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暑い夏に疲れたくない…それでも“大人の夏旅”を満喫するには?「夜間&早朝をメインに」「あえてインドアやおこもり旅も」

京都観光 女性 旅行者
京都の神社などは早朝は人が少なく空気も爽やか(Ph/photo AC)
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いよいよ夏休みとなり、本格的な旅行シーズン到来。ですが、「ここ数年の夏の暑さは異常。無防備では身の危険を感じることもある」と旅行ジャーナリストの村田和子さん。せっかくの旅行を存分に楽しみたいからこそ心に留めたい、“大人の夏旅の注意点”をお届けします。

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長期休暇がとれる夏休みは、旅へ出かけるかたも多いですよね。ただ年々、夏の旅行が暑さのせいでしにくくなっていると感じます。年齢を重ねたこともあり、私も夏は何もしなくても(ホームで電車を待っているだけでも)体力が奪われ、帰宅して疲れを感じることが多くなりました。

そこで今回は、旅を存分に楽しみたいからこそ心に留めておきたい、40代・50代からの「大人の夏旅、リスクと注意点」を紹介します。

夏こそインドア!おこもり旅を選択肢に

夏の旅といえば、「海やキャンプ」とアウトドアで過ごすイメージがありますが、40代・50代からの大人旅では、夏こそおこもり旅を検討してみるのも一案です。「都会の景色のいいホテルで過ごす」、「温泉旅館でゆったりと過ごす」、「インドアでできる趣味や体験を極める」、あるいは「リゾートへ行く場合も連泊で“住むように旅をする”」のがおすすめです。

「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」。窓からは絶景、館内はアートと、上質でアーバンなホテルライフを満喫
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私も日々実感をしていますが、年齢を重ねると疲れが取れるのにも時間がかかります。自分の体力と折り合いをつけながら、心身ともにリフレッシュできる、疲れすぎない旅の過ごし方を選びましょう。

インドアのエンターテインメント施設「スパリゾート・ハワイアンズ」なら、一年中28度の館内で快適。フラショーに温泉も楽しめる
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屋外の観光は夜間や早朝をメインに

京都や奈良では、早朝から拝観できる寺社仏閣が多くあります。朝のお勤めに参加できる寺院も多く、早起きして参加すれば、すがすがしい1日になること間違いなし。

人気の寺社仏閣も、早朝なら人も少なく日差しも柔らか。写真を撮り、ゆったりと散策もできます。朝食前の時間をうまく活用するといいでしょう。

ただし、御朱印やお守りを授かりたい場合は、社務所の空いている時間を調べていくことも忘れずに。

京都駅近く東本願寺(写真)、西本願寺でも朝のお勤めに参加できる
京都駅近く東本願寺(写真)、西本願寺でも朝のお勤めに参加できる
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コロナ禍で密を避けることが重視される中、早朝や夜間にイベントをするところも増えています。例えば北海道の札幌定山渓温泉では、定山渓観光協会主催で「JOZANKEI NATURE LUMINARIE 2023」を実施。プロジェクションマッピングやイルミネーションなど、見応えがあるイベントで、定山渓温泉にある宿へ宿泊するとチケットがもらえ無料で楽しめます(宿泊者以外の見学は不可)。

「JOZANKEI NATURE LUMINARIE 2023」を実施。プロジェクションマッピングやイルミネーションなど
「JOZANKEI NATURE LUMINARIE 2023」。イルミネーションやプロジェクションマッピングなどが楽しめる
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筆者は定山渓温泉に昨年オープンした「ゆらく草庵」に滞在し、JOZANKEI NATURE LUMINARIE 2023を満喫
筆者は定山渓温泉に昨年オープンした「ゆらく草庵」に滞在し、JOZANKEI NATURE LUMINARIE 2023を満喫
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他にも夏休み期間は、夜の限定イベントも各地で開催されるので、観光協会や施設のホームページなどで、あらかじめ調べていくといいでしょう。暑さを避け、いつもとは違う魅力あふれる体験ができますよ。

岡山県の後楽園でも8月は夜間特別開園、「幻想庭園」を開催
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日中は空調のきいた施設でゆったり

ホテルをチェックアウトして、次にチェックインするまでの時間は、まさに暑さも一番厳しい時間帯。連泊なら問題はありませんが、そうでない場合は、休憩をしながら過ごせる場所を確保しておきたいもの。おすすめの過ごし方は、ランチをゆっくりいただく、あるいは気になるカフェで過ごすのもいいですね。

ランチをゆったり豪華にするのもいい
ランチをゆったり豪華にするのもいい
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観光なら、美術館・博物館などのインドアの施設を見学する。あるいは伝統工芸などの制作体験をこの時間帯にいれるといいでしょう。意外な場所としては図書館もおすすめ。有名建築家が設計したもの、カフェが併設になっているものなど、わざわざ訪れたい個性的な図書館が増えています。あれば、訪れてみるのもいいですね。

日中は、体験ものをするのもいい。写真は絵付け体験(愛媛県:砥部焼観光センター炎の里)
日中は、体験ものをするのもいい。写真は絵付け体験(愛媛県:砥部焼観光センター炎の里)
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特に夜に観光をするなら、夕食は軽めにして、昼食を豪華にすることで、お腹の具合やお財布も、バランスがとれておすすめです。

荷物は最小限に。ホテルへのお届けサービスなども利用

キャスターやボストンなど大きな荷物は、暑い中、持っているだけで体力が奪われます。できるだけ身軽にするとともに、荷物を持ち歩かないためのサービスをチェックしておきましょう。「荷物ならコインロッカーに」というかたは多いかと思いますが、訪日外国人も増える中、ロッカーの空きがないケースも多く見受けられます。

東京駅などターミナル駅は、慢性的なコインロッカー不足
東京駅などターミナル駅は、慢性的なコインロッカー不足
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荷物の一時預かりや、最近は、駅や空港からホテルまで荷物を届けてくれる(あるいは逆)を実施するサービスも各地で増えていますから、調べておくといいでしょう。

「OMO5金沢片町 by 星野リゾート」では宿泊者用に無料のコインロッカーを館内に用意
「OMO5金沢片町 by 星野リゾート」では宿泊者用に無料のコインロッカーを館内に用意
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チェックイン前・チェックアウト後に手荷物を預かってくれる宿も多いですが、その場合は行程に無理や無駄がでないかをチェックして。宿選びの際にも立地について、確認をしておきましょう。

リスク回避の持ち物は?携帯電話のバッテリーは必須

暑さ対策としては、日傘や帽子の他、28度以下で凍結し、28度以上で溶け出して冷やしてくれるネッククーラーも人気です。

帽子と日傘
熱中症対策は、もはや夏の定番。対策はしっかりと(Ph/photo AC)
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また、熱中症の対策として「水分」と「塩分(塩飴など)」の補給は必須です。のどが渇いたと思っても、場所によってはすぐに入手できないこともあります。鞄に水筒などを常備しておくと安心です。

他にも、夏は台風や豪雨など、自然災害も意外と多く出会います。情報収集や連絡手段が途絶えないように、携帯電話の予備バッテリーは持参すること、大事な連絡先は紙のメモも持参しておくことをお勧めします。

楽しい旅だからこそ、備えあれば憂いなし。頭の片隅にちょっと入れておくと、リスクを減らし、快適に安心して旅が楽しめますよ。

◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

村田和子さん
旅行ジャーナリスト・村田和子さん
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旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年より7年間、NHKラジオ『Nらじ』月一レギュラーを務めた。トラベルナレッジ代表(https://www.travel-k.com/)。旅ブログも行っている(http://www.murata-kazuko.com/)

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