
1945年の終戦から80年の節目を迎えるにあたり、天皇皇后両陛下と長女の愛子さまは、6月4日から5日にかけて、かつて県民を巻き込んだ地上戦が展開された沖縄県を訪問された。
4日は国立戦没者墓苑や平和の礎、県平和祈念資料館に、5日は戦時中にアメリカ軍によって撃沈され、多くの子供が命を落とした学童疎開船「対馬丸」の犠牲者の慰霊碑「小桜の塔」や「対馬丸記念館」、首里城公園に足を運ばれた。
「戦争の惨禍を若い世代も引き継いでいってほしい、という両陛下の思いにより愛子さまの同行が決まったそうです。愛子さまは真剣な顔つきで現地の方のお話に耳を傾けられ、対馬丸記念館では館員に質問しながら熱心に展示をご覧になりました」(皇室記者)

愛子さまにとって初の沖縄訪問だったこともあり、当日はご一家に国民から熱い視線が注がれ、愛子さまが選ばれたコーディネートにも注目が集まった。1日目は淡いブルーグレーのスーツで、雅子さまのものと色味や髪型を合わせることで統一感を演出。2日目の午前中はシックなネイビーのスーツを着用し、同色の帽子を合わされた。

特に印象的だったのは襟元だ。今回愛子さまがお召しになったのは、上襟と下襟の境目がない、「ショールカラー」と呼ばれる形の襟のものだった。
「ショールを肩にかけたようななだらかなカーブが特徴的で、その形状が野菜のへちまに似ていることから『へちま襟』と呼ばれることもあります。タキシードに用いられることが多いデザインで、細長くつながった襟の形が落ち着きのある上品な雰囲気を醸し出すので、上下が分かれた襟よりもフォーマルな印象を与えてくれます。慰霊の旅にそぐった選択だといえるのではないでしょうか」(皇室ジャーナリスト)

ショールカラーは雅子さまが好む襟元だという。
「2024年にイギリスを訪問された際に、行きの飛行機で着用されていたお召し物や、2022年に59才の誕生日に際して公開された近影でお召しになっていたホワイトのスーツがショールカラーでした。皇族方にとって、公務に合わせてお召し物を考えるのも大切な務めのひとつです。愛子さまは母である雅子さまの装いを参考にしてショールカラーを選ばれたのかもしれません」(前出・皇室ジャーナリスト)

2日目午後には沖縄伝統の「かりゆしウェア」に着替えて首里城公園を訪問された愛子さま。公務が増えることで、お召し物のバリエーションも豊かになりそうだ。





