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梅雨明けして余計に気になる!どんより「にごり肌」を正しいケアで“快晴肌”にトーンアップ

青空と日傘
年齢とともに深刻化する悩みのひとつ「くすみ」。その原因としてあげられる肌の「にごり」について美容皮膚科医が解説(Ph/イメージマート)
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女性にとって「くすみ」は、年齢とともに深刻化する悩みのひとつ。そんな「くすみ」の原因としてあげられることのひとつに、肌の「にごり」があります。そこで、梅雨が明けて、肌がにごりが際立って見えるこの時期に、にごり肌の種類と正しいケアについて、医師のアドバイスをいただきます。

あなたはどの「にごり肌」? 適切なケアなくして快晴肌なし

初夏に目立つにごり肌の原因は、5つのタイプに分けることができると、教えてくれたのは、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋雅美さん。

顔の脂をとっている女性
夏になると、紫外線や冷房による乾燥、毛穴トラブルなど、さまざまな悩みが現れ、肌のにごりに悩む人も多い(Ph/イメージマート)
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「マスク生活が定着し、マスクによるかぶれなど、肌のトラブルを訴える人が増えています。さらに、夏になると、紫外線や冷房による乾燥、毛穴トラブルなど、さまざまな悩みが現れ、肌のにごりに悩む人も多いです。にごり肌と言っても、原因はひとつではなく、さまざまなことが考えられます。その原因によって対処は変わります。まずは自分がどのにごり肌なのか、原因を見極め、適切なケアを行うことで、明るく健康的な肌を手に入れましょう」(山屋さん・以下同)

紫外線、エアコンなどによる「乾燥にごり」とケア方法

・肌表面がカサつき、粉っぽい
・顔全体がくすんでいる
・いつもの化粧水がしみる
上記に当てはまる人は「乾燥にごり」の可能性大。

部屋の壁に設置されたエアコン
夏はエアコンの使用により肌の乾燥が進む(Ph/イメージマート)
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「徐々に強く紫外線や湿度が高くなる中でのマスク着用、エアコンの使用により、肌の乾燥が進みます。乾燥によって肌のキメが乱れると、光が乱反射して、肌に影ができてしまうことで、肌ににごりが生じます」

ケア方法|天然セラミド高配合アイテムを

「肌の乾燥が進みバリア機能が低下している肌は、化粧水などで与えた水分をとどめる力が低下しています。そのため、いつもの保湿ケアにバリア機能を回復させるセラミドケアを追加して、内側からしっかり潤う肌に整えましょう。ケアの時には、天然セラミド高配合のアイテムを使用するのがポイントです」

肌の代謝リズムが崩れたことによる「角質にごり」とケア方法

・顔のゴワつきが気になる
・顔全体がグレーっぽい
・肌が硬い
と、感じたら、「角質にごり」かもしれません。

「朝晩の寒暖差や、日々の気温変化による肌代謝の乱れ、さらには急増する紫外線量により、肌表面に不要な角質がとどまることで肌のツヤや透明感が失われている状態」

ケア方法|くすみの原因となる古い角質の除去

「角質ケアで肌の生まれ変わりをスムーズにし、くすみの原因となる古い角質を除去しましょう。ただし肌への摩擦は角質肥厚を招く原因になるので、塗るタイプの角質ケアアイテムを使いましょう」

毛穴が黒いせいでにごる「毛穴にごり」とケア方法

夏の定番毛穴問題。下記のように「毛穴」がにごりを引き起こしているかもしれません。
・毛穴の目立ちが気になる
・肌や頬など顔の中心部分のくすみが気になる
・鼻や頬を触るとブツブツする
・顔のテカリ、化粧崩れが気になる

「気温・湿度が上昇し、目立ちはじめる毛穴トラブル。特に、皮脂が増える季節に目立つ『角栓毛穴(黒角栓)』は、毛穴1つ1つが黒く見えるため、肌がくすんで見えてしまいます」

ケア方法|角質を厚くしない角質ケアと紫外線対策、角栓のもととなる皮脂の分泌を抑えるケア

「夏は紫外線ダメージから肌内部を守るために、防衛反応が働き、角質が厚くなります。そのため、毛穴をふさぐ原因となる角質を厚くしない角質ケアを取り入れターンオーバーを促して、さらに紫外線対策、角栓のもととなる皮脂の分泌を抑えるケアを取り入れましょう」

日焼け止めと、日焼け止めで書かれた50、40、30、20、10、はてな、SPF
紫外線を浴びると角質が厚くなりやすいため毎日の日焼け止めは欠かせない(Ph/イメージマート)
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不要な古い角質をオフする角質ケアをする

「外的刺激によって乱れがちな肌の代謝を整えて、古い角質が毛穴をふさがない、毛穴に溜まらないようにサポートする角質ケアをスキンケアに取り入れましょう。塗るだけなど摩擦を与えずに使用できるタイプの角質ケアアイテムがおすすめです」

日焼け止めを塗るなど紫外線対策を徹底

「紫外線を浴びると角質が厚くなりやすく、毛穴つまりを招くので、日焼け止めも必要なケアです。紫外線の強い夏だけでなく、1年を通して日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。日常使いであれば、SPF35以上、PA++以上、ジェルやミルクなどの油分が少ないタイプ、専用クレンジング不要で落としやすいものがおすすめです」

ビタミンCで過剰な皮脂の分泌を抑えましょう

「過剰な皮脂を抑える効果のあるビタミンCは、皮脂対策に加えて、角栓の酸化による黒ずみにもアプローチできます。ビタミンC誘導体が高配合された化粧水や美容液などを取り入れましょう」

カットされたオレンジと葉っぱ、美容液が入った小瓶が2つ
ビタミンCは過剰な皮脂を抑える効果のある(Ph/イメージマート)
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どっと疲れて見える「目元にごり」とケア方法

こちらはシンプルに、目の下のクマが気になる人が抱えがちな「目元にごり」。

「目の下のクマによって目まわりが暗くみえることが原因で生じるくすみです。特にマスク着用時は、肌が見える部分が限られているため、目元のにごりが顔全体の肌印象に影響します」

クマの種類別ケア方法

【1】青クマ
「主な原因は血行不良。寝不足やパソコン、スマートフォンのしすぎなど、目の疲れなどから目の下が血行不良になり、うっ血して青暗く見える状態です。温冷ケアで目元の血流を改善しましょう」

温冷ケアがおすすめだといいます。

「清潔なハンドタオルを水で蒸らしラップで包み、500wの電子レンジであれば1~2分ほど温めます(ほんのり温かい程度)。それを目元に広げてのせて約5分、氷水にひたし冷やしたタオル(水をしっかり絞りましょう)を目元に広げてのせて約5分。これを交互に3回程度繰り返します」

【2】茶クマ
「主な原因はメラニンによる色素沈着。紫外線や乾燥、花粉症などで目の擦りすぎ、アイメイクの間違った落とし方、メイクを落とさないで寝るなどした結果、目の下に色素沈着が起こっている状態です。角質ケアをしてターンオーバーを促進したり、美白効果のある成分ビタミンC誘導体配合の化粧品でのケアで色素沈着を改善しましょう。また、摩擦は茶グマ悪化の原因になるため、スキンケア時の摩擦も注意しましょう」

【3】黒クマ
「『黒クマ』とは『たるみグマ』とも呼ばれ、眼窩脂肪(がんかしぼう・目の下の脂肪)が加齢などにより下に落ちてきて、目の下の皮膚がたるんでしまっている状態。できてしまった黒クマはセルフケアで改善させることが難しいため、クリニックでの治療が必要です」

マスク下で繰り返す肌荒れなどによる「炎症にごり」

こちらは、マスク生活ならではのにごり肌。下記が当てはまるなら「炎症にごり」の可能性があります。
・炎症ニキビを繰り返している
・マスクで覆われている部分の肌に赤みがある

「透明感に欠かせない『均一な肌色』。マスク着用で繰り返しているニキビや肌荒れなどの炎症による肌の赤みは透明感を低下させて、肌のにごりを招く原因になります」

こちらは、ニキビ治療が解決の近道。皮膚科を受診し治療したのち、医師による指導のもと、適切なスキンケアを自宅で行いましょう。

肌のトラブルは、放っておくと大きなトラブルに発展しかねません。特に、紫外線量の多い夏は、それだけ肌にとっても過酷な環境。そんな過酷な環境を乗り切るためには、健康な肌でいることが大切です。

「なんかくすんでる」「にごっている感じがする」と思ったら、スキンケアを見直して、晴れやかなヘルシー肌で夏を満喫しましょう。

◆教えてくれたのは:美容皮膚科医・山屋雅美さん

美容皮膚科医・山屋雅美さん
美容皮膚科医の山屋雅美さん
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埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科、三井記念病院皮膚科勤務を経て、2011年美容皮膚科タカミクリニック入職。2021年、副院長に就任。ニキビ・毛穴などの美肌治療から、シミ・しわ・たるみなどのエイジング治療まで幅広く診療を行う。https://www.takamiclinic.or.jp/

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