甘い香りがして、ジューシーでみずみずしい果肉がおいしいメロン。スーパーの果物売り場を眺めれば、リーズナブルなものから高級な逸品まで、さまざまありますよね。野菜ソムリエプロの福島玲子さんによれば、メロンは種類によってそれぞれ目利きのポイントがあるそうです。
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メロンは大きく分けて2種類ある
メロンは大きくわけて2種類あります。表面に網目ができるものはネット系メロンと呼ばれ、マスクメロンや夕張メロンなどの高級なものから、アンデスメロンやタカミメロンなど、手に入れやすい価格のものまでたくさんあります。
ネット系に対して、網目のないメロンはノーネット系と呼ばれています。ハネジューメロンやマクワウリなどに代表され、値段は手頃なものが多いです。
ネット系、ノーネット系を合せると品種は40種類以上にもなります。
ネット系メロンの特徴
ネット系でも、スーパーなどに並ぶ手頃な値段のメロンは、なんとなく選びがちかもしれません。でも、やはり品種によってその特徴には違いがあり、かためで食感がよいメロンを食べたいときはタカミ、ジューシーでとろけるような食感がお好みであればアンデスがおすすめです。
また、クインシーメロンなど赤肉のものは、β-カロテンが緑肉のものと比べて25倍多く含まれています。β-カロテンは、体内でビタミンAに変換され、抗酸化作用が期待できる栄養素です。
ノーネット系メロンの特徴
一方、ノーネット系は、あっさりとした味わいとしっかりとした食感が特徴です。ネット系よりも味や食感は瓜っぽく、甘味もネット系ほど強くありません。さっぱり食べたいかたにはこちらがおすすめです。
おいしいメロンを見極めるコツ
では、おいしいメロンはどうやって見極めればいいのでしょうか。
ネット系メロンは“網目”を見るのが重要な理由
ネット系メロンを選ぶときは、網目をよく見るのが大切です。この網目は、実は人間でいうかさぶたなんです。
できてすぐのメロンの実はツルツルで、まだ網目がありませんが、成長の段階で果肉部分の成長に皮が追いつかずに裂け目ができます。皮に傷がつくと、メロンは蒸発を防ぐためにスベリンというコルク成分を分泌するのですが、この成分が固まって網目となるのです。人間でいうかさぶたのような状態です。
この網目は温度や水分の状態が適切でないと、まだら模様になってきれいにできません。そのため、網目の間隔が狭くて、均一になっているきれいなメロンは、作り手がきちんと手をかけて管理している証拠。丁寧に作られたメロンですから、味もおいしいものが多いです。