思い出の品の捨て時は難しい
遺品整理をしていると、両親の意外な面を知ることにもなった。
「父の本は数でいうと2000冊以上あったのですが、百科事典の裏に隠すようにエッチな本や雑誌を見つけて苦笑いです(笑い)。母の日記には“夫が浮気してるかも”と書かれていて、こちらも複雑な気持ちになりました。両親のプライベートなものを見て、見たくなかったという気持ちと、そういうことを思っていたんだという発見と、両方ありました。
また、書斎には父が書き上げた小説の原稿が残っていて、父の夢の欠片に触れた気がして感動しました。両親の新たな面を知ることは心情的にはおもしろかったんですけど、物理的には大変でした。どれも思い出が詰まっていて捨てづらいですしね」
どこかのタイミングで処分しなければ…
松本さん自身も息子をもつ母親だ。自分の荷物はどうするのかを聞いた。
「小中学生時代に集めていたピンク・レディーのブロマイド、松田聖子ちゃんや山口百恵ちゃんの切り抜きなどは捨てられずに実家から東京に持って来たのですが、これらは息子にとってはまったく価値も興味もないんだろうなって痛感しました。
息子に遺品整理で大変な思いをさせないために、どこかのタイミングで処分しなければいけないと思うのですが、結論は出ていません。死ぬまで残っちゃいそう。息子に文句言われるんだろうな(苦笑)。私は親の遺品で苦労したけど、連鎖しちゃいますね。自分だけの宝物って、どこで踏ん切りをつければいいんでしょうね」