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【大塚寧々 ネネノクラシ#51】酷暑のヨルダン旅行でのハプニング「砂漠で家族三人置き去りに」

大塚寧々
寧々さんの夏の思い出とは?(Ph/網中健太)
写真2枚

女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第51回は、寧々さんが体験した夏の海外旅行でのハプニングについて。

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知らない場所に行き、様々な景色や人、美味しい食べ物に出会うと、どんどん元気になっていく気がする。

今年の夏は思いきってどこか遠くに行ってみたい。そういえば先日ドイツに住んでいる従姉妹が仕事で日本に来ていて、“この後モンゴルのゴビ砂漠に行く”と言っていた。行動力が素晴らしい! ゴビ砂漠から送られて来た写真は、私の想像とは全然違ってお花畑があり、川からはせせらぎが聞こえてきそうで驚いた。きっと夜は星もすごく綺麗なんだろうなあと想像すると、私まで幸せな気持ちになって、顔がにやけてしまう。

「暑いというより痛い」猛暑の砂漠に家族三人…

何年か前の夏に、家族でヨルダンのワディ・ラムの砂漠に行った時は、本当に暑かった。半袖で素肌を日光にさらしていられない。もう日差しが凄すぎて、暑いというより痛かった。

サングラスをして頭から薄い布をかぶり、長袖を羽織ったら嘘みたいに暑さがやわらいだ。もちろん暑いことは暑いのだが、体が生き返った感じがしてすごく驚いたのを覚えている。

酷暑のヨルダン。置き去りにされて焦った(Ph/大塚寧々)
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ラクダに乗ろうと楽しみにしていたのだが、何と暑すぎてラクダがばててしまい無理だと言われた。息子はあまりの暑さに鼻血が止まらなくなってしまった。焦って日陰を探そうにも砂漠では見つからず、砂漠のガイドさんは、用事があると言っていなくなってしまい、砂漠にたった三人で取り残された私達は本当に焦った。

夫に「戻って来てくれるよね?」と聞いても、「多分大丈夫」という顔が焦っている。これは、かなりヤバイ状態なのではと思ったが、とにかくガイドさんの言葉を信じて待つしかない。何を言っても仕方がない。

素晴らしい砂漠の景色も、このまま夜になってしまったら、星空は綺麗だろうけど、どうするんだろうと私達も不安になる。サソリとかいるだろうなあ~、危険な動物もいるんじゃないかと、不安はマックスだ。

持っていた水を息子に飲ませながら、水も足りなくなるんじゃないかと泣きたくなってくる。いや、こんな時こそ不安な気持ちを抑えながら、落ち着かなければと自分に言い聞かせる。

どれくらい時間が経ったのか定かではないが、ガイドさんが戻って来てくれた時は本当に嬉しかったし安心した。旅は色々な事があるが、砂漠に置き去りはさすがにもう嫌だなあ~。

でもあの砂漠の雄大な景色は、圧倒的だった。またヨルダンに行きたいなあと思う。

◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)

1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。出演映画『Dr.コトー診療所現在』が公開中。

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