健康・医療

更年期世代が知っておきたい「フェムテック」の基礎知識を専門家が解説

更年期女性の悩みに寄り添うアイテム

フェムテックでは、更年期の女性をターゲットにしたアイテムが拡大中。テクノロジーの進化により、尿漏れやフェムゾーン(腟と外陰)の不快感といった大人女性ならではの悩みを改善する商品やサービスが多く開発されています。

尿もれパッドのイメージ
大人女性の悩みを改善する商品やサービスも開発されている(Ph/photoAC)
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たとえば、尿漏れパッドや機能性ショーツなどが代表的です。特に、日本製の尿漏れパッドはクオリティーが高く、世界的にも注目されているそうです。漏れる量によってパッドの種類を選べたりと、こまやかな配慮が行き届いたさまざまな商品が出ています。

「ショーツも尿漏れが防止できるものや温活ができるものなど、機能性下着ながら見た目は華やかなものが増えています。骨盤底筋を支えるインナーウェアやサポーターなどもあるので、自身の悩みを解決するアイテムを探してみましょう」(山田さん)

ピンクの服を着た山田奈央子さん
悩みにあったアイテムを探してみることをすすめる、日本フェムテック協会代表理事の山田奈央子さん
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「腟の健康を保つために、フェムゾーン専用の石鹸、クリーム、オイルなどでうるおいをプラスすることも大切です。また、腟トレや骨盤底筋エクササイズができるアイテムもありますね。また、自身のフェムゾーンの状態を知り、異変などに気づくためには、セルフプレジャーを行うこともよいです。セルフプレジャー用のアイテムも初心者向けのスリムなものや、部屋においてもかわいらしいリップスティック型のものが販売されています」(関口さん)

更年期のフェムテック市場の未来

まだまだ発展途上のフェムテック市場。中でも更年期に関することは、これからどうなっていくのでしょうか。

国も動き始めた!更年期市場の拡大に期待

更年期市場は大きいにも関わらず、解決するサービスや商品が、日本だけでなく世界的にまだ少ないと山田さんは話します。

「アメリカやヨーロッパではフェムテック市場は成長が期待されていることから、投資家からも注目されています。ベンチャー企業が成長しやすく、さまざまなアイディアを活かした商品が増えています。それらの新しい商品を輸入したり、国にも働きかけて日本にもよりよい環境を作っていくのが私たちの役目です。

また、悩みを抱える女性に、フェムテックにもっと頼ってもいいと思っていただけるよう、活動を広めていく予定です」(山田さん)

認定資格でフェムテックの知識を深める

フェムテックについて知りたい人には、日本フェムテック協会が認定資格の制度を行っています。1〜3級まで設けられており、3級では5分程度の選択形式のWebテストを無料で受講可能です。

「フェムテック検定」の紹介ページ
一般社団法人日本フェムテック協会が実施している「フェムテック検定」
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例えば3級は、セルフケアのための情報や知識のベースとなる、生理やフェムゾーンケアなどさまざまなフェムテックの知識について。テストに合格すると「認定フェムテックアンバサダー」の資格を取得することができます。

「管理職の男性が資格を取得したことで職場の女性への理解が深まり、関係がよりよくなったというケースもあります。男女の垣根なくフェムテックの知識を深めることは、社会活動の中で役に立つといえますね」(山田さん)

◆教えてくれたのは:一般社団法人日本フェムテック協会代表理事・山田奈央子さん

ピンクの服を着た山田奈央子さん
日本フェムテック協会で代表理事をつとめる山田奈央子さん
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大手下着メーカーで企画・開発を行った後、世界初の下着コンシェルジュとして独立。株式会社シルキースタイルを設立し、女性特有の悩みに寄り添ったインナー、コスメ、健康雑貨などの商品企画開発を17年間行う。自身の女性疾患もきっかけとなり、2021年に日本フェムテック協会を設立し、代表理事としてウィメンズヘルスリテラシーの重要さを雑誌・TV・企業・行政などで周知する活動をしている。2男児の母。

◆教えてくれたのは:一般社団法人日本フェムテック協会代表理事・関口由紀さん

白衣に紫のカーディガンを羽織った関口由紀さん
日本フェムテック協会で代表理事をつとめる医師の関口由紀さん
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女性医療クリニックLUNAグループ理事長、(株)フェムゾーンラボ社長、女性泌尿器科医師、医学博士、経営学修士、横浜市立大学客員教授、日本泌尿器科学会専門医、日本東洋医学会専門医、日本性機能学会専門医、日本排尿機能学会専門医。2006年に横浜元町女性医療クリニック・LUNAを開業。2022年に女性のためのインターネットサイト「フェムゾーンラボ」を開設し、『女性のからだの不調の治し方』(徳間書店)など著書も多数。www.luna-clinic.jp

撮影/小山志麻 取材・文/イワイユウ

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