女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第56回は、寧々さんが食べた絶品の「夏野菜」について。
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今年の夏の暑さは、本当につらい。もう仕事以外は、外に出たくない感じだ。
休みの時は、義父や母も一緒になるべく山の家に行った。ご近所の方々も、今年は暑い!とおっしゃるが、それでも東京に比べたら全然過ごしやすい。クーラーもいらない。
私は、夏が本当に苦手だ。早く大好きな秋になってほしい。暑すぎて、家事もなかなかはかどらない。グタグタしながらも、自分に発破をかけて何とか気合いで頑張っている感じだ。
体もなんとなく重い感じがするので、今年の夏はとにかく野菜をたくさん食べた。お隣のYさんがくださるとうもろこしやトマト、茄子、きゅうり、枝豆の美味しい事! いったい何十本のとうもろこしを蒸しただろう。そして、食べきれないので一粒一粒剥いて、小分けに冷凍していたが、だんだん一粒一粒剥がすのが面倒くさくなって最後の方は包丁で薄くスライスしていた。それにしても甘くて美味しい!
枝豆もチョキチョキ地味にたくさん切った。茄子は新鮮でトゲが痛くて、刺さって何回「痛い!」と叫んだだろう。畑から採れたての野菜は力強く、エネルギーがある。
お隣さんが作ってくれる絶品のきゅうちゃん漬け
そういえばお隣のYさんの奥さんのMさんが作ってくださるきゅうちゃん漬けも絶品だ。作り方教えてください~と言っていたら、Mさんがきゅうりをたくさん用意してくださって 「今から作るよ~!」と言ってくださった。
おお~たくさんのきゅうり!
厚めにどんどん切っていく。そして大きな鍋に醤油や砂糖、お酢、とうがらしを入れて煮立てる。 その中にきゅうりを入れて、またきゅうりを出して煮立ててと何回か繰り返す。きゅうちゃん漬け、最高です! Mさんの焼肉のたれも絶品だ。もうレシピ本出してほしい。
Mさんの採れたて新鮮のトマトジュースも最高だ。甘くて美味しい。味付けは何もせずにシンプルにトマトだけだ。ペットボトルに入っているトマトジュースは、なんともいえない柔らかなうっすらピンク色。
たくさん頂いた。私も作ってみようと思い、庭のトマトを採ってミキサーにいれてみた。おお~綺麗なピンク色だ。 ボトルに入れて冷蔵庫でキンキンに冷やす。
しばらくして見たら、分離していた。そっか~だから振れるようにペットボトルに入れるのがいいんだ!と納得。しかし、ミキサーからペットボトルの口にうまく入らない。おお~貴重なトマトジュースがもったいないと思い、ああ~じょうごが必要だ!と、すぐに近くの日用品店に駆け込む。見つけたぞ!ペットボトルに最適なじょうごって書いてある。そして無事にペットボトルにトマトジュースを入れられました!
◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)
1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。