
「ダイエット中でも食べ方によってはどんなに甘いおやつでも太りにくい」――こう話すのは、新著『午後3時に食べるだけダイエット やせるスイーツ』(秀和システム)を上梓した医師の工藤孝文さん。なぜでしょうか? 太りにくいスイーツの食べ方を、おすすめのスイーツレシピとともに教えてもらいました。
スイーツも午後3時に食べれば太りにくい
ダイエット外来で数多くのダイエット患者を診てきた工藤さんは、こう話します。
「『ダイエット中だから』と甘いおやつを我慢しすぎると、そのストレスや反動で過食に走り、ダイエットには逆効果になりがち。ですから私は、あえてスイーツを食べることをおすすめしています」(工藤さん・以下同)

「ただし、食べるなら午後3時がおすすめ」と、工藤さん。
「午後3時は、脂肪を溜め込もうとする、“肥満遺伝子”こと『BMAL1』の働きが低下する時間帯。この時間に食べれば太りにくい、いわば“ゴールデンタイム”なのです」(工藤さん・以下同)
ただ、どうせ食べるなら、少しでも美容と健康に効果的なスイーツを選びたいもの。そこで、工藤さんが「痩せやすい」と太鼓判を押すスイーツのレシピをご紹介。どれも砂糖もカロリーもあり、満足感が得られる甘~いおやつです。
「片栗粉で作る黒糖わらび餅」レシピ
まずは、ダイエットで敬遠されがちな、お餅スイーツから。
「このわらび餅には、糖の吸収を抑えるフェニルグコシドを含む黒糖を使っています。お餅の一種のわらび餅を食べることで、満腹感も非常に得られやすいのがおすすめポイントです」
《材料》(4人分)
【A】(片栗粉、砂糖…各50g 黒糖…25g) きな粉…適量 黒蜜…適量
《作り方》
【1】ボウルに【A】を入れ、水400ml(分量外)を加えて、ゴムべらでよく混ぜる。
【2】バット全体にきな粉を入れ、広げる。
【3】【1】をザルでこしながら鍋に移す。
【4】鍋を中火で熱し、ゴムべらで手を止めずに混ぜる。
【5】透明になったら弱火にして、さらに2~3分混ぜ続け、ねっとりしたら火を止める。
【6】【2】に移し、上からきな粉をかけ、全体をまとめる。
【7】ひと口サイズにスプーンで形を整えて器に盛り、黒蜜をかける。
「抹茶どら焼き」レシピ
お次は、より満腹感を得られるどら焼き。ポイントは、アンチエイジングに効果的なポリフェノールを含むあずきと、脂肪の吸収を抑えるカテキンを含む緑茶=抹茶がはいっていること。おいしくて満腹感を得られるだけでなく、美容効果も期待できます。
《材料》(4個分)
ホットケーキミックス…100g 牛乳…大さじ3 卵…1個 抹茶…小さじ1 はちみつ…大さじ2 ゆであずき(市販)…100g みりん…大さじ2
《作り方》
【1】ボウルにゆであずき以外のすべての材料を入れて混ぜる。
【2】フッ素樹脂加工のフライパン(普通のフライパンでも作れますが、フッ素樹脂加工のものを使うと油を敷かずにきれいに生地が作れます)を中火で熱し、【1】の生地を直径7~8cmに丸く流し入れる。
【3】生地に穴がフツフツと開いてきたら、ひっくり返して裏も焼く。これを8枚作る。
【4】あずきを4等分にし、【3】の生地2枚で挟み、ラップをして休ませる。
★最後にラップで包むと、生地とあずきがなじんで、きれいなどら焼きの形になります。

和スイーツに合う飲み物は緑茶が代表的ですが、緑茶はダイエット効果が高いと、工藤さん。
「緑茶には、『ガレート型カテキン』という成分が含まれ、体脂肪を減らす効果に加え、『血糖値スパイク』と言われる血糖値の乱高下を防ぐ効果があります」

あるいは、ブラックコーヒーもおすすめ。
「ブラックコーヒーには脂肪燃焼効果がある『クロロゲン酸』というポリフェノールの一種を含むため、食前に飲むと過食予防に、食後に飲むと糖質の吸収を抑制します。
私は緑茶とコーヒーを1:1の割合でブレンドする『緑茶コーヒー』をいつもおすすめしています。緑茶とコーヒーのメリットをいいとこどりしたもので、これも1日3杯飲むだけで抜群のダイエット効果が期待されます」
いかがでしょうか。食べる時間と食べ方にさえ気を付ければ、高カロリーなおやつでも太りにくくなるのです。今まで無理にスイーツを我慢してきた人は、ぜひ試してみて。
レシピ制作:川崎泰代(YK FOOD STYLE)、調理アシスタント:佐々木明子/撮影:百井謙子(Mphoto STUDIO)
◆教えてくれたのは:内科医:工藤孝文さん

ダイエット外来で99%の成功率を誇る内科医・糖尿病内科医・漢方医。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、地域医療に力を注ぐ。専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。NHK『あさイチ』、日本テレビ『世界一受けたい授業』、フジテレビ『ホンマでっか!?TV』をはじめ、さまざまなメディアに出演している。http://www.kudonaika.com/