
年齢とともに増えてくる不調。腰痛や尿もれなど、大人女性ならではの悩みがあるのではないでしょうか。そこで、『寝たままペタ腹!股関節ほぐし』(主婦の友社)の著者・骨盤矯正パーソナルトレーナーのNaokoさんが教える、股関節をほぐして不調をケアする方法を実践してみましょう。
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寝ながらできて気軽!股関節をほぐすべきワケ
寝ながらできるこの体操は、体を動かすのが苦手な人や、怪我をしている人、ちょっとしたすき間時間を活用したい人にもおすすめの、時間をかけずにできるものだと話すNaokoさん。
「今の自分に自信がなくても、落ち込んでつらいことがあっても、正しいケアを続ければそのぶんだけ体は応えてくれます。股関節は全身の関節や筋肉とつながっていて、しっかり動かしてほぐすと、痩せるだけでなく不調の改善に直結します。ベストな体になるための近道ですよ」(Naokoさん・以下同)
股関節をほぐして元気になる腰痛改善体操
まずは腰痛を改善する体操から解説します。血液やリンパ液の通り道であり、背骨にもつながる股関節をほぐすと、筋肉や筋膜、自律神経などを介して、体が元気になるそうです。
腰痛改善がかなうケア&予防の体操
「腰が痛い人の多くは、股関節とお尻がカチカチに硬くなっています。股関節が硬くなって動かなくなると、腰回りの筋肉に負担がかかります。また、本来は腰を支えるはずのお尻の筋肉も使えなくなり、骨盤の位置もずれてしまうのです」

【1】仰向けで左の足裏を壁につけて右足首を左脚にかけ、お尻を上げる
「左脚は股関節とひざを90度に曲げて、足裏を壁につけます。右脚は足首を左脚にかけ、ひざを外側に向けましょう。息を吐きながらお尻を上げます」

【2】息を吸いながら足裏で壁を強く押して、お尻を下げる
「左の足裏で壁を強く押し、息を吸いながらお尻を下ろします。反対側も同様に行いましょう。左右それぞれ、5~10呼吸行うのがベストです」
股関節を外旋させてインナーマッスルをほぐしつつ、壁を脚裏で押す力によってお尻の筋力をアップするこの運動は、痛みのケアだけでなく予防もできて一石二鳥なのだそうです。
腰痛改善の体操のポイントは?
Naokoさんが話す、この体操のポイントは壁を使うこと。
「本来はトレーナーのサポートのもと行う体操ですが、トレーナーの代わりに壁を活用することで同様の効果があります。足裏を壁に押し付けたとき、下腹部にもグッと力が入りやすくなりますよ」

ちなみに、壁についていない脚のひざが内側に入るのはNGだそう。
「ひざが外側に開く動きは、日常動作でなかなかない、股関節の外旋です。できる範囲でしっかりと開いて、股関節の可動域を広げましょう」
大人女性が悩みがちな尿もれに骨盤底筋を鍛える体操
股関節を動かすことで、尿もれの予防と改善もできるそうです。
「くしゃみのときに、ヒヤッとした経験がありませんか? たくさんの女性が悩む尿もれの原因は、股関節が硬くなって、骨盤底筋が弾力性を失うことにあります」
尿もれを予防&改善する体操
尿もれと密接に関係しているという骨盤底筋は、どのような働きをしているのでしょうか。
「骨盤底筋は骨盤の底で内臓を支え、尿や経血がもれないようコントロールしてくれる大切な筋肉です。硬くなったまま放置すると、尿もれだけでなく、内臓の下垂やそれに伴う子宮脱・腸脱の原因にもなります」
骨盤底筋によるコントロールする力を取り戻す体操を実践して、快適な毎日を目指しましょう。

【1】仰向けで股関節とひざを曲げて、左右のかかとを合わせる
「左右のかかとを合わせたら、つま先は少し開きましょう」

【2】息を吐きながら、両膝を左右に開く
「フーッと息を吐いて両膝を左右に開いて、吸いながら閉じましょう。5~10回繰り返してくださいね」
尿もれ予防&改善体操のポイントは?
Naokoさんによれば、ひざを開いたときに、締まる感覚を確認するとよいそうです。
「ひざを閉じているときは、膣やお尻は比較的締まっています。同様にひざが開いた状態でも締まっている感覚をイメージしながら続けるのがコツです」
NGポイントは、腰が反ってしまうことだと話します。
「腰が反ると、きちんと力が入りません。また、ひざの位置が胸に近くなると骨盤底筋が緩んでしまって、この動きを行っても筋肉に効果がなくなるので、注意してくださいね」
◆教えてくれたのは:骨盤矯正パーソナルトレーナー・Naokoさん

(株)ナオコボディワークス代表。出産を機にヨガ、ピラティス、整体、エステ手技などを学び、独自のメソッドを開発し、14kgの減量に成功。現在は3人の子供の育児をしながら、1万2000人以上の女性にボディメイクやメンタルケアを行うほか、後継者の育成指導や企業とのタイアップ商品の開発を手がけるなど広く活動中。6冊目『寝たままペタ腹!股関節ほぐし』(主婦の友社)は重版もかかり、著書累計40万部突破。
https://s-d-m.jp/talents/nakamura-naoko/