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境界悪性腫瘍を患った65歳オバ記者、「今思えば…」入院・手術前に感じていた数々の体の異変

体はいくつもの警戒警報を鳴らしていた

で、結果的に「卵巣がんの疑い」で6時間に及ぶ手術をした結果、実際の病名は「境界悪性腫瘍」だったけど、そうなるまでに体はいくつも警戒警報を鳴らしていたんだよね。

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手術は6時間もかかった
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たとえばお酒が急激に弱くなったとかね。5年前は日本酒を飲むのにビールをチェイサーにする、なんてことを平気でして、「またね~」とか言いながら飲み仲間と別れ、家に帰ってパソコンをいじったりしていたよ。それが3年くらい前からブラックアウトというの? 途中から何を食べて何を話したのか、記憶が飛ぶようになったのよ。もちろんそんなことは若いころもあったけれど、決定的に違うのは以前だったら「かなり酔っていたよね」と人から必ず言われたこと。

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「かなり酔ってた」と人に言われるようになってビックリ
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これを人に言うときって、軽い酔っ払いじゃなく大崩れしたときよね。お酒を飲んでバカ言ったりするのはお互い様だからちょっとハメをはずしたくらいでは「かなり酔っていた」とは言わないもの。で、私も私で、「私、何かやった?」とは聞けないのよ。そのくらいのことをした、と思っているから。ということは前はできていた、酔っていないフリができなくなっていたということよね。

歩くスピードが遅くなる…寝ても2~3時間で目が覚める

歩くスピードが遅くなったのもこの頃からで、なんと9歳年上の友だちに”歩き負け”したの。確かにその女友だちは健脚自慢だったけれど、私より10cmは身長が低いのよ。てことはコンパスが違う。なのに必死で足を動かそうとしても前に進まないんだわ。

夜寝ても2~3時間で目が覚めてしまったのもその頃からよね。「続けて寝られない」と嘆く80、90代の親世代に、「私もそう」と言ったら、「早すぎないか?」と首をひねられたっけ。で、いったん目が覚めたら朝方まで目が冴えて眠れない。区の検診を受ける1年前、母親の介護をするために帰省していた私は、毎日、夜中に目が覚めると田舎の静けさに浸りながらひたすらスマホのゲームを何時間もしたの。

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母親の介護中、続けて眠れなかった頃は夜中に起きるとスマホゲームをずっとやっていた
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体が冷えやすくなっていて、以前は週に1~2日くらいお風呂に入らない日があっても平気だったけれど、そんなことをしたら眠れない。それで毎日入浴するようになったのは当たり前といえば当たり前だけど、朝入って夜もお湯の中に体を沈めたくてたまらなくなる、というのも今にして思えばヘンよね。

お風呂に入っても体のこわばりが取れず、肩こりと腰の痛みがひどくなる一方とかもそう。と、まあ、私の体験が誰かの役に立てばいいなと思って書いたけれど、いちばん大事なのはどんな小さな異変でも「ん?」と思ったら即、婦人科に行くことよ。「女性は風邪をひいても婦人科を受診せよ」というらしいけど、もしそれができていたらこのお腹の傷はなかったのかなと、毎日、お風呂に入るたびに思うんだよね。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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