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66歳オバ記者が振り返る“私の失われた20年”、「健康と時間」以外で失った大きなもの

また次はどんなことに沼るか…

しかし沼にハマっている人間はそうは思わない。だってふつうのお金が欲しくて競馬をしているんじゃないんだもの。ふつうの金とは、人の暮らしに必要な家賃、光熱費、食費などのお金よ。私が欲しかったのは、それではなくて“あぶく銭”だったのよ。

このふたつは見た目は同じお札だけど、重さが違う。ふつうのお金が、「あ〜あ、やんなっちゃったなぁ」とか、「かったりー」とか、ため息をつきながら得るものだとしたら、“あぶく銭”は笑いながら、飛びあがるような喜びとともに得るもの。馬券交換場からブランドショップに直行したときの高揚感といったらなかったわね。

オバ記者
あぶく銭を手にした時の高揚感はなんともいいがたい
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と、ここまで書いたのに、あれあれ? ダメだ、私。その場面はリアルに思い出すのに、ちっとも気持ちが上がらないんだわ。それどころか、「ふんっ、あんた、バカ? 普通に考えたらやらないでしょ」と思っている。

オバ記者
もう何にも沼らない!とは言い切れないカモシレナイ(汗)
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だけどそれは今の考えで、また次はどんなことに沼るか。そうなんだよね。私がその20年で失ったのはと時間と健康だけじゃないの。自分に対する信頼感。これがいちばん大きな負の遺産だった気がする。どんなにかっこうつけたことを語っても次に何をしでかすかわかったもんじゃないもの。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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