性アイドルだけではない。男性アイドルでいえば、やはりチェッカーズの藤井フミヤさんを一番に思い出す。真ん中の一束だけ長く前に垂らすという素晴らしいアイデア! ハンチング帽とセットで真似をした方もいらっしゃるのではなかろうか。
C-C-B のドラム、笠浩二さんのピンク色の髪も好きだった。デザイン性の高いデカメガネ、ポップな声、そしてリズム弾ける楽曲がピタリと合い、存在が丸ごとカラフル&キャッチーだった。
ああ、懐かしい。アイドルの髪型を思い出しているだけで、歌が一緒に口に出てくる。梅雨の湿気にため息をついていたが、思わずヘアアイロンをマイクに歌ってしまったではないか。
このクルクルなくせ毛も、見ようによってはアーティストチック。どうせ避けられないのなら、ネタにしようと心は決まった。「今日はクルクル具合が激しいので大雨が降りそう」とアマタツさんばりに天気予報を極めるのもいい。帽子を選んだりウィッグで変化を楽しむのもいい!
日本気象協会が発表した最新の梅雨入り予想によると、今年の九州〜東北では、平年より早く梅雨入りを迎えるようだ。
湿気は、ポジティブな妄想と憧れと思い出で強引に吹き飛ばす。そのくらいがちょうどいい。
◆ライター・田中稲
1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。他、ネットメディアへの寄稿多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。https://twitter.com/ine_tanaka