健康・医療

痩せたい人や肌の調子をよくしたい人は猫背を矯正したほうがいい理由と改善するための座り方

よい姿勢で本を本でいる女性
悪姿勢は美容の敵に?(Ph/photoAC)
写真7枚

コロナ禍で太ってしまった、昨年着ていた服がなんだかキツい…ダイエットの悩みはつきないものです。著書『きれいな姿勢に生まれ変わる ねこ背伸ばし』(アスコム)の著者で、5万人の体を見てきた整体師の片平悦子さんによると、座るときの姿勢を改善するだけで、腹筋や背筋が自然と鍛えられ、ダイエットにつながるのだそうです。

* * *

痩せたい人こそ「ねこ背伸ばしの座り方」をしたほうがいい理由

ダイエットをしているのに、なぜか体重がなかなか減らないという人は、猫背が原因となっている可能性があります。猫背でいると、ダイエットをしても効果が出づらいのです。

猫背でスマホを見ている女性
猫背でいると太りやすい理由(Ph/photoAC)
写真7枚

なぜ猫背だと太りやすくなる?

猫背の人は、背中を丸めて座っているために、腹筋と背筋が縮こまったままになります。こんな状態を長く続けていると、やがて腹筋と背筋のバランスが崩れてしまいます。

背筋は使いすぎて硬くなり、一方の腹筋はまったく使われずにぷにぷにと力がなくなっていきます。腹筋と背筋は姿勢を正すために重要な筋肉なので、この筋肉のパワーバランスが悪くなると、体形がどんどんゆるんでしまいます。

座り方を改善して太りづらい体に

そこでおすすめしたいのが、背筋や腹筋を自然と使う「ねこ背伸ばしの座り方」です。人にはじっとしているときでも消費カロリーを消費する、基礎代謝があります。最もカロリーを消費する役割を担っているのは筋肉ですから、筋肉量が多いほど太りにくい体になるのです。

猫背伸ばしの座り方のイラスト
「ねこ背伸ばしの座り方」とは?(Ph/『きれいな姿勢に生まれ変わる ねこ背伸ばし』(アスコム)より)
写真7枚

「ねこ背伸ばしの座り方」は、椅子に浅く腰掛け、両ひざは軽く開いて、ひざの真下に土踏まずがくるようにします。両ひじを机の上に軽く乗せ、机のふちに肋骨を乗せるようにして座ればOKです。

→「ねこ背伸ばしの座り方」を詳しく知る

「ねこ背伸ばしの座り方」を実践しているうちに、お腹と背中が自然と伸びてよい姿勢になります。背筋と腹筋のバランスが整うと筋肉が正しく使われるので、カロリーが燃え、太りづらく、またダイエットをしたときには痩せやすい体を手に入れることができますよ。

「ねこ背伸ばしの座り方」+深呼吸でダイエット効果アップ!

「ねこ背伸ばしの座り方」と合わせて、ダイエットをしている人にぜひおすすめしたいのが、腹筋と背筋を意識して深呼吸をしてみることです。

「ねこ背伸ばしの座り方」の姿勢で座ったら、まず腹筋と背筋が伸びていることを確認してから、伸びた状態をキープしながら深呼吸しましょう。

いすに座り深呼吸をしている人のイラスト
「ねこ背伸ばしの座り方」と深呼吸を組み合わせて腹筋や背筋を鍛える(Ph/『きれいな姿勢に生まれ変わる ねこ背伸ばし』(アスコム)より)
写真7枚

息を吐き出すときはへそを背骨にくっつけるイメージで、お腹を思い切りへこませます。限界まで吐き出したら腹筋をゆるめて息を吸い、もう一度同じように息を吐きます。腹筋が疲れたと感じるくらいまで、深呼吸を繰り返しましょう。

実際にやってみると、かなり腹筋を使うことがわかると思います。カロリーが消費されるとき、熱が発生して体温が上昇するので、冷えにくい体にもなります。

猫背改善で肌の悩みもなくなる!?

猫背になると、実は肌にも影響が出るんです。猫背だと顎が前に突き出る状態になるため、後頭部と首の付け根に当たる頸椎に頭の重み(8〜10kg)がドスンと乗ってつぶれたような状態になり、首の前後の筋肉がこわばって硬くなっていきます。

首には顔につながる血管や、老廃物を流すリンパ管が通っています。これらが筋肉で圧迫されると、血液循環が悪くなり、栄養や酸素が届きにくく、余分な老廃物も溜まりやすくなるんです。これが肌トラブルにつながるので、肌の不調に悩む人こそ、猫背を改善しましょう。

鏡を見ている女性
肌の不調が気になったら、姿勢を見直してみて(Ph/photoAC)
写真7枚

シワやくすみの理由も猫背の可能性が

目の下や頬、口の周りなどに現れる表情ジワ以外のちりめんジワは、肌の新陳代謝が衰えている証拠のひとつです。肌自体がカサカサしたり、シワシワになったりして、老け込んだ印象になってしまいます。

実はこれも、猫背が原因となっていることがあります。猫背のせいで心臓から顔に向かう血管に圧がかかっていると、酸素や栄養が十分に行き届かなくなってしまうのです。

また、肌の新陳代謝が悪いと大人ニキビもできやすくなります。ニキビができやすい人に必要なのは、ライフスタイルを見直すとともに、肌の生まれ変わりを促進することです。特に口まわりのニキビは内臓機能が衰えているときにできやすいので、ぜひ姿勢を見直してみてください。

たるみやむくみにはエクササイズをプラス

加齢とともに、体だけでなく顔の筋肉も衰えます。すると、筋肉の衰えにともなって運動量が少なくなった顔がたるみやすくなるのです。また、加齢によって新陳代謝が下がると老廃物の排出がスムーズにいかなくなり、顔に老廃物がたまりやすくなります。老廃物をためこんだ顔はむくんで、以前より重たくなるので、肉がだらんと下がり、むくみとたるみが悪化してしまうのです。

こうした事態を防ぐ第一歩は、まず姿勢をよくして血液とリンパの循環をスムーズにし、肌に酸素や栄養を送り続けることです。これだけで、老廃物が流れやすくなり、むくみが改善に向かいます。さらに、むくみやたるみの改善に加えて、小顔を目指すこともできる簡単なエクササイズにもトライしてみてください。

口角を指で押さえている女性
「ねこ背伸ばしの座り方」とエクササイズで口角がキュッと上がった顔に(Ph/photoAC)
写真7枚

「ねこ背伸ばしの座り方」の姿勢で、上唇を思い切り鼻に近づけ、3分間キープするだけ。このとき、上の歯茎がすべて見えるようにしてみましょう。だらんと下がった広角がキュッと上がり、魅力的な表情を手に入れることができますよ。

◆教えてくれたのは:片平悦子さん

片平悦子さん
カリスマ整体師の片平悦子さん
写真7枚

一般社団法人日本パーフェクト整体普及協会代表。人生の最期のときに後悔しないソウルフォース マイスター。赤門鍼灸柔道整復専門学校卒業。整体業界35年で、5万人以上の臨床経験を持つ。全身の筋・膜・骨格調整法をパーフェクト整体として確立し、500名以上の開業3年以上の整体師にパーフェクト整体を伝授。ベストセラーとなった脳脊髄液のセルフケア法『3つの体液を流せば健康になる』(三笠書房)をはじめ、著書8冊、累計15万部超え。「モゾモゾ体操(R)」も評判に。

●猫背だと呼吸にも負担?簡単にできる「ねこ背伸ばしの座り方」で骨盤から改善を

●下腹ぽっこりの原因は股関節! その3つの理由とお腹に効く簡単エクササイズ

関連キーワード