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【大塚寧々 ネネノクラシ#26】お祭りの思い出 息子と夢中になったスーパーボールすくい

寧々さんのお祭りの思い出とは?(Ph/網中健太)
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女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第26回は、寧々さんの「お祭り」のエピソードについて。

* * *
もう何年もお祭り行っていない気がする。最後に行ったのはいつだっただろうか。

小さい時は、従兄弟や友達とよく行った。お祭りだと、両親や祖父母が特別にお小遣いをくれて、お財布を落とさないように気をつけながらもワクワクした。

屋台のあちらこちらから良い匂いがして、たこ焼きも食べたい、綿飴も買いたいし、水飴も食べたいし、ヨーヨーすくいもしたい!と心が躍った。

母に着せてもらった浴衣もちょっと歩きにくかったが、なんだか嬉しかった。大人になってからも息子が小さい時は、家族や従兄弟や友達とよく行った。

そういえば、お祭りといえばスーパーボールすくいが忘れられない。色取り取りのスーパーボールに息子は目を惹かれ「やりたい!」と興奮していた。しかし、子供には難しくて、なかなか取れず、「お母さんもやって~」の一言で、私は気合をいれて「頑張る!」と張り切ったのだが、息子と同じく全く取れない…すぐに紙が水に浸かって破れてしまう。

屋台のおじさんが「ほいっ、ほいっ、ほいっと」

「もう一回!」と言いながら何回かやったが結局取れない。息子は「あ~あ~」と諦めモードだった。そうしたら、屋台のおじさんが私の下手さ加減に見かねたのか「あ~あ~違うんだよ。こうやっ てやるんだよ!」、と見本をみせてくれた。

今もこんなに!(Ph/大塚寧々)
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すごい! ほいっ、ほいっ、ほいっとあっという間に何個も取れてる。職人さんの技を見ているようだった。手の動きとリズム感が素晴らしい。本気で見惚れてしまった。おじさんは、私にその後もコツを教えてくれて、おじさんみたいに上手には出来ないが、 なんとか、ほいっ…ほいっ…ほ、ほいっと取れるようになった。

息子も嬉しそうな顔だ。おじさんにコツを教えてもらい、なんとか取れている。スーパーボールすくいって楽しい! それから私と息子は、しばらくスーパーボールすくいに夢中になった。家の近所のあっちのお祭り、こっちのお祭りと、スーパーボールすくいに行こう!と楽しんだ。

息子が大きくなった今も、家にはまだスーパーボールがたくさんある。 たくさんのスーパーボールを見ながら、久しぶりにお祭りに行ってやってみたいなあと思う。

◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)

1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。現在、出演映画『軍艦少年』が公開中。

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