ライフ

衣類スチーマーが「花粉対策」に使えるって本当?実力と使い方を家電ライターが解説

シャツに衣類スチーマーを当てている
衣類スチーマーが「花粉対策」に役立つ(Ph/イメージマート)
写真7枚

お出かけ前に、ハンガーに掛かったシャツやニットなどのシワをサッと伸ばせる衣類スチーマー。除菌やタバコなどの脱臭にも効果的だとされていますが、実はこの時期に耳よりな「花粉の抑制」にも作用するそう。その実力や使い方を、家電ライターの田中真紀子さんに聞きました。

高温のスチームを当てることで花粉を抑制

花粉は本格シーズンに突入。花粉が飛び交う外からようやく帰宅しても、まだ気は抜けません。衣類やカバンの花粉を部屋に持ち込めば、室内でも花粉の“ムズムズ”に悩まされるからです。脱いですぐ洗濯機に放り込める衣服ならともかく、ジャケット類や布製カバンなどは、玄関先で花粉を除去しておきたいところ。ここで役立つのが衣類スチーマーです。

「確かに衣類スチーマーで花粉は対策できます。ですが、実は除去しているわけではありません。高温のスチーム(蒸気)を当てることによって、熱に弱いダニや花粉などのアレル物質の作用を抑制してくれているのです。高温のスチームを衣類に1秒押し当てることで、99%以上抑制できるといわれていますので、効果的と考えていいでしょう。

ただし高温が苦手なシルクやウール、カシミアなどの動物繊維、ベルベッドなどは、スチームを押し当てることができませんし、アイロン不可の製品にはそもそも使えません。生地を傷める原因になりますので、タグの絵表示を必ず確認しましょう」(田中さん・以下同)

玄関先で使うなら立ち上がり時間が短いものを

それでは、帰宅後すぐ玄関先で、衣類スチーマーを使いたい場合、どのようなスチーマーを選ぶとよいのでしょうか。

玄関
帰宅後すぐ玄関先で衣類スチーマーを使うなら立ち上がりが速いものを(Ph/イメージマート)
写真7枚

「まず見るべき点は、立ち上がり時間の短さ。衣類スチーマーは、アイロン台を出さずにシワ伸ばしができるという点では、手間要らずとされていますが、実際はやはり手間がかかります。特に気になるのは立ち上がり時間。あまり時間がかかると玄関で待っていられません。玄関で花粉対策用に使いたいなら、すぐに立ち上がる製品を選びましょう。かつては60秒近くかかるものもありましたが、近年は15秒程度で立ち上がるものもあります」

次に見るべきは、スチームのパワフルさ。

「花粉対策に使いたいなら、シワ伸ばしと使用目的が異なりますので、多少大きくてもスチームが長持ちするパワフルなものをおすすめします。一般的に、1分あたりのスチーム量が18g以上がパワフルを実感できるとされています。シワ伸ばしの場合、衣類を引っ張りながらシワが伸びるまで根気よく使う必要があるため、取りまわしやすさも重要でしたが、花粉対策はとにかく高温スチームを全体に当てるのが重要です。

おすすめの使い方としては、玄関で衣類スチーマーを立ち上げている間に、衣類の花粉を落とし、空気清浄機で取り除いてもらってから使うといいでしょう」

カーテンに付着した花粉には、コードが長いタイプを

玄関以外でも花粉の抑制に使えるのが、窓際にかかっているカーテン。

ティファール『アクセススチーム フォース』で衣類にスチームを当てている
ティファール『アクセススチーム フォース』ならコードが長く、玄関やカーテンにも使いやすい
写真7枚

「空気清浄機は空気中を浮遊している花粉は取り除けますが、カーテンに付着した花粉は取り除けません。特に換気をしたときなどに部屋にはいり込んだ花粉がそのままカーテンに付着している場合もあります。カーテンにも使いたいなら、使用面積が広い分、コードが長いものを選ぶと使いやすいです」

以上を踏まえ、花粉の抑制に効果的な衣類スチーマーを教えてもらいました。

【1】 ティファール『アクセススチーム フォース』

ティファール『アクセススチーム フォース』
パワフルで立ち上がりも速い。ティファール『アクセススチーム フォース』9250円(税込)2023年2月23日時点の実勢価格
写真7枚

パワフルさ、形状、立ち上がり時間等々、多角度的に使いやすいのがこちら。玄関先でもカーテンの花粉にも重宝しそうです。

パワフルでコードも長く、玄関先でもカーテンにも◎

ティファール『アクセススチーム フォース』で衣類にスチームを当てている
立ち上がり時間は25秒と短い
写真7枚

「スチーム量が1分あたり平均23gと、圧倒的にパワフルな衣類スチーマー。自立して置けるので使いたいときにサッと使えます。立ち上がり時間は25秒と短く、連続噴射もできるので、短時間で一気に衣類全体の花粉ケアが可能。この形状は、上下に動かしながら使いますが、重心バランスが計算されているため、腕が疲れにくい特徴があります。コードの長さは3mもあるので、衣服全体にストレスなく使え、カーテンにも便利。本体重量は1160g」

【2】 パナソニック『衣類スチーマー NI-FS790』

パナソニック『衣類スチーマー NI-FS790』
軽量で、立ち上がり時間の短さが魅力。パナソニック『衣類スチーマー NI-FS790』1万8480円(税込)※2023年3月1日時点の実勢価格、編集部調べ
写真7枚

軽量、立ち上がり時間の短さ、デザイン面からも、特に玄関先で使うのにおすすめ。

立ち上がり時間はわずか19秒。玄関先で使いたい人に

「玄関に出しっぱなしにしたいなら、コンパクトかつスタイリッシュなデザインで定評のあるパナソニックがおすすめ。19秒と短時間で立ち上がるので、待ち時間を感じさせません。スチーム量は1分あたり平均15g(HIGHモード時)で、本体は690gと軽量。ササッと済ませたい人に最適ですね。上に向けても横に向けても360度噴射できるので、角度を変えながら効率よく全体に噴射できるのも魅力です」

衣類スチーマーは花粉対策だけでなく、ハンガーにかけた衣類のシワ伸ばしや布製品の除菌など、幅広く使えます。花粉対策を機に、購入してもいいかも?

◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

田中真紀子
家電ライターの田中真紀子さん
写真7枚

白物家電や美容家電を中心に家電に詳しいライター。雑誌やウェブなど多数のメディア
で、新製品などをレビューしている。https://makiko-beautifullife.com

取材・文/桜田容子

●持ち運び可能な「花粉対策家電」はどうやって花粉を撃退?その実力は?家電ライターが解説

●今年こそ花粉に悩まない!空気清浄機はどこに置くのがベストポジション?家電ライターが解説

→「スマート家電」の他の記事はコチラ