老後資金は2000万円必要? 利息のつかない今こそ活用したい新NISA
2019年には、「老後資金は公的年金のほかに、一人あたり平均2000万円が必要である」といった金融庁の報告書が大きな話題となりました。これまでは、まじめに働いていれば順調に収入が増え、預貯金と年金があれば定年後も心配不要、といった考え方が多くありましたが、昨今はその定説が崩れつつあります。
「国税庁の民間給与実態調査によると、23年前は460万円を超えていた日本人の平均年収は、ここ10年、414~443万円の間で推移しており、金融広報中央委員会発表が2022年に行った『家計の金融行動に関する世論調査』によると、年代別、世帯構成別の平均貯蓄額(保有している金融資産の額)のうち、最も多い『60代の二人以上世帯』で1819万円、『60代独身世帯』で1388万円と、いずれも2000万円に及びません」
預金でお金は増えない時代。預貯金以外の投資が必要
銀行預金の利息が8%だった時期もあるなど、かつての日本では銀行や郵便局にお金を預けるだけで、みるみるお金が増えていきました。しかし、バブル崩壊後、利息はどんどんと低下。
「2023年3月時点の預金金利は、0.001~0.3%程度です。今は、『収入を増やす』『貯金をする』といったことによって資産を増やすことが非常に難しい時代であり、金融庁の提唱通り、預金以外の投資によって自己資産を増やし、老後に備えることが必要なのです」
新NISAでの投資は税金のかからない貯金のようなもの
貯蓄から投資へ時代が移り変わるなか、以前と比べて投資信託の質も上がっているそうです。「とても安全性の高い(失敗する可能性が低い)投資の場合でも、基本的には6~7%程度の利回りが見込めます」と横山さん。加えて、新NISAを使えば、その利益には税金がかかりません。
「預貯金をしてもほとんど利息がつかない、この超低金利社会において、新NISAを利用して投資信託を運用することは、『お金が増えるのに、税金がかからない貯金』をするようなものなのです」