天皇皇后両陛下が2023年6月17日からインドネシアを訪問されます。国際親善を目的とした外国へのご訪問は、即位後は初めて。皇后雅子さまにとっては、約20年ぶりになります。
結婚以降、クウェート、アラブ首長国連邦、ヨルダンなどをご訪問
幼少期から海外での生活、オックスフォード大学への留学も経験され、英語やロシア語などを話される雅子さま。1993年の結婚以降、国際親善のためクウェート、アラブ首長国連邦、ヨルダン、サウジアラビア、オマーン、カタール、バーレーンを訪問されています。
しかし、2004年5月、健康の回復が十分ではないという理由で、デンマーク、ポルトガル、スペインへのご訪問を断念されています。それから2か月後、適応障害であることを公表されました。
同年5月10日に行われた記者会見で天皇陛下(当時は皇太子)は「殊に雅子には、外交官としての仕事を断念して皇室に入り、国際親善を皇族として、大変な重要な役目と思いながらも、外国訪問をなかなか許されなかったことに大変苦悩しておりました。今回は、体調が十分ではなく、皇太子妃としてご結婚式に出席できる貴重な機会を失ってしまうことを本人も大変残念がっております。私も本当に残念で、出発に当たって、後ろ髪を引かれる思いです」と、お気持ちを明かしていました。
2002年の海外公式訪問は8年ぶりだった
雅子さまが、国際親善のための海外へ訪問されたのは愛子さまが誕生された翌年の2002年、オーストラリアとニュージーランドでした。同年12月5日、約8年ぶりの両陛下(当時は両殿下)そろっての国際親善訪問を前に記者会見が開かれました。会見で雅子さまは、率直に胸の内を語られていました。
「今回、公式の訪問としては8年ぶりということになりまして、ニュージーランドとオーストラリアを訪問させていただくことができることになり、大変うれしく、また楽しみにしております」
「外国訪問をすることがなかなか難しいという状況は、正直申しまして私自身その状況に適応することになかなか大きな努力が要ったということがございます」
「子供という期待もございましたし、他方、仕事の面で外国訪問なども国際親善ということでの期待というものもございまして、そういう中で今自分は何に重点を置いてというか、何が一番大事なんだろうかということは、随分考えることが必要だったように思います」
1992年10月、天皇陛下からのプロポーズの際に「外交官として仕事をするのも、皇族として仕事をするのも国を思う気持ちに変わりはないはず」というお言葉をかけられた雅子さま。ご結婚前に外務省のキャリアウーマンとして活躍されていた雅子さまにとって、8年ぶりに国際親善のために海外へ訪問されることは、大変喜ばしいことだったでしょう。おふたりは会見の6日後、12月11日から19日までニュージーランドとオーストラリアを訪問されました。