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ボール型・液体・粉末 洗濯用洗剤、コスパがいいのは?“最安値商品”で比較

洗濯物が入ったカゴや棚
生活に欠かせない家事の洗濯で節約をするには?(Ph/photoAC)
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生活の中で欠かせない家事の1つが洗濯です。洗濯用洗剤には液体洗剤やボール型、そして昔ながらの粉末洗剤とさまざまな種類がありますが、それぞれの特徴を知って使い分けることで節約につなげましょう。節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、洗濯用洗剤の賢い使い方を教えてもらいました。

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各種洗濯用洗剤のメリットとデメリット

まずはボール型、液体洗剤、粉末洗剤それぞれのメリットとデメリットやコスパについて比較していきましょう。

ボール型は計量いらずで詰め替えも楽

青いボール2つ
とにかく使いやすさが魅力のボール型(Ph/photoAC)
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最近注目されているのが、液体洗剤と柔軟剤を特殊なフィルムに封入したボール型の洗剤です。1回分ずつに分かれているので計量の手間がないこと、液だれによって洗濯機や手が汚れないのがメリットです。また、通常の液体洗剤よりも値段が高いこともありますが、別途柔軟剤を使用しなくていい分、液体洗剤と柔軟剤を併用する場合とコストが大きく変わらないものも多いです。

ただし1回分の洗剤量が決まってしまっているため、少量の洗濯物に使う場合にはコスパがあまり良くないといえます。

液体洗剤は使用量をこまめに調節して節約

液体洗剤をキャップに注いでいる
使用量を調整しやすい液体洗剤(Ph/photoAC)
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液体洗剤は寒い時期でも溶け残ることがなく、また頑固な汚れに直接塗ることができるのもメリットです。洗剤の量をこまめに調節し、必要以上の量を使わないことで節約にもつながります。

デメリットとしては、液だれにより、ボトルや洗濯機がベタベタと汚れてしまうこと、ボール型と比べて詰め替えに手間がかかることが挙げられます。

洗浄力は粉末洗剤が一番

粉末洗剤の洗浄力はかなり強め。液体洗剤やボール型はほとんどが中性のものですが、粉末洗剤は弱アルカリ性で皮脂汚れやたんぱく質汚れに強く、しっかり汚れが落とせて除菌効果も期待できます。そのため、1回の使用量が少なく、洗剤単体としての“実力”はとても高いといえます。

スプーンですくった粉末洗剤
洗浄力が抜群の粉末洗剤(Ph/photoAC)
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ただし、液体洗剤に比べると水に溶けにくいため、溶け残りが繊維の間に固まって残ることもあり、すすぎ1回でOKの液体洗剤に比べて、すすぎ回数が増えることがあります。柔軟剤を併用する場合は、電気代・水道代が上乗せになることを考慮する必要があります。

また、洗浄力が強いため、色柄物やデリケートな衣類には負担がかかることもデメリットといえます。

コスパが一番いいのは「柔軟剤入りの液体洗剤」?

では、具体的に1回あたりの洗剤にかかるコストはどのくらい違うのでしょうか。Amazonで1個売りの場合のぞれぞれの最安値商品(2022年11月16日現在の標準価格)を使い、衣類6.0kg・水量65Lで洗濯した場合で比較してみます。

洗剤コーナーを見ている女性
洗濯1回あたりのコストはどのくらい?(Ph/photoAC)
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1回あたりのコストを比較すると液体洗剤に軍配

『ニュービーズ 洗濯洗剤 粉末』は800gで228円なので、1回64g使用(パッケージに記載のある1回あたりの使用量)で計算すると、1箱あたり12回(端数切り捨て)です。液体洗剤の『アタック抗菌EX 洗濯洗剤 本体』は880gで274円。1回58g(パッケージに記載のある1回あたりの使用量)で計算すると、1本あたり15回(端数切り捨て)となります。『ボールド 洗濯洗剤 ジェルボール4D』は12個入り298円です。

1回あたりの金額を計算すると、粉末洗剤は19円、液体洗剤は18.2円、ボール型は24.8円となり、柔軟剤分の金額を加味しなければ液体洗剤にわずかに軍配が上がります。

洗濯機の上で洗剤を計ろうとしている
柔軟剤を使うなら、柔軟剤入りの液体洗剤のコスパが◎(Ph/photoAC)
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ちなみに『レノア 超消臭1WEEK 柔軟剤 部屋干し』(530ml228円)と液体洗剤を併用した場合に、1回(44ml)あたり19円の柔軟剤代を上乗せすると37.2円に。一方、柔軟剤入りの液体洗剤を使用した場合、『フレグランスニュービーズ ジェル リュクスクラフト』(780g297円)で計算すると1回(58g)あたり22.8円となり、柔軟剤と併用する場合は柔軟剤入りの洗剤を使用した方がお得という結果になります。(ともにパッケージに記載のある1回あたりの使用量で計算、使用回数の端数は切り捨て)

詰め替え用は箱買いがおすすめ

液体洗剤やボール型の詰め替え用を購入する場合、「2倍」「3倍」入りのものはお得になるものが多いですが、計算してみると「3倍」入りのものよりも「2倍」入りの方が実は単価が安いこともあるので、購入時は1個あたりやグラムあたりで計算してどちらがお得か比較しましょう。

また、保管スペースに余裕があれば、箱買いもお得に購入する方法の1つです。ホームセンターやAmazonなどで金額を比較してみてください。

用途に合わせて使い分けるのが◎

洗濯物を干している
便利さや洗浄力の違いを生かして、用途に合わせて活用を(Ph/photoAC)
写真8枚

普段の洗濯には液体洗剤を使い、汚れの多い仕事着を洗濯する際は粉末洗剤、時間や手間をなるべく省きたい場合はボール型を使うなど、用途や状況にあわせて、それぞれにあったものを選ぶとよいでしょう。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
節約アドバイザー・丸山晴美さん
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節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/

構成/吉田可奈

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