
2023年は卯(う)年。うさぎは昔から縁起のいい動物とされてきています。そこで、ご利益のある場所から癒される場所まで、全国のうさぎに縁(ゆかり)のあるスポットを旅行ジャーナリストの村田和子さんに教えてもらいました。
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2023年の干支であるうさぎ。意外とうさぎに縁のあるスポットは全国に多くあります。今回はその中から、厳選。私のおすすめのうさぎの縁スポットをご紹介します。

境内には狛うさぎも!東天王 岡﨑神社(京都府)
岡﨑神社は、平安京遷都の際に平安京の四方に建立された社の一つで、都の東(卯の方位)に鎮座することから東天王と称されたといいます。

境内一帯は、かつて野うさぎの生息地であったことから、うさぎが氏神様の神使いとして伝えられ、境内には狛うさぎ、招きうさぎ、本殿の灯篭などいたるとことにうさぎのモチーフがみられます。ご利益は子授け、安産、厄除け。おみくじやお守りもかわいらしく人気です。平安神宮からも徒歩圏内、ぜひ足を延ばしてお参りしてみては?



東天王 岡﨑神社:https://okazakijinja.jp/
12羽のうさぎの彫刻が夕陽に映える~宍道湖うさぎ(島根県立美術館:島根県)
宍道湖畔に建つ島根県立美術館の芝生エリア(岸公園)には、弧を描くように配された12羽のうさぎの彫刻作品「宍道湖うさぎ」があります。平城遷都1300年記念事業のマスコット「せんとくん」の制作者でもある籔内佐斗司氏の作品で、躍動感あふれる姿はなんともかわいらしく、写真撮影をする人が後をたちません。

一つ一つポーズが異なると思っていたら、実は最初のうさぎは立ち姿、2番目以降のうさぎのポーズは2種類なのだそう。交互に並べることで、全体として動きのある作品になっています。

また2番目のうさぎは、西を向いて触れると幸せが訪れるといわれ、縁結びスポットとしても人気です。シジミを供えて願い事をするといいとの話から、足元には大量のシジミの殻が供えられています。

そして宍道湖畔は、日本の夕陽百選にも数えられる夕陽の名所。夕方には夕陽を求めて訪れる人も多くなります。

島根県立美術館は、閉館時間が日没時間で変わるユニークな美術館で、10月~2月は18:30閉館、3月~9月は、日没後30分で閉館と、比較的遅い時間まで開館しています。宍道湖うさぎとともに、島根県立美術館の館内展示や夕陽もあわせて楽しむのもいいですね。
島根県立美術館:https://www.shimane-art-museum.jp/
集まるキュートなうさぎに癒される!大久野島(広島県)
瀬戸内海に浮かぶ大久野島。忠海港(JR忠海駅下車)から美しい瀬戸内の絶景を楽しみつつ、フェリーで約15分。山陽新幹線三原駅から近い三原港からも、高速艇ラビットラインが土日祝日限定で出ていて、日帰りで気軽に訪れることができる「うさぎの島」です。



コロナ前は生息数が900羽ともいわれたうさぎたち。どこからともなく駆け寄ってきて、餌をねだる姿は愛らしいのひとこと。うさぎへの接し方(島内には餌の販売はない)や、ゴミは持ち帰りが必要など、後述のホームページでしっかり確認をしてから、うさぎとの触れ合いを楽しんでくださいね。

時間帯によっては、うさぎが満腹で餌に興味を示さないこともありますが、そんなときは寛いだ姿を見て癒されましょう。ここではさまざまなうさぎの姿をみることができますよ。


また、大久野島は戦時中毒ガス工場があり、実は「地図から消された島」という負の一面もあります。戦跡は今も残り、廃墟となった建物は不思議な世界観が広がって、こちらも観光スポットとして人気です。島内の休暇村でレンタサイクルを借りれば、自転車で島内を一周することもできますよ。

大久野島(ひろしま 竹島 観光ナビ):https://www.takeharakankou.jp/spot/4304
昔話『カチカチ山』の舞台~河口湖~ 富士山パノラマロープウェイ(山梨県)
河口湖畔と天上山富士見台駅を結ぶ~河口湖~ 富士山パノラマロープウェイは、雄大な富士山と河口湖の2つの絶景を楽しめるスポット。そして天上山は、昔話『カチカチ山』の舞台とあって、いたるところに“うさぎ”と“たぬき”のオブジェがあります。


天上山富士見台駅には、茶屋や展望台、その他さまざまな施設があり、天気の良い日は裾野まで雄大な富士山の絶景が楽しめます。

鳥居をくぐると、狛犬ならぬ「狛うさぎ」が2羽いる“うさぎ神社”も。向かって右手の「夢見兎」は頭をなでると“知恵”を授かり、左手の「富士見兎」は脚をなでると“健脚”の願いがかなうとか。


~河口湖~ 富士山パノラマロープウェイ(山梨県)https://www.mtfujiropeway.jp/about/
他にもうさぎが関連するスポットはたくさんあるので、自分のお気に入りを見つけて出かけてみてはいかがでしょうか。2023年卯年が素晴らしい1年となりますように。
◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年より7年間、NHKラジオ『Nらじ』月一レギュラーを
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