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お金を貯めるためにはなぜ通帳記入が大事なのか?生活コスト削減コンサルタントが語る

一万円札と通帳
お金が貯まる人が通帳記帳をしている理由とは?(Ph/photoAC)
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「給料日前になると食卓がわびしい。子供たちの進学や、自分たちの老後のためにお金を貯めたいけど、毎月生活はカツカツ」なんてことになっていませんか。この金欠サイクルから抜け出せない人は、日頃の習慣に原因があるかもしれません。何気ない習慣を見直し、お金が貯まるサイクルを作る方法を生活コスト削減コンサルタントの生方正さんが教えてくれました。

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お金が貯まらない人の習慣、お金が貯まる人の習慣

お金が貯まらない人がよくやる習慣。それは口座から現金を引き出した際に、通帳記入をしないこと。もちろん毎回通帳記入をしなければいけないというわけではありませんが、最低でも月1回程度は記帳しておくことが大切です。

お金が貯まらない人は都度ATMで引き出している

お金が貯まらない人は、「冠婚葬祭でお金が必要」「明日は天気がよさそうだから、家族でドライブがてらショッピングに行く」というように、お金が必要になるたびにATMから引き出し、ATM手数料や時間外手数料などを払っている傾向があるのです。

ATMからお金を引き出しているイメージ
お金が必要になるたびにATMから引き出していませんか?(Ph/photoAC)
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1回あたりの手数料は110円だとしても、5回利用すれば550円。これを毎月繰り返すと、ちりも積もれば山となり1年で6600円もの無駄な出費になります。

ATMの明細票
1回では少額の手数料も、積み重なれば大きな額に…(Ph/photoAC)
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お金が貯まる人は通帳記帳で使ったお金を振り返っている

私の経験上、お金の貯まる人は、こまめに通帳記帳します。しかも、ただ通帳記帳するだけではなく、自分がなににいくら使ったのか、無駄な出費はなかったか、光熱費は前月と比べてどうだったか、給料が正しい金額で振り込まれているのかなども合わせて確認しています。つまり、お金が貯まる人は、通帳記帳をすることで、自分の使ったお金の振り返りをしているのです。

こまめな通帳記帳でサブスクの解約や入金を確認する

通帳記帳する理由はもう1つあります。サブスクリプションや光熱費などの解約が実施されているかなどの確認です。「解約したからもう引き落とされることはない」と思っていたら、実は手続きができていなくて引き落としが継続されてしまっている、ということもあるのです。

ATMから出てきた通帳
通帳記帳でお金の出入りを把握(Ph/photoAC)
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事実、私も引っ越したあと、以前住んでいた家の水道を解約したにも関わらず、翌月分まで引き落としされていたことがありました。また、「数か月分まとめて記帳しているから大丈夫」という人に注意していただきたいのが、「まとめてみると内容確認が雑になる」ということです。

合計記帳されてしまうと内訳がわからない

しばらく通帳記入していないと、合算されて過去の取引履歴が見られなくなってしまうことがあります。「お金を使った記憶がないのに、思ったよりも残高が少ない」と思い、取引内容を確認するため通帳に記帳しようと思っても、一括で表示されてしまい、内訳がわからないまま、ということにもなりかねません。

合計記帳されてしまった明細を見るには、直接銀行に問い合わせる必要があり、金融機関によっては履歴の取り寄せに手数料がかかったりすることもあります。本来は無料で使えるサービスにお金をかけていたら、ますますお金は出ていくいっぽう。こういった小さなお金の出にも気を遣うことで、無駄な出費をなくすことができるようになるのです。

通帳記帳するサイクルを決めておく

「通帳なんて持ち歩かない。コンビニのATMから引き出しているから、利用している銀行まで出かけるのが面倒」という人もいるでしょう。

キャッシュカードと通帳
通帳記帳する習慣をつけることが大切(Ph/photoAC)
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その場合は、普段からよく通るところにあるATMに立ち寄って、記帳するクセをつけることが大切です。たとえば給料日後、初めて出金する際に記帳するなど、マイルールを作っておくといいですよ。それによって「給料が毎月支払われているか」の確認もできます。

大切なのは普段のお金の使い方を振り返る習慣

子供の教育費、老後資金など、目的は人それぞれ違いますが、お金を貯めるためには、お金の使い方を振り返る習慣をつけることが大切です。

毎月記帳してお金の使い方を見直すと、お金の貯まるスピードがどんどん早くなるはずです。

◆教えてくれたのは:生活コスト削減コンサルタント・生方正さん

生方正さん
生活コスト削減コンサルタント・生方正さん(Ph/藤中一平、イメージコンサルタント/坂井二朗)
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うぶかた・ただし。明治大学サービス創新研究所研究員。高校卒業後に海上自衛隊に入隊。勤務の傍ら節約術を駆使しながら、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資などを行い、40代で2億円の資産を築いた。現在は生活コスト削減コンサルタントと南極講演家として、メディアで活躍中。著書に『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)、『攻めの節約』(WAVE出版)など。

構成/間野由利子

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