
ダイエットアドバイザーのMartyさんは、1年半で40kg減のダイエットに成功。そのカギは、食物繊維とビタミンたっぷりのきのこを食事に取り入れたことでした。自律神経が整ったことで、減量だけでなく不調も改善したというMartyさんの著書『自律神経をリセットするきのこのスープ』(アスコム)に掲載されているレシピや、きのこを取り入れた食事で痩せることができた理由について紹介します。

不足しがちな水溶性食物繊維を摂るにはなめこがおすすめ
便秘は、自律神経の乱れで腸が便を押し出すぜん動運動が弱くなる、加齢にともなう腸の機能低下や食事量の減少にともなって便の量が減ることなどが原因になることがあります。
食物繊維は不溶性と水溶性を2対1の割合で摂る
便秘になると腸内の悪玉菌が増え、お腹の張りや食欲不振、吐き気、めまい、肩こり、肌荒れなどといった症状が現れます。便秘薬に頼りすぎると排便力が弱まってしまうため、普段から便秘になりづらい食生活を心がけましょう。

Martyさんによると、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を2対1の割合で摂るのがおすすめなのだそうです。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がそれぞれに働き
野菜などに含まれている食物繊維の多くは不溶性食物繊維です。これは水分を吸収し、便のカサを増すことで腸壁を刺激し、腸のぜん動運動を促します。
一方で、不溶性食物繊維と比較して不足しがちとされる水溶性食物繊維を摂ると、便が柔らかくなります。腸内でゲル状になり、コレステロールや有害物質を吸収する作用もあります。水溶性食物繊維は、きのこの中ではなめこにもっとも多く含まれています。
また、熱を加えてカサを減らすことで、食物繊維をたくさん食べることができます。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維は、どちらかが不足しても便秘の原因になります。
きのこ特有の食物繊維「キノコキトサン」が内臓脂肪を撃退
内臓脂肪の蓄積によっておこるぽっこりお腹。胃や腸といった臓器の周りにつく内臓脂肪はつきやすい半面、落としやすいのが特徴です。
「キノコキトサン」がもっとも多く含まれているのはえのきたけ
そこで注目したいのが、きのこ特有の食物繊維の一種「キノコキトサン」です。
「キノコキトサンには食事で摂取した脂肪を吸着し、便と一緒に排出する働きがあるうえ、脂肪の分解と燃焼を促し、内臓脂肪を減らす効果があるといわれています」(Martyさん・以下同)

きのこの中でキノコキトサンがもっとも多く含まれているのがえのきたけです。そのほかに、エリンギ、しめじ、しいたけ、まいたけも比較的含有量が多いきのこです。
まいたけ独自の成分「MXフラクション」
また、まいたけには「MXフラクション」と呼ばれる独自の成分があります。「MXフラクション」にも体内の中性脂肪や血液中の悪玉コレステロールの分解を促し、内臓脂肪を減らす効果があるといわれています。

内臓脂肪が蓄積した状態であるメタボリックシンドロームを放置しておくと、糖尿病や動脈硬化、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクも上がります。このような生活習慣病の予防や改善にも、きのこは効果的なのです。
毎日の食事に取り入れたい「きのこのスープ」とアレンジレシピ
入手しやすい身近な食材を使って作ることができて、薬膳にも似たさまざまな効果効能が期待できるのがうれしい「きのこのスープ」。まとめて作って冷凍保存できるので、毎日の食事に取り入れやすいのもポイントです。
「きのこ、しょうが、のりなど自然の旨味がたっぷり入っているので塩分が抑えられ、味覚のリセットもできる」ため、肥満につながる濃い味の料理から、素材本来のうまみを感じる食事にシフトしていくことも期待できます。
「きのこのスープの素」レシピ
100mlの熱湯をかけるだけでスープとして食べることができます。調味料代わりに使うこともできるので、アレンジメニューも試してみてください。
「きのこのスープ」の素1個あたり、エネルギー22kcal、炭水化物4.6g、食物繊維約1.3g、脂質0.2g、たんぱく質1.9g、塩分1.1g (※きのこの種類によって多少異なる)
《材料》(7杯分)
【A】なめこ(みじん切り)…100g ほかのきのこ(みじん切り)…100g しょうが(すりおろし)…10g 長ねぎ(みじん切り)…50g
※なめこはさっと洗って、ほかのきのこは汚れをペーパーで拭きとっておく
【B】塩麹…大さじ2 かつお粉…大さじ2 のり(ちぎり)…1枚 しょうゆ…大さじ1
《作り方》

【A】を耐熱容器に入れ全体を混ぜたら、ラップをふんわりとかけ、600wなら4分、500wなら4分50秒、電子レンジで加熱する。
【1】に【B】加え、粗熱が取れたら製氷皿に入れて(もしくは作る量に合わせて等分してラップに包んで)冷凍。
「きくらげときゅうりの塩昆布和え」レシピ

黒きくらげで不足しがちな鉄分を効果的に摂取できるレシピ。便秘改善やむくみ改善効果も期待できます。30分ほど置いて味をなじませるのがおいしくなるコツ。また、お好みで糸唐辛子やラー油などを入れるのもおすすめ。
《材料》(2人分)
鶏ささみ…3本 黒きくらげ…60g きゅうり…2本 塩昆布…10g きのこのスープの素…2個
《作り方》
【1】鶏ささみは筋を取り除いておく。黒きくらげは石づきを除いて細切りにする。きゅうりは縦半分に切って、中の種をスプーンで除き、たたいて食べやすい大きさにちぎる。
【2】きのこのスープの素は電子レンジで50秒~1分30秒加熱して溶かし、保存袋に入れて、塩昆布、きゅうりとともに混ぜ合わせる。
【3】鍋でお湯を沸かして、黒きくらげを入れて再沸騰したあと、1~2分茹でる。黒きくらげを取り出して水気を切り、保存袋に入れる。お湯は残しておく。
【4】残しておいたお湯に鶏ささみを入れて一煮立ちさせ、中弱火で2分茹でて火を止める。フタをして約3分保温。食べやすい大きさにほぐし、保存袋に入れて全体をよく混ぜ合わせる。
「厚揚げのきのこ味噌チーズ焼き」レシピ

疲労回復、免疫力アップが期待できるレシピです。低糖質の食材を使っているので、ダイエット中の主食の代わりにも◎。
《材料》(2人分)
厚揚げ…200g しめじ…100g マッシュルーム…4個 にんにく…1片 きのこスープの素…1個 味噌・マヨネーズ…各小さじ2 ピザ用チーズ…30g
《作り方》
【1】厚揚げは1cm幅に切る。しめじは石づきを除いてほぐす。マッシュルームはそれぞれ3等分にスライスする。にんにくは薄切りにする。
【2】きのこのスープの素は電子レンジで40秒ほど加熱して溶かし、味噌とマヨネーズを混ぜ合わせてソースを作っておく。
【3】アルミホイルを敷いた天板などに【1】の厚揚げを並べ、【2】のソースを塗り広げ、しめじ、マッシュルーム、にんにくを全体に散らし、ピザ用チーズをのせてトースターで焼き色がつくまで焼く(10~15分)。お好みでパセリをちぎって全体にふる。
種類別きのこの特徴&買うときのポイント
きのこは総じてビタミンB群を豊富に含み、脂質や糖質の代謝を活発にし、肌や髪の再生力を上げてくれます。そのほか、きのこごとの特徴や、買うときの選び方を紹介します。
しめじ類にはリラックス効果

現在流通しているしめじ類は、ぶなしめじやひらたけです。イライラや気分の高揚を抑え、リラックス効果を促すGABA(ギャバ)が、ほかのきのこに比べて多く含まれています。
おいしいしめじを選ぶポイント
傘が小ぶりでハリがあり、開きすぎていないもの。
高脂血症、高血圧の予防にマッシュルーム

エネルギーの代謝を助けるナイアシンやパントテン酸の含有量が多いマッシュルーム。カリウムも多く含まれているため、ナトリウムの排出を促し、高血圧の予防に役立ちます。
おいしいマッシュルームを選ぶポイント
傘の表面がすべすべしていて傷がなく、ギュッとしまっているもの。
貧血、高血圧の予防効果が期待できるきくらげ

きくらげには黒と白の2種類がありますが、黒きくらげのほうがビタミンB2、鉄分が豊富です。動脈硬化や高血圧の予防効果が期待できます。血小板凝集を抑制する働きがあるので、毎日少しずつでも食べると血液もサラサラに。
おいしい生きくらげを選ぶポイント
生の黒きくらげは色が濃くて、肉厚でしっとりとツヤがあるもの。
◆教えてくれたのは:Martyさん

Ameba公式トップブロガー、オンラインダイエットアドバイザー。ダイエットとリバウンドを繰り返し、26歳のときの体重は89.9kg。肥満に加えて慢性便秘、 息切れ、片頭痛、アレルギーなどに悩まされる。医師からやせないと危険であると注意されたことを期に、 89.9kgから1年半で40kgの減量に成功し、実体験に基づくロジカルなダイエット法と、独自のモチベーションアップ術でダイエットに悩む人々のカリスマに。今年9月、『自律神経をリセットするきのこのスープ』(アスコム、監修:医学博士・小林正弥)を上梓。https://ameblo.jp/marty2367/