
健康のためや時間を有効に使うために「朝活」を始めたいが、「具体的に何をしたらいいかわからない」という人は多いのではないでしょうか。『週末朝活』(三笠書房)の著者で早起きトレーナーの池田千恵さんに、週末ならではの「おすすめの朝活」について聞きました。
朝ストレッチが1日を変える
まず池田さんが推奨するのは、朝一番で受ける整体マッサージなど、全身のストレッチです。
「朝いちばんで姿勢を意識することで1日の意識が大きく変わることに気づき、整体の予約時間は朝いちばんでお願いしていました。朝に身体が整うと、1日その『型』がピタッとはまる気がして気持ちよいのです」(池田さん・以下同)
「週末の朝整体」はいいことずくめ
「姿勢がよくなると、目線が高くなるので見える景色も変わります。いつもの景色なのに、何か別の景色を見ているようで楽しくなります。平日に整体へ行く時間が取れない人でも、週末なら通いやすいのではないでしょうか」

整体院などに通えない場合、自宅でストレッチの時間を取るだけでも「身体が整う」効果が期待できそうです。
「早朝月見」は週末ならではの贅沢
「月見」といえば夜を思い浮かべますが、池田さんによると、「早朝月見」も週末朝活ならではの楽しみだそうです。
「ブルームーン」でよさを実感
「ひと月の間に満月が2度現れることをブルームーンといいます。私が早朝月見の良さを実感したのは2020年の1月で、元日と31日の2回が満月でした。その元日早朝4時ごろには部分月食を楽しみました。
空気が冴えわたる早朝、しーんと静まり返った中に浮かぶクリアな輪郭の月を見て、明かりが心にしみいるように感じたのを覚えています」

空とともに変わる月の様子
早朝月見のよさは元旦に限りません。
「朝日が昇ってきたころの、青空とともに見える月にはえも言われぬ風情があります。光と影の差が、夜ほどはっきりとしていないため、月の表面がなめらかに見えてまた格別です。空の変化とともに変わる月の様子を観察するのも、時間がたっぷりある、週末の朝ならではの贅沢です」
「特別な朝食」という選択
池田さんのもとには、「早起きしたぶん、朝食も早い時間に摂るので、お腹が早く空いてお昼までもたない」という声が寄せられることもあるそうです。
早起き後の空腹をどうする?
「時間の融通が利く人なら、11時頃に昼食を食べてもいいですが、難しい人もいるでしょう。せっかく早起きして時間がたっぷりとあるのですから、普段は摂らないような『特別な朝食』を用意してみてはいかがでしょうか」
池田さんがすすめる予防策は、「朝ご飯をしっかり、よくかんで食べる」「小腹がすいたときは、歯ごたえのあるものや無糖の炭酸水でお腹を満たす」の2つです。

腹もちがよい朝食のアイディア
「私の朝の定番は玄米ご飯です。きちんと噛まないと消化によくないですが、早く起きた朝ならゆっくり噛む余裕もあるでしょう。あごを動かすことで脳にしっかり酸素と栄養が行き渡り、シャキッと目覚める感覚がして私は好きです」
玄米ご飯が苦手な人は、ペンネやごぼうサラダ、豆料理などの「歯ごたえのある朝食」がおすすめだそうです。
「それでもお昼前にお腹がすいてしまう場合は、スナック菓子はなるべく避けて、ナッツ、むき栗、ドライフルーツ、こんぶなど、素材の味を楽しむものを少し食べたり、無糖の炭酸水を飲んで空腹を紛らわせるのが、身体にもいいようです」
とはいえ、小腹をどんどん満たしたことで、カロリーの摂りすぎになったり、お昼ごはんが食べられなくなっては本末転倒。量やバランスを考えながら実践したいところです。
◆教えてくれたのは:早起きトレーナー・池田千恵さん

株式会社朝6時代表取締役。国家資格キャリアコンサルタント。2009年に上梓した『「朝4時起き」で、すべてがうまく回り出す!』がベストセラーとなり、「朝活の第一人者」と呼ばれるように。プロデュースを手がける『朝活手帳』は13年連続刊行中。朝1時間の業務改革による生産性向上、働き方改革のための手法を企業に指導するほか、一人ひとりのライフスタイル・目的に応じた朝活の形を提案している。2023年4月、『週末朝活』(三笠書房)を出版。https://ikedachie.com/