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「痩せたら着られそうな服」は本当に必要?クローゼット内の服、“捨てる・捨てない”の決め方

洋服がたくさんかかっているイメージ
スッキリとしたクローゼットになるには?(Ph/イメージマート)
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「いつか着る」「やせたら着よう」そんな理由で、クローゼットに服を溜め込んでいないでしょうか。クローゼットの中をスッキリさせる方法を教えてくれたのは、家族の片づけコンサルタントのseaさん。片づけが「面倒」に感じない仕組みづくりを分かりやすく説明した『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。』(ダイヤモンド社)の著者で、家事代行マッチングサービス「タスカジ」では「予約の取れない家政婦」で知られる片づけのプロです。seaさん流のクローゼット片づけ術とは?

クローゼット内の取捨選択、どうする?

seaさんいわく、分ける作業の最重要ミッションは、大量のモノの中から「使うモノ」を選ぶことだといいます。その過程で重要なのが、「使うモノ」「使わないモノ」「迷うモノ」への3分類。しかし、この3つに分ける際、判断に迷うモノが出てきて、つまずく人が多いといいます。「たぶんもう使わないけれど手放したら後悔しそうなモノ」などが、その例。

seaさんは、こうした迷いをどう裁いているのでしょうか。とりわけクローゼットの中で迷いがちな仕分けについて、取捨選択の判断基準を教えてもらいました。

考えている女性 後ろ姿
取捨選択で迷ったときどうしたらいいのか?(Ph/Photo AC)
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存在を忘れていた服

「クローゼットの洗い出し作業をすると、『こんな服があったんだ』とその存在をすっかり忘れていた服がひょっこり出てくることがあります。久々の再会にうれしくなって『使うモノ』に分けたくなるかもしれませんが、ちょっと待って。『これ、探してた!』という服は別にして、ワンシーズン以上存在を思い出さず、なくても不自由しなかった服は今後着る可能性が高いでしょうか? 残念ながら、そうではないと思います。未練があるなら手放さなくてもいいので、いったん『迷うモノ』に入れましょう」(seaさん・以下同)

高額な服

ドレスやブランド品などの高価な服は、高額ゆえに「長く持っておこう」という意識が働きがちです。その結果、5年、10年単位で手放せないままクローゼットに残り続けることも…。

「でも、5年10年も時間が経てば、服のデザインが自分の今の年齢に合わなくなることもあるし、体型が変わってもう着られなくなることもあります。もし迷うなら、一度袖を通してみて、その姿を鏡で見てみましょう。着るのが面倒なら、鏡の前で体に当ててみて。パッと見て違和感を持ったり、明らかに今の自分にそぐわなければ、思い切って手放しましょう。それでも惜しいなら、『迷う』に分類して、次に整理する際に再度検討してみては」

鏡を見ながら洋服を当てている女性
今の自分に合っているのか考えてみよう(Ph/photoAC)
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「もし痩せたら」着られそうな服

気に入っていたのに、体型が変わって着られなくなった服。「もしダイエットに成功したら着られるかも」という淡い期待から、「使うモノ」に分けたくなる人は多いでしょう。

ですが、「また着られる」日が果たしてくるのか、seaさんは首をかしげます。

「ダイエットに成功したら、その時点で自分に似合う新しい服が欲しくなるのではないでしょうか。歳月を経て、好みや流行も変わっている可能性もあります。

そこでおすすめは、ダイエットのモチベーションを上げるために、1~2着だけ『使うモノ』に分類し、目に入る位置に置いたり、定期的に着てみたりすることです。ダイエットを思い出させてくれる細身の服が目に入れば、やる気も出てくるでしょう。

また、こうしたお気に入りの数着があれば、あとは手放してもいい気持ちになりやすい。仕分けが進む副次効果も期待できます」

いただいた服やおさがりの服

家族が買ってくれた服やおさがり、手編みのマフラーなど、「使っていないけれど捨てるにはしのびない」モノは判断に困りますよね。

「ここで考えてほしいのが、自分が誰かにプレゼントをしたときのこと。プレゼントって、相手に贈って喜んでもらった時点で、満足していませんか? そう考えれば、相手の人にわざわざ言わず、そっと処分する分には罪悪感を持つ必要はないのでは。必要なものだけ残して、それ以外はお別れしてはいかがでしょう」

ゴミ袋に洋服が入った写真
自分に必要ないと判断したものは思い切って処分!(Ph/photoAC)
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部屋着

「毛玉だらけの服や流行遅れの服を部屋着に降格している人も多いのではないでしょうか。そんな部屋着がいくつもあると、クローゼットがパンパンになり目当てのものが探しにくくなります。

それに、部屋着は着心地がすべて。お気に入りばかりをヘビロテして、まったく着ない服も多いはず。部屋着は、洗濯周期に合わせて枚数を考えると納得感を持ちやすくなります。洗濯周期+2セットあれば、足りなくなることはありません。例えば3日に1回洗濯するとして、毎日新しい部屋着を着るなら、洗濯中に着る分を含めて5枚あれば十分です」

洋服ダンス
部屋着は5枚もあれば十分足りる(Ph/イメージマート)
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このように、クローゼットのものを一切合切かき出して、仕分け、一部をゴミ袋に入れるだけでも収納スペースは広がります。収納スペースに余裕が出たら、ぎゅうぎゅう詰めで開け閉めに苦労することなく、使い終えたモノを戻しやすくなります。その結果、「しまうのが面倒だから」とポイ置きして部屋が散らかることもなくなる…はず。今週末、早速チャレンジしてみては?

◆今回参考にした本

『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。』(ダイヤモンド社)

6000軒を片づけた「予約の取れない家政婦」が教える、究極の片づけ術。家じゅうにひそむ「めんどくさい」を取り除き、片づけの手間をなくす方法を紹介しています。いままで何度もリバウンドしていた人、ズボラな人にこそ向いている、一生、家事がラクになる本。

◆教えてくれたのは:家族の片づけコンサルタント・seaさん

タスカジ・seaさん
家族の片づけコンサルタント・seaさん(Ph/砂原文)
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個人宅の片づけや掃除を行うこと20年超。今までに片づけた家は6000軒以上。家事代行マッチングサービス「タスカジ」では、その実力のあまり「予約の取れない家政婦」の別名も。現在はメディア出演や執筆、片づけ講座の企画・開発など幅広く活動する。著書に『タスカジseaさんの「リセット5分」の収納術』(主婦と生活社)、『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。』(ダイヤモンド社)など。https://taskaji.jp/user/profile/2551

●片づけのリバウンドを防ぐには「めんどくさい」をなくす!“予約の取れない家政婦”が3つのコツを伝授

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