臨機応変な女性脳と定番が大好きな男性脳の違い
女性は臨機応変な生き物だから、食べたいものもその日の気温や湿度、体調などでも変わります。ところが、男性はカレー、生姜焼きなど決まったものを好む人が多いと思いませんか?
それは、男性脳にとっては定番が安心できるから。古代から狩りをしてきた男性の脳は、遠くから飛んでくるものに瞬時に照準が合うように脳と眼球を制御していて、身の回りを定番で固めているほうが遠くに意識を集中できます。定番が少しでも変わると大きな事故につながる可能性もあるため、男性は無意識に定番を求めてしまいます。
義父は、昼は「蕎麦」と決めていましたが、男性がずっと同じ床屋に通うのも、同じ飲み屋に通うのも、定番が安心だからなのです。それを逆手にとって、食事のメニューも「金曜日は生姜焼き、土曜日はカレー」などと決めてしまっては?
すでに決まっていれば、夫に「次、何食べる?」と聞かれても、「金曜日はカレーの日よ」と考えずに答えられます。メニューを考える手間も省けるし、定番が大好きな男性にとっては安心感にもつながるので、週に何度かは定番メニューの日を決めてしまうと楽になりますよ。
◆著者:人工知能研究者、脳科学コメンテイター・黒川伊保子
1959年長野県生まれ。人工知能研究者、脳科学コメンテイター、感性アナリスト、随筆家。奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピュータメーカーでAI開発に携わり、脳とことばの研究を始める。1991年に全国の原子力発電所で稼働した、”世界初”と言われた日本語対話型コンピュータを開発。また、AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発し、マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者。著書に『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』(講談社)『思春期のトリセツ』(小学館)『60歳のトリセツ』(扶桑社)など多数。