「自己投資」のはずが気づけば単なる浪費に!?
支出を消費、浪費、投資に分けて考える際に注意したいのが、「投資」のつもりで買ったものも、場合によっては浪費になってしまう可能性があるということ。なかでも気をつけたいのが「自己投資」。子育てが終わってお金に余裕が出てくると、ついこの「自己投資」の額が多くなりがちです。
投資は「出費と同等、またはそれ以上のメリットはあるか」を考える
たとえば健康的な生活を送ろうと思い、無農薬野菜を買ってきたとします。一見すると「将来の健康への投資」になりますが、買ってきた野菜を冷蔵庫の中で腐らせてしまったら浪費になります。
また「きれいになるための自己投資」として高額な化粧品を買う、エステに通うなどの行為も、しっかりとした目的があればいいですが、その場の思いつきだけでお金を払っていたら、「高い化粧品を買った」「エステを数回受けた」というだけになってしまいます。ほかにも、ワインソムリエやカラーコーディネーターなど、資格を取っただけで活かせなければ単なる浪費になってしまう可能性があります。
逆に、「カフェでお茶をする」など、一見浪費に見えることも「一緒にお茶した人からいい話が聞けた」「仕事に生かせる新しいアイディアが浮かんだ」となれば、投資としてカウントしてOK。つまり、同じもの、ことにお金を支払っても、自分の将来に活かすことができるのであれば、浪費ではなく投資になるのです。「自己投資」をする場合は、「出費した額と同等、またはそれ以上のメリットがはあるか」をしっかりと考えることが大切です。
お金と上手に付き合うためにはバランスが大事
私は消費、浪費、投資の考え方を学んでから、食費や住居費などの「消費」を最低限に抑えることを心がけ、貯蓄を増やしました。また、付き合いで行く飲み会の回数を減らしたことで、空いた時間にお金に関する本を読んだり、不動産投資に関するセミナーを受講する時間を作ることもでき、貯めるだけでなく増やすことにも成功したのです。
その一方で「自己投資」として日本各地や世界を旅するためにお金を使い、見分を広めています。その経験は、ブログを書いたり、講演会で話したりすることで収入にもなっています。
今月は、ボーナスシーズンということでいつもよりも収入が増える人も多いはず。こんなときはつい気が緩んで散財しがちですが、消費、浪費、投資の割合を決めておくと、無駄遣いすることなくお金を使ったり貯めたりできるようになりますよ。
◆教えてくれたのは:生活コスト削減コンサルタント・生方正さん
うぶかた・ただし。明治大学サービス創新研究所研究員。高校卒業後に海上自衛隊に入隊。勤務の傍ら節約術を駆使しながら、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資などを行い、40代で2億円の資産を築いた。現在は生活コスト削減コンサルタントと南極講演家として、メディアで活躍中。著書に『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)、『攻めの節約』(WAVE出版)など。
構成/間野由利子