
もうすぐ7月ということもあり、ムシムシじっとり夏本番。暑さ対策のためにもラフな格好や薄着になるこの時季は、“きちんと感“のあるコーディネートがしづらくなりがち。そこで、皇后雅子さまの定番アクセサリー「パール」に注目。夏場のきちんと見せを叶える雅子さまのパールアクセサリーと着こなしをスタイリストの横山麻里さんとともに振り返ります。
カジュアルにもフォーマルにも合う!パールは夏の軽快ファッションにも活躍
パールアクセサリーというと冠婚葬祭などフォーマルなイメージが強いジュエリーでしたが、最近では、カジュアルな普段着ファッションにも身に着けている人を多く見かけます。雅子さまはよくパールアクセサリーをお召しになっていますが、夏につけるパールアクセサリーの効果について横山さんが教えてくれました。
「最近では、オールシーズン、パールのアクセサリーが人気です。パッと思い浮かぶのは一連のネックレスなどですが、シンプルなデザインの他にも、凝ったデザインのパールモチーフのアクセサリーが出ています。
夏は、暑さ対策から、カジュアルな服装が多くなりますが、そんな夏のカジュアルファッションにもパールをプラスするだけで、一気に上品な雰囲気になります。また、純白のパールをつけることで、抜け感が出て、涼し気なコーディネートになります」(横山さん・以下同)
ロングジャケットとパンツのマニッシュスタイルをドレッシーに
2005年7月、ベージュのストライプのジャケットに白のパンツというスタイルで、「愛・地球博」に出席された雅子さま。
ゴールドで縁取られたパールのイヤリングは雅子さまのお気に入りのアクセサリーのひとつ。さらに、胸元には存在感のあるゴールドのネックレスを合わせて、シャープなストライプ柄のジャケット+パンツというマニッシュなスタイルでも、華やかかつやわらかい印象に。



「パンツスーツというメンズライクな装いに、パールのイヤリングを合わせることで、女性らしさが加わっています。ネックレスにボリュームがあるので、イヤリングも大きめにすることで、全体のバランスが取れていますね。インナーやパンツ、シューズと、白で統一することで、全体的に調和されたコーディネートになっています。
ベージュ×ホワイトのコーディネートは、大人っぽく、上品な雰囲気にまとまるので、アラフィフ世代には、おすすめです。ただ、ノーアクセサリーだと、コーディネートにメリハリはなく、印象がぼんやりとしてしまいます。洋服のデザインがシンプルであれば、ボリュームのあるパールアクセサリーや、ベージュとなじみのよいゴールドをプラスすると、おしゃれ感が増します」
白×ネイビーのメリハリルックにパールでやわらかさをプラス
2006年6月、シンガポール&タイを訪問される天皇皇后両陛下(当時)を空港でお見送りする雅子さまは、よくお召しになっているバイカラーのジャケットをお召しに。このときはイヤリングとネックレスがパールでした。




「爽やかな着こなしに、パールのイヤリングとネックレスをプラスすることで、大人っぽく、気品漂う、マリンスタイルになっています。ジャケットのパイピングデザインがコーディネートのアクセントになっていますので、アクセサリーは、シンプルなデザインをセレクトされることで、特にお顔周りのバランスが素敵です。
白×ネイビーのマリンルック、例えば、ボーダーを取り入れるときは、カジュアルになりすぎないように、パールのアクセサリーをプラスすると、グッと大人っぽい着こなしに仕上がります。今回のような、シンプルなデザインのパールアクセサリーもいいですが、揺れるパールのピアスを合わせると、より女性らしい印象になります」
アイスブルーのスーツの清々しさをパールで底上げ
2011年6月、ドイツを公式訪問される天皇陛下(当時は皇太子)をお見送りされる雅子さま。さわやかなアイスブルーのスーツにパールのアクセサリーでとても清楚な印象です。



「アイスブルーのスーツは、とても清々しく、清潔感溢れる着こなしです。パールのアクセサリーを合わせることで、控えめながらも、上品な華やかさがプラスされています。また、淡い色でのワントーンコーディネートも、パールの白で抜け感が出ます。
ワントーンコーディネートも引き続き、トレンドです。今季は、特に、カラーのワントーンコーディネートに勢いがあります。そんなときこそ、きちんと感のある、一連のパールネックレス+一粒パールイヤリングの組み合わせは、上品な大人スタイルに仕上がるポイントに」
シックなトーンのスーツにもさりげなく華やかさを添えて
2015年7月、国王の戴冠式に出席するためトンガへ。民間のチャーター機で東京・羽田空港を出発された天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さま。雅子さまは、シックなトーンのスーツにパールジュエリーが上品に映えていました。




「トリミングデザインのジャケットを主役にしたモノトーンコーディネートは、少しモード感も感じる大人な着こなしです。パールのアクセサリーを合わせることで、柔らかさがプラスされています。シンプルなデザインのパールアクセサリーは、主役のジャケットをより引き立たせる効果があります。
モノトーンコーディネートや、オール黒のコーディネートは、アラフィフ世代、少し強い、シャープな印象にまとまってしまうことがありますが、パールのアクセサリーをプラスすると、柔らかく優しい印象をプラスしてくれます。パールが用いられた、バッグやサンダルも、今季のトレンドアイテムです。アクセサリー感覚でプラスすると、モノトーンやオール黒コーディネートも新鮮になります」
白配分多めのバイカラーコーデはパールの相乗効果で清楚感アップ
2016年7月、リオデジャネイロ五輪の日本代表選手団の結団式に、夫妻でご参加。ひときわ清楚で明るい白ジャケット、パールが素敵なコーディネートの雅子さま。



「全体をネイビー×白、パンプスもバイカラーでまとめられた、上級者のコーディネート。テーラードジャケットで、かっちり感もありつつ、揺れ感のあるスカートのデザインやパールアクセサリーで女性らしさも演出されています。イヤリング、ネックレス、リングと、アクセサリーを散りばめることで、コーディネートのアクセントに。
夏は、手首や指先も、おしゃれの見せどころ。シンプルなカットソーやブラウスに、シンプルなデニムやパンツ、スカートというような、いわゆるワンツーコーディネートのときこそ、パールのアクセサリーを散りばめて、コーディネートをアップデートさせたいですね」
フェミニンなデザインのスーツにも媚びない上品な甘さを追加
2019年7月、『地球科学・リモートセンシング国際シンポジウム2019』の開会式に出席された雅子さま。ノーカラーのフェミニンなセットアップに帽子をかぶられていました。すっきりとアップにされたヘアスタイルにパールのイヤリングとネックレスが存在感ばっちり、上品な華やかさを添えていました。


「フェミニンな雰囲気の装いも、可愛いらしさだけでなく、パールのアクセサリーで、上品な大人の可愛らしさがプラスされます。ノーカラージャケットも、甘くなりすぎず、大人っぽい着こなしになり、お顔周りも明るくなっています。
一連のパールネックレスは、ノーカラージャケットにも、テーラードジャケットにも、クルーネックにも、Vネックにも合わせられる万能アイテムです。カジュアルな着こなしのときにこそ、一連のパールネックレスをプラスするだけで、カジュアル度が軽減されます。きれいめなコーディネートにパールを合わせることはもちろん、デイリーカジュアルなコーディネートにパールを合わせれば、ワンランクアップのお出かけ仕様のコーディネートになります」
ペールブルーのセットアップに合わせることでみずみずしく清涼感のある雰囲気に
2019年6月、芸術の分野で大きな業績をあげた人々に贈られる「日本芸術院授賞式」(東京)ご出席の際は、水色のアンサンブルをお召しに。胸元と耳元には大粒のパールが端正に輝き、みずみずしい雰囲気でした。

「爽やかなカラーと、エレガントな装飾が施されたアンサンブルは、とても高貴な雰囲気にまとわれています。淡いカラーなので、大粒のパールのアクセサリーは、華やかさをプラスしつつ、アクセントになっています。
パールは、上品なイメージですので、大粒であったり、デザイン性があってもきれいめな印象になります。いつもは、シンプルなアクセサリーをセレクトしがちな人も、大粒パールなら挑戦しやすいと思います。淡い、パステルカラーのコーディネートには、メリハリがつくように、大粒パールのネックレスや、イヤーカフ、ダブルフィンガーリングなど、少しデザイン性のあるパールアクセサリーをセレクトしてもいいですね」
◆ファッション解説:スタイリスト・横山麻里さん
ほどよくフェミニンで上品なカジュアルスタイリングが参考になると、同世代の女性たちからの支持多数。大人女性のファッション誌を中心にカタログや広告で活躍中。
●皇后雅子さま、2週連続のご公務はオールホワイトコーデで涼やかに、ほんのり華やかさも香らせて