日本や中国では新型コロナが依然として猛威を振るうなか、世界に目を向けると「アフターコロナ」の雰囲気が漂っています。海外への渡航者数が増え続けるなか、いま日本人女性が殺到しているのが、韓国。女性の間で熱を帯びる「整形渡韓」の現実、そしてソウルで自ら受けた美容整形施術の実情を40代美容ライターのMIFAさんがリポートします。
* * *
美容整形業界は「いざ韓国へ!」のムード
筆者が追っていた美容整形業界は、昨年末から「いざ韓国へ!」の声が盛んに聞こえてきた。いわゆる「整形垢」と呼ばれるTwitter上の美容整形アカウントには「#シリコン豊胸」「#糸リフト」「#輪郭3点」などのトレンドワードが踊り、ソウルでの整形体験談が溢れている。昨年秋頃にはTwitterで〈明日、韓国で目・鼻・おでこ・輪郭etc顔全部整形してきます!〉と顔写真と動画付きで発信したアカウントが一夜にして10万フォロワーに達するほどバズり、痛々しいダウンタイムを乗り越え美しく変貌していく様をフォロワーが固唾を飲んで見守る、という一幕があった。女性だけでなく、ホストを始めとする男性の整形渡韓も今や珍しくないそうだ。
かくいう私もコロナ禍の2年間、美容専門のYouTuberや人気キャバ嬢などがインスタライブで美容整形について語るのを片端から視聴したり各種カウンセリングに通いつめて、美容整形について自分なりに勉強し、整形費用を貯め、満を持して渡韓と相成った。
目的は二重顎や太ももなどの脂肪吸引や顎下筋肉縛り
今回の整形渡韓の目的は以下の通り。
・二重顎と頬の脂肪吸引および顎下筋肉縛り(いわゆるペリカン手術)
・太もも前面の脂肪吸引
顎下と太ももの脂肪吸引は、それぞれ医師の専門分野が異なるため別のクリニックで別日に行なった。顎下のクリニックは美容整形クリニックがひしめく江南の駅至近に、太もものクリニックは狎鴎亭エリアに。今回はどちらにも行きやすい江南区の新論峴駅(シンノンヒョン)駅そばのオクラウドホテルに滞在した。
滞在中、江南には日本人女性が溢れており、そこかしこから日本語が聞こえてくる。話題はほぼ整形に関すること。いかにも整形手術後のダウンタイム中、といった女性宿泊客と何人もすれ違った。
韓国観光公社が2022年12月30日に発表した統計によると、同年11月に韓国を訪問した外国人観光客は45万9906人で、前年同月比387%となった。うち日本からの観光客は6万2422人と前年比3746%を記録。韓国が水際対策の緩和を決めたことで、一気に渡韓者が増加したのだ。そのなかには「整形渡韓」が少なくないことが、街中の風景から感じられた。