睡眠時無呼吸症候群の対策におすすめの食材&栄養素
睡眠時無呼吸症候群の予防や改善におすすめの食材は、ごぼうです。ごぼうは噛み応えがあるため、食べる際に自然と咀嚼(そしゃく)を増やせます。咀嚼が増えると口周りや舌の筋力が高まるので、舌が喉へ落ち込むのを防ぐことにつながります。
また、ごぼうには、体脂肪を減らす働きがあるクロロゲン酸も含まれています。
「春ごぼう」と呼ばれる春から初夏に出回るごぼうは、早採りのためみずみずしく香り高いのが特徴です。定番のきんぴらごぼうや煮物はもちろん、加熱時間が短くてもおいしく食べられるので、サッとゆでてドレッシングと和えてサラダにしてもおいしく食べられます。
ごぼうに限らず、食材を大ぶりに切って調理し、よく噛んで食べる意識を持つことも咀嚼を増やすことにつながります。また、口は味を感じると飲み込む仕組みになっているので、味付けを薄めにすると、味を感じるまで時間がかかり、自然と咀嚼回数を増やすことができるでしょう。
睡眠時無呼吸症候群には漢方も使われている
睡眠時無呼吸症候群の改善には漢方もおすすめです。漢方薬は不調を治すだけでなく、体質改善により健康な体に近づくことができます。
睡眠時無呼吸症候群は、肥満や鼻炎だけでなく過剰な水分が気道に貯まる「痰飲(たんいん)」でも気道が狭くなり、発症すると考えられます。痰飲がたまる原因は水分代謝や胃腸の働きの低下、ホルモンバランスの乱れなどのため、肥満や鼻炎の改善を促したり、体の水分の循環や胃腸機能を整える働きのある生薬を含む漢方薬を選びます。
睡眠時無呼吸症候群でお悩みの人におすすめの漢方薬2つ
・大柴胡湯(だいさいことう)
脂質代謝を改善してダイエットをサポートする漢方薬です。がっしりとした体つきで、便秘気味の人に用いられます。
・葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
体にたまった余分な水分を排泄することで、鼻づまりを改善する漢方薬です。鼻づまりや慢性鼻炎の人に用いられます。
漢方薬を始めるときの注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれたのは:管理栄養士・小原水月さん
おはら・みづき。管理栄養士。ダイエット合宿所、特定保健検診の業務に携わりのべ600人以上の食事と生活習慣をサポート。自身が漢方薬を使用して体調回復した経験から、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。あんしん漢方(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などで執筆中。