スマホの見過ぎに要注意
夜寝る前に布団の中でスマホを見ている人は、その姿勢が問題。
「布団の中で片手にスマホを持って操作していると普段以上に顎を引いたうつむき姿勢になりがち。すると首元が圧迫されるため、唾液の分泌が滞ってしまいます」
また、起きているときに長時間スマホを使うことで、顎を引いた姿勢が長時間続くと、いわゆる「スマホ首」になり、ふわふわしためまいを感じるようになるとのこと。
「さらに、スマホの見過ぎで猫背になり、胸郭が狭くなると、自然に呼吸が浅くなります。すると血液中の酸素が不足して集中力が続かず、ぼーっとしてしまったり、慢性疲労や眠気、頭痛、自律神経失調症などの症状が出てしまいます。スマホの使用中、気づくと眉間にシワが寄っている人も、過緊張状態の表れかもしれません。過度な緊張状態が長く続くと唾液の分泌が減り口臭が発生しやすくなります」
スマホを30分以上使ったら一度顎を上げて、腹式呼吸で深呼吸すると、リラックス神経も働き唾液の分泌も再開すると、中城さんはすすめています。
食事中に分かる唾液量の低下や口臭
食事では、味覚の変化で唾液の減少を測ることも可能。
「唾液が減少すると、味を感じる『味蕾(みらい)』という細胞への刺激が少なくなり、濃い味付けの食事でないとおいしく感じられなくなるのです」
また、唾液が少ない状態だと食べ物をうまく飲み込めず、肺に飲食物などと一緒に細菌が入る誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。気をつけましょう。
なお、食べたものに関係なく、苦い味が、しょっぱい味がずっと口の中に残っている、口の中に粘り気があるという違和感は、舌がカラカラに乾いている状態といえます。
スマホを触る時間、舌の状態、味覚など、日常的に意識してみると、唾液の状態が分かるかもしれません。意識的に唾液を出すように心掛けたいものですね。
◆教えてくれたのは・歯科医師・中城基雄さん
歯科医師、鍼灸師。口臭専門クリニック「中城歯科医院」院長。1984年に東京歯科大学を卒業し、1988年に日本大学大学院歯学研究科修了後、中城歯科医院院長に就任。日本歯科東洋医学会、日本東洋医学会、日本歯科麻酔学会所属。日本歯科色彩学会理事、全日本鍼灸学会認定師。ラジオ、新聞、雑誌などのメディア露出も多数。近著に『スマホがあなたをブスにする 歯科医師が教える1日3分でキレイを保つ方法』(大和出版)がある。