男性更年期対策におすすめの食材
亜鉛が不足すると男性ホルモンの分泌量が低下するため、亜鉛が豊富に含まれる食材を食事に取り入れてみてください。亜鉛を豊富に含む旬の食材としては、5~8月ごろに旬を迎えるホタテがあります。
亜鉛はビタミンCと一緒に摂ると吸収率が高まるので、ビタミンCを多く含むカイワレ大根やブロッコリー、キャベツなどと一緒に食べるといいでしょう。
また、ホタテの水煮缶でも手軽に亜鉛が摂れます。亜鉛は水に溶けやすい性質があるので、クラムチャウダーなどの汁物や炊き込みご飯など、水煮缶の汁ごと調理する料理に活用しましょう。
また、ホタテに含まれるアミノ酸の一種「グリシン」には、睡眠の質を高める働きがあるため、不眠解消のサポートになる点にも注目です。
男性更年期には漢方薬によるアプローチもおすすめ
男性更年期の不調には、漢方薬をとり入れてみるのもひとつの手です。泌尿器科などの医療機関でも、男性更年期障害に対して漢方薬を用いるケースは多く見られます。
男性更年期の生殖泌尿器機能や体力の低下に対しては、「ホルモンバランスの乱れを整える」「血流をよくし、生殖泌尿機能を回復させる」「体を温め、内臓の機能を回復させる」「消化・吸収の機能をよくして疲れをとる」といった漢方薬を選びます。また、精神的な不調には、「ストレスで乱れた自律神経を整える」「睡眠の質を高めてストレスを改善する」などの作用がある漢方薬を選びます。
自然の生薬を組み合わせて作られる漢方薬には、体質改善することで心と体を回復させる効果が期待できます。そのため、男性更年期のさまざまな不調に同時にアプローチできる場合もあります。
男性更年期にお悩みの人におすすめの漢方薬2つ
・八味地黄丸(はちみじおうがん)
老化によって衰えた腎(漢方の考えかたで、エネルギーが蓄えられているとされている場所)を補うことで泌尿器系・生殖器系の機能を整える漢方薬です。めまいや頭痛、腰痛などがある人に用います。
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
「気(き)」(エネルギー)の巡りをよくして、神経の高ぶりを鎮める漢方薬です。不眠やイライラ、動悸がある人に用いられます。
漢方薬をはじめるときの注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれたのは:管理栄養士・小原水月さん
おはら・みづき。管理栄養士。ダイエット合宿所、特定保健検診の業務に携わりのべ600人以上の食事と生活習慣をサポート。自身が漢方薬を使用して体調回復した経験から、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。あんしん漢方(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などで執筆中。